小説を書く

小説のジャンル分け。長編、短編、掌編などの違いを解説。

小説はその長さによって、掌編(ショートショート)、短編、中編、長編といったように呼び方が変わります。

どこから呼び方が変わるかってわからない人も多いですよね。

でも、これが明確に定まっているわけではないんですよね。

ネットで見てみても、サイトによって少しずつ違いがあります。

それでも、おおよその定義はできるので、そのあたりを見ていきたいと思います。

ここでは、短編と長編の違いや、文字数、ページ数でどれくらいがそれにあたるかを紹介していきます。

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掌編小説

小説の中で特に短い小説のことを掌編小説といいます。

手のひらにのるサイズの小説ってことですかね。

長さは文字数にして、300文字から800文字程度となります。

すごく短い。

掌編小説と後述するショートショートを含めていうこともあるのですが、ショートショートのほうが長いので、ここではわけています。

「300文字から800文字くらいなら自分にも書ける!」

と思うかもしれませんが、これが意外と難しい。

読書感想文とかならちゃちゃっと書けますよ。

でも、この少ない文字数の中で、ストーリーを展開させて、読者に何かしらを感じさせよと思うと、

「文字数が足りない!」

ってなります。

これまでは、掌編小説が一番短いと思っていましたが、最近はこれよりも短いものがあるんですね。

それが「140字小説」です。

Twitterの投稿が140文字ですよね。

その中に納まるサイズの小説です。

最近では、「140字小説」を対象にしたコンテストもあるくらい一般的になってきました。

ショートショート

掌編小説よりは長いけど、短編小説には至らない小説。

それらをショートショートと呼びます。

短い文章の中に、不思議な設定があり、意外な結末があるものが多いです。

星新一さんの作品なんてまさにそうですよね。

SFのようなファンタジーのような作品がたくさん出てきます。

また、ショートショートや短編をたくさん書かれている田丸雅智は、「短くて不思議な物語」と定義しています。

文字数は、2000文字~4000文字くらいでしょうか。

このあたりもはっきりとした定義がありません。

ショートショートの公募が最近は増えてきています。

そちらを見てみると、「ぼっちゃん文学賞」だと4000文字以内ですね。

でも、日経「星新一賞」だと、10000文字以内なんですよ。

短編の範疇になりますよね。

あまり短いと賞としてもそのあと扱いづらいからでしょうか。

ですので、おおよそ2000文字から4000文字と思ってください。

短編小説

短編小説は、ショートショートよりも長くて、中編小説よりもさらに短い小説です。

おおよそ、原稿用紙10枚から100枚、文字数で4000文字から40000文字になります。

ピクシブ百科事典だと、原稿用紙で10枚から80枚になっていましたね。

こちらも公募で見ていくと、

〇創元SF短編賞……原稿用紙40枚~100枚

〇電撃小説大賞短編部門……原稿用紙42枚~100枚

〇オール讀物新人賞……原稿用紙50枚~100枚

〇短編小説新人賞(コバルト)……原稿用紙25枚~30枚

下限は、ショートショートよりも長いものということで4000文字、上限は、公募を見る限り、原稿用紙100枚で4000文字でだいたいいいのかなと感じます。

実際は原稿用紙換算なので、100枚だと改行や白紙部分を考えると35000文字くらいになるでしょう。

公募に出すときに、短編と言われているからといって、5000文字くらいじゃちょっと短すぎます。

出版されている短編集でも、まあ20000文字以上はある印象です。

中編小説

続いて中編小説です。

あまり中編小説って言い方をふだんは口にしませんよね。

小説といえば短編小説か長編小説。

この中編小説は、その両方に乗っかっているイメージです。

文字数でいうと、原稿用紙100〜300枚、文字数40000〜120000文字といわれています。

「120000文字だったら立派な長編じゃん!」

って思いますよね。

実際に、小説として刊行されたものをわざわざ中編小説とはいわず、長編小説といいます。

このあたりは、定義があいまいであることや、どれが中編かなんてわからないところからそうなっているのでしょう。

文学賞で、中編小説という言葉が出てくるのは、「芥川龍之介賞」です。

芸術性のある一編の短編から中編が対象となる文学賞です。

実際に、芥川賞を受賞した小説の単行本を見ると、比較的、本が薄めのものが多いとわかります。

公募で見てみると、原稿用紙100枚から300枚が募集要項に入っている新人賞がけっこうあります。

中編小説はなんというか、あいまいでちょっとかわいそうな扱いです。

長編小説

長編小説が一応、一番長い小説のくくりになります。

原稿用紙で300枚以上、文字数で120000文字以上です。

単行本だと上下巻にわかれていたり、厚めの文庫本ってイメージでしょうか。

このあたりになると、小説をあまり読まない人だと、

「長すぎる!」

と思って手に取りづらくなってくる範囲ですね。

上記したように、中編小説と長編小説の境目はけっこうあいまいです。

中編小説の文章量の小説が、長編小説として出版されています。

目安として文字数はあるのですが、世の中にある小説で、一つの物語で一冊になるものは長編小説って認識でもいいと思います。

文字数別一覧

ということで、140字小説から長編小説まで文字数で一覧にしました。

〇140字小説……140文字以内

〇掌編小説……300文字~800文字程度

〇ショートショート……2000文字~4000文字程度

〇短編小説……4000文字~40000文字

〇中編小説……40000文字~120000文字

〇長編小説……120000文字以上

これはあくまで目安なので、

「自分は長編を書く!」

「私は短編小説家になる」

なんて考える必要はありません。

趣味で書くなら好きなように書けばいいし、新人賞に出すならその募集要項に沿って頑張っていきましょう。