私の特に好きな作家の一人、米澤穂信さん。
数多くの作品を書いていますが、今回紹介するのは〈小市民〉シリーズ。
2020年時点で第4巻まで発売されています。
小市民の星を目指す小鳩くんと小佐内さん。
その作品の簡単な紹介と読む順番を紹介していきます。
Contents
〈小市民〉シリーズのかんたんなあらすじ
『春季限定いちごタルト事件』
高校1年生になった小鳩くんと小佐内さん。
恋愛関係でも依存関係でもでない。
二人は互恵関係である。
中学時代にいろいろとやらかしてしまった二人は、高校ではそんな生活を送らないと決意!
二人で『小市民』の星を目指すのだと手に手を取りあい協力する互恵関係を結んだのでした!
そんな小市民を目指す二人ですが、なかなかそう簡単にはいかない。
謎があると解決したくてしかたない小鳩くん。
甘味と復讐がなによりも大好きな小佐内さん。
二人が真の意味で小市民の星となれる日は来るのだろうか。
『夏季限定トロピカルパフェ事件』
高校2年生の夏休み。
そう気づけば前作から1年がたっています。
小鳩くんにとってその夏は、甘いスイーツにいろどられた暑い日々となりました。
小佐内さんの作った〈小佐内スイーツセレクション・夏〉というなんとも素敵な響きの地図とともに。
いつになく積極的に小鳩くんを誘う小佐内さん。
そんな姿に疑念をいだきつつも、互恵関係の義理もあり、小佐内さんのシャルロッテを食べてしまった後ろめたさもあり、苦手なスイーツ巡りに付き合います。
そんなある日、小佐内さんの家で待ち合わせたはずなのに、出かけていない。
少し買い物に出ているとのことだったので待たせてもらっていると、小佐内さんの家の電話が鳴ります。
それは小佐内さんを誘拐した!という電話でした。
小佐内さんはなぜ誘拐されてしまったのか。
小鳩くんは救い出すことができるのか。
『秋季限定栗きんとん事件』
前作『夏季限定トロピカルパフェ事件』で互恵関係を解消した二人。
高校2年生の秋から高校3年生の秋にかけての物語になります。
『秋季限定栗きんとん事件』では小鳩くんにも小佐内さんにも恋人が!?
この二人以外の組み合わせにじゃっかんの違和感を覚えながらも物語は進んでいきます。
今回の中心にいるのは、新聞部の瓜田くん。
なんと小佐内さんの彼氏です。
瓜田くんは新聞部の月報で学外の話を取り上げようと奔走。
市内で起きていた連続放火事件に着目をし、犯人を追いかけることになります。
連続放火事件には瓜田くんだけが気づいた重要な共通点が!?
一方で小鳩くんもひょんなことから連続放火事件に興味を持ちます。
事件の陰には小佐内さんの姿も。
シリーズ初の上下巻。
一気に読み進めてしまいます。
『巴里マカロンの謎』
2020年1月に11年ぶりの新作として発売されました。
〈小市民〉シリーズ初の短編集になります。
時期的には、小鳩くんと小佐内さんが高校1年生の9月から年が明けた1月ころの出来事です。
〇巴里マカロンの謎
〇紐育チーズケーキの謎
〇伯林あげぱんの謎
〇花府シュークリームの謎
の4つ。
少しまったりとしつつ、スイーツとともに現れる謎に小鳩くんが挑みます。
長編とは違う二人の日常が知れてほかの作品の見え方も変わるいい短編集です。
〈小市民〉シリーズを読むならこの順番
一般的にシリーズものを読むなら発売された順番で読みますね。
〈小市民〉シリーズだと、
〇『春季限定いちごタルト事件』
〇『夏季限定トロピカルパフェ事件』
〇『春季限定いちごタルト事件』
〇『巴里マカロンの謎』
となります。
でも上記したように、4巻の『巴里マカロンの謎』は高校1年生のころの短編集です。
なので、
〇『春季限定いちごタルト事件』
〇『巴里マカロンの謎』
〇『夏季限定トロピカルパフェ事件』
〇『秋季限定栗きんとん事件』
の順番で読んだ方がいいかなと感じます。
もちろん、発売順に読んでもおもしろいことは間違いない!
おわりに
簡単ですが、〈小市民〉シリーズのあらすじと読む順番を紹介しました。
小市民という言葉や、自分の学校や会社、社会内での立ち位置などをふと考えてしまいます。
実際の自分の姿とこうありたいという理想の姿を思い浮かべるきっかけにもなるかもしれませんね。
米澤穂信さんの作品はこの〈小市民〉シリーズを始め、読みごたえがあるものが多いので、これを機にほかの作品にも手を伸ばしてもらえるとうれしいです。