実用書

「孫子の兵法」を楽しく簡単に学ぶ!『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』

古来より為政者に読み込まれ続けてきた一書。

現代でも、多くの政治家や経営者が愛読書として名前を挙げているものがあります。

それは中国から生まれた「孫子」です。

ただ、これを単純に読んでもかなり難解。

それをわかりやすく解説し、

「サラリーマンが活かすならこうだ!」

という漫画にしてくれたのが、

齋藤孝さんの『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』です。

私も「孫子の兵法」に関する本はいくつか読みましたが、実際にどう活かすのかという点ではこれはかなり読みやすい本かなと思います。

その中から重要な点を紹介していきます。

なぜ「孫子の兵法」が重要なのか

孫子の兵法といえば、中国で生まれた世界最古の兵法書。

しかし兵法書をなぜ読む必要があるのか。

孫子の兵法は名前のとおり、戦いに関する書物です。

でもそこには、交渉力もあれば、現実にあわせた思考力、事前の準備についてなど、現代にも活かされる数々の金言が残されています。

古くから語り継がれてきたものにはそれだけの価値があります。

孫子の兵法にしてみても、それだけのものがあるからこそ、いまなお多くの人に読まれているのでしょう。

「法とは、曲制・官道・主用なり」

「法とは、曲制・官道・主要なり」

文意:「法」とは、軍隊の編成を定めた軍法、軍を監督する官僚の職権を定めた軍法、主君が軍を運用するため将軍と交わした、指揮権に関する軍法などのことである。組織におけるルールを明文化することの重要さを説いている。

(齋藤孝『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』より)

この本を読んでまず大事だと思ったのはこれです。

組織として成り立ち正しく動くには、きちんとした決まりが明文化されていることが大事だと教えてくれています。

実際に私の職場にも、様々な内部規定がありますが、それとは別に暗黙のルールとも呼ばれるものが存在します。

でも、それって、職場の中で長年にわたって蓄積されてきて、なぜかそうしている本来のルール外のものだったりします。

中にはそのまま続けたいものもあれば、

「なんでこんなことやっているんだろう……」

といったものまであります。

たとえ内部規定でなかったとしても、そのまま残すのであれば、一度全体で共有するなり、その是非を問うてみることも必要です。

「楚人と呉人の相い悪むも……」

「楚人と呉人の相い悪むも、其の舟を同じゅうして済るに当たりては、相い救うこと左右の手の若し。」

文意:楚の国の人間と呉の国の人間とは、お互いに憎み合う間柄だ。しかし彼らが同じ舟に乗り合わせて大河を渡る段になると、互いに助け合うさまはまるで左手と右手のようだという意味。どんなに仲が悪くても、同じ目的があれば助け合うようになると説いている。

(齋藤孝『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』より)

これは有名な「呉越同舟」のもととなった言葉ですね。

職場内を見渡してみると、必ずといっていいほど仲の悪い人たちっています。

そうした人たちをどうまとめあげていいのかっていつも悩むところです。

この本では、そうした場合、チームで共通の目的をつくることを勧めています。

たとえ、あまり良く思っていない相手がいても、意識をその相手ではなく、チーム全体に向けさせるということですね。

そして、目標は具体的かつ無理のないものにしましょうとも指摘しています。

あまりに高すぎる目標だと、団結以前に「無理だろう」という意識が蔓延してしまいます。

「先づ勝つべからざるを為して」

「先づ勝つべからざるを為して」

文意:まず敵軍が自軍を攻撃しても勝つことのできない防御態勢をつくりあげ、敵軍が態勢を崩して、自軍が攻撃すれば勝てる態勢になるのを待ち受ける。つまり、長所をアピールするよりも、欠点をなくしていくほうがすぐれた人材になり得るのだ。

(齋藤孝『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』より)

確かに、優れた先輩や後輩がいても、その人の欠点ってすごく目立つんですよね。

仕事はできるけど、遅刻したり時間が守れなかったり。

人間関係や要領がよくても、仕事が雑であったり。

すると、総合してみるとかなり優秀な人でも、その欠点によって評価が下がることって往々にしてあります。

そうならないためには、まずは当たり前にしておくべきことをきっちりやり抜くこと。

その基本があった上で、自分の強みを活かしていくことが大事ということですね。

「勝つ」戦いよりも「負けない」戦い方を。

「将に五危あり…」

「将に五危あり。必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られれ、潔廉は辱められ、愛民は煩わされる」

文意:将軍には5つの危険がつきまとう。

①思慮に欠け決死の勇気だけのものは殺されてしまう。

②勇気に欠け生き延びることしか頭にないものは捕虜にされてしまう。

③怒りっぽく短気なものは侮蔑されて計略にひっかかってしまう。

④名誉を重んじ清廉潔白なものは侮辱されて罠に陥ってしまう。

⑤人情深く兵士をいたわるものは兵士の世話に苦労がたえない。

(齋藤孝『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』より)

本書では、この5つを現代のリーダーにあてはめて、

〇自信過剰な上司

〇責任逃れする上司

〇理不尽なことで怒る上司

〇融通の利かない上司

〇部下の顔色をうかがう上司

と表現しています。

こうした性格に凝り固まってしまっていたら、たとえチームがどんなによくても、うまく機能しないことも考えられます。

どこか一つにかたよることなく、臨機応変に動けるリーダーが、部下としても一緒に仕事をしていきたいと思えます。

自分がもしかしたらこれに当てはまっているのでは……。

という人がいたら、そこから抜け出す意識改革が必要かもしれないですね。

おわりに

『マンガ齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方』には、まだまだたくさんの「孫子の兵法」から活かしたいことが紹介されています。

そのまま今の職場で使えるものもあれば、考え方として知っておきたいものもありますね。

こうした昔からある古典は、その多くが現代でも通用するものですが、なかなか読み解くのが大変です。

だからこそ、こうしたマンガのようなわかりやすい解説本はとても助かるなと思います。

まずはマンガから入りいずれは原本を読んで自分の血肉としていきたいですね。