小説を書きたい!
そう思いながらもなかなか書き進めることができずに悩む人って多いと思います。
私自身もそうした悩みを抱えながら小説を書いています。
それでも、一作、二作と書いていくと、
「小説を書く上でこういう意識が大切だ」
というものが見えてきます。
ここでは、小説がなかなか書けないという人へ、私自身の経験から、大切だったなと感じたことを紹介していきます。
Contents
毎日、小説のことを少しでも考える
まずは、毎日、小説のことを少しでも考えることです。
当たり前だって思いましたか。
そう、小説を書くなら当たり前のことなんですよ。
でも、意外とこれが難しかったりもします。
小説を書こうと勢い込んでいるときって、なにをしていても小説のことがどこか頭の中にあると思います。
「どんな登場人物を出そうかな」
「クライマックスはこういう展開にしようかな」
ってな具合に。
でも、書いていて手が止まってくると、
「自分にはやっぱりおもしろい作品は書けないんだ……」
なんて気持ちが浮かんできてしまいます。
そうなるとパソコンを開くのも嫌になってきて、ついついスマホをいじったり、ゲームをしたり。
そうして気づけば一週間二週間なんてあっという間に経ってしまいます。
がっつり、毎日執筆作業にあたらなければいけない!というわけではありません。
みんな仕事もプライベートもある中で、常に時間に余裕があるとは限らないですからね。
それでも、ちょっと考えるくらいは意外とできると思うんですよ。
たとえば、通勤の電車の中とか、お風呂で湯船につかって一息ついているときとか。
頭の中に書きたいことや、こんなセリフを言わせたいなんてことを思い浮かべて、それを何かにメモするだけでもいいんです。
その積み重ねが小説の土台を作ることになり、完成への一歩でも近づいていきます。
事前準備を念入りに
事前準備ってすごく大切だと思います。
なにをするにしたって準備をどれだけしたかで結果って決まります。
仕事のプレゼンだって、しっかり資料を作って、話す練習をするから、説得力のあるプレゼンができます。
恋愛だって、相手の好きなことをリサーチして、デートプランを考えて、それで初めて楽しんでもらえます。
行き当たりばったりでやろうとしたって、うまくいかないのがあたり前です。
小説を書く場合、
〇登場人物の情報をしっかり固めておく
〇世界観などの設定を決めておく
〇プロットを丁寧に作る
といったことが考えられます。
中にはプロットを書かずに小説を書く人もいます。
それで新人賞を取った人もいれば、人気作家になった人もいます。
でも、なかなか書けない人であればプロットがあるだけで方向性がぶれずに進んでいけます。
少なくとも、結論までは決まっているわけですからね。
ほかの話を書きたい誘惑に負けないで!
私は小説を書いていると、
「なんかいいアイデアが浮かんできた!こっちを書いた方がいいのでは?」
という誘惑にかられてしまうことがよくあります。
だいたいそういうときって、いま書いている小説がうまくいかなかったり、行き詰まっているときなんですよね。
では、そこで方向転換して別の小説を書き出したらうまくいくのかというと、私の場合、大概が失敗します。
もう残念なくらいにこれじゃなかった感が出てきます。
いわゆる現実逃避ってやつなんですよね。
小説投稿サイトの「小説家になろう」を見ていても、割と気に入っている作品の著者が、
「新しい小説も書き始めました!」
という告知をすることがあります。
だいたいこういうときって、最初に書いていた方の更新がどんどんなくなっていくんですよ。
新しいことを書いているときって、発想が湧いてきて楽しいんですよね。
そしてそれまで書いていた方がちょっとマンネリしているか、かきあぐねていたりします。
気づいたときには完全に更新が止まり、未完成のまま数か月が過ぎていく……。
だから、どんなにほかのアイデアが良く見えても、まずはいま書いているものをひと段落するところまで進めていく気持ちを固めましょう。
「じゃあ、その新しいアイデアはどうすんの?」
それはもちろんどこかにメモっておきましょう。
新しくできたアイデアは、少しずつ構成を作っていく分にはどんどんやっていいと思います。
ただし、あくまでいま書いている小説が主であり、こちらを進めることが前提で。
そうすれば、一作出来上がったころには、次の小説のアイデアがある程度固まって、二作目にすぐに取りかかることができます。
並行して書くなんて言うのはプロになってからで十分です。
行き詰まったら書きたいところから
小説は、読むときは最初から順番に読んでいきますね。
いきなり真ん中のページを開いて読んでみたってまったく意味がわかりません。
でも、小説を書く場合は、いきなりクライマックスでもいいし、中盤の見せ場でもいいわけです。
私は、基本的にはプロットができれば最初から順を追って書いていきます。
それでも行き詰まるときってあるんですよね。
そういうときは、自分が一番書きたいところだったり、こういうシーンを入れたいと思っていたところを具体化したりしていきます。
すると不思議なもので、それまで止まっていた場面も、ほかの場面に引っ張られるように書き進められるようになっていきます。
小説の一つ一つの場面って、結局は後半の部分に繋がっていくんですよね。
だから、後半の大事な場面を描くことで、そこに必要なものが見えてきたりもします。
あと単純に、好きなシーンを書くのは楽しい!
自分のモチベーションの維持にも繋がります。
最初は100%を目指さない
最初から完璧な小説を書ける人なんていません。
それがあたり前のこと。
プロの小説家だって、最初に書いた原稿を何回も推敲して、手を入れて、ようやく出版する作品が完成します。
それが初心者であればなおさら、一発で最高の作品ができあがるはずがないですね。
私も初めて書いた長編小説は、それはもう読み返してみるとずたぼろの出来でした。
完成したときは、「やったー!!」という高揚感に浸るのですが、おかしなところが出るわ出るわ。
そのときは、応募する新人賞の2か月前に初稿が完成したので、そこから推敲を重ねて、2回改稿し、応募するに至りました。
推敲してみると、誤字脱字くらいならかわいいもの。
登場人物の設定がぶれていたり、どう考えてもこのシーンいらないだろうというものもありました。
でもそれでいいんです。
なにが言いたいかというと、初稿なんてそんなものだということです。
書いたあと、手を入れるのがふつうなんです。
だから最初から100%は目指さない。
いいとこ60%くらいの出来で十分です。
ひとまず形になりさえすれば、そのあといくらでも良くしていくことができます。
でも、100%を目指すあまりに、ぜんぜん最後まで書けなかったら、それはいつまでたっても完成しません。
細かいところにこだわって手を止めるよりも、60%の出来でも前に進んでいくことが大事です。
途中で辞めないで最後まで書く
小説というのは、結論というものが準備されています。
だからどんなに歩みが遅くても、1日に1ページも書けなかったとしても、書き続けていればいつかは終わりが見えてきます。
そう、途中で諦めさえしなければ。
だから、なによりも大切なことは、途中で辞めないで最後まで書くということです。
私も書いていると、
「あれ?これって本当におもしろいのだろうか」
とか、
「こんな小説じゃ新人賞も通らないだろう」
なんて思うことはよくあります。
それでも、とにかく書いて書いて、目の前の作品を完成させるまで書かないといけません。
小説が書けない人の多くは、途中で挫折をしています。
最近はネットの投稿サイトがたくさんありますね。
そこを見てみるとよくわかります。
未完成のまま、何カ月も更新されなくなった作品がいかに多いかということが。
完成させるということはそれだけですごいことなんです。
だから、いまなかなか書けないという人は、とにかくどんな作品になろうとも、最後まで書くという強い気持ちを持って書き進めていきましょう。
おわりに
小説を書くという作業は、想像しているよりも大変なことです。
私自身、初めて書いたときはもっとすんなり書けると思っていました。
書けば書くほど、プロの小説家の方々の偉大さを感じる日々です。
それでも、そこにもしたどり着きたいなら書くしかないんですね。
だからどんなものでも、とにかく書いていく。
書くだけでなく完成させる。
その繰り返しから、少しずつ小説というものがわかっていって、自分らしい良い作品に近づいていくのだと思います。
これを読んだ人は、これから小説を書きたいと思っている人や、書いていてもなかなかうまくいかない人だと思います。
書きたいという気持ちが強くある人だと思います。
その気持ちがしっかりとあれば、必ず書ききれます。
共々に執筆作業にこれからも邁進していきましょう。