本の名言

伊坂幸太郎さんの名言・名セリフ!「残っている武器は、人を信頼することくらいなんだ」

数多くの小説家が世の中にはいますが、これほど多くの名言を作品の中に散りばめている人は少ないのではないでしょうか。

『オーデュボンの祈り』から始まり、『ゴールデンスランバー』『死神の精度』『アイネクライネナハトムジーク』『バイバイ、ブラックバード』『終末のフール』『陽気なギャングが地球を回す』など、本当に素敵な作品が多いです。

もう誰かお分かりですね。

ここでは伊坂幸太郎さんの小説の中から、私が気になった名言をまとめて紹介したいと思います。

Contents

『オーデュボンの祈り』の名言

「全部知っていなくてはいけないのと、楽しく暮らすというのは、次元の違う話だろ?」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「悪気がないのと人の気持ちをわかるというのは別の話だ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「人生ってのはエスカレーターでさ。自分はとまっていても、いつのまにか進んでるんだ。乗った時から進んでいる。到着するところは決まっていてさ、勝手にそいつに向かっているんだ。だけど、みんな気がつかねえんだ。自分のいる場所だけはエスカレーターじゃないっておもってんだよ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「はじめのうちは正しいことを言って安心させて、それから、相手を騙してやろうって話を大袈裟にして、つづきをくっつけちまうんだ。そういうのに騙されるんじゃないぞ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「狂気と受容。狂うことと受け入れることは似ている」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「問題の先延ばし、これは人間だけが持っている悪い性分なのかもしれない」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「正しいことが人を幸せにするとは限らない」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「好きで貧乏人に生まれてくるやつはいないし、好きで醜男に生まれてくるやつもいない。ハンディキャップは不平等に負わされる」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「人間ってのは失わないと、ことの大きさに気がつかない」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「蟻の巣の中身は、中にいる蟻より、外から眺める人間の方がよく見えるんですよ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「楽しくないとか、悲しいことがあったから、なんて言って、やり直せねえんだ。だろ。みんな、一回きりの人生だ。わかるか?」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「自分の中に欠如感があるから、外部から与えられるものを求めているんだ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「どんなことにも意味がある。動く雲の方向や転がして出たサイコロの目にも意味はある」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

「先のことは知らない方が楽しいんだ。もし誰かに聞かれても『面白くなくなるよ』って言って、教えない方がいいさ」

(伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』より)

『ラッシュライフ』の名言

「ライオンの子は、意識せずとも自分がライオンだってことを教えられる」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「人生はきっと誰かにバトンを渡すためにあるんだ。今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「破壊活動をつづけるイスラム原理主義者の話も、原住民と開拓者の話も、益虫と害虫の違いも、どれも見る角度によって正しさは変わる」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「可能性とは、ゼロでなければ、起こりうることを意味するのだ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「探し出すものなんだ。『未来』は闇雲に歩いていってもやってこない。頭を使って見つけ出さなくてはいけないんだ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「世の中にはルートばかりが溢れている、とね。そう言ったよ。人生という道には、標識と地図ばかりがあるのだ、と。道をはずれるための道まである。森に入っても標識は立っている。自分を見つめ直すために旅に出るのであれば、そのための本だってある。浮浪者になるためのルートだって用意されている」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「世の中には大きな流れがあって、それに逆らっても結局のところ押し流されてしまうものなんだ。巨大な力で生かされていることを理解すれば怖いものなどない。逃げることも必要ない。俺たちは自分の意志と選択で生きていると思っていても、実際は『生かされている』んだ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「何十年も同じ生活を繰り返し、同じ仕事を続けているんだ。原始生物でも嫌になってしまう。その延々と続く退屈を、人はどうやって納得しているか知っているか?『人生ってのはそういうものだ』とな、みんなそう自分に言い聞かせているんだよ。それで奇妙にも納得しているんだ。変なものだ。人生の何が分かって、そんなことを断定できるのか俺には不可解だよ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「実はな、金や外見やステータス、そういう分かりやすいのが俺も好きなんだ。体裁や地位。もしかしたら、物事の本質はそのあたりにあるのかもしれない。目に見えない愛情だとか、仲間意識だとか精神的な価値なんてのは胡散臭い宗教と同じだ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「困るとみんな神様が見えるんだよ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「人は誰かに忠告されたい。同時に誰かにアドバイスしたいと思っている。そういうものだ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「予期せぬことが起きたら撤退する。それが長生きの基本だ」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

「行き詰っているとおまえが思い込んでいただけだよ。人ってのはみんなそうだな」

(伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より)

『陽気なギャングが地球を回す』の名言

「人っていうのは、何かを取り繕うために、本心を隠すものなんだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「人には教育欲がある。一度きりの人生に自信がないものだから、他人に先生面をして、安心するのだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「世の中には先輩面してよけいなことを教えたがる人間が多いってことだけでも学んでおくべきだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「人間というのはそれぞれが主人を持っている。主人とは、つまり人が行動する時の拠りどころで、それは、実際に自分の上に立つ上司かもしれないし、自分だけの「美学」かもしれない。「一般常識」かもしれないし「損得勘定」かもしれない。とにかく、人は行動する時にはその主人、ルールに従う」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「正しいことが人をいつも幸せにするとは限らない」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「仲間を裏切るかどうかは人間の品性の問題だな」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「やるべきことをすべて行えば道は開けるわけです」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「本に書いてあることはたいてい、でたらめだ。目次と定価以外全部嘘だ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「人の上に立つ人間に必要な仕事は、「決断すること」「責任を取ること」の二つしかない」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「感じたこと全部をわざわざ口に出す必要はないんだよ。誰もが心の中で思っているだけならば、世界は平和だ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「世の中で一番大切なのはローンだよ。地球はローンで回ってる」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「馬鹿みたいな話というのは時々現実に起きることがあるから、馬鹿にできないんだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「人間は後悔をする動物だが、改心はしない。繰り返すんだよ、馬鹿なことを。『歴史は繰り返す』というのは、それの言いわけだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「人間の最大の欠点の一つは、『分をわきまえないこと』だよ。動物はそんなことがない」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「いい、人生の長さは時間で決まっていて、それはこうしている間にも減っている。分かる?砂時計の砂がさらさらと落ちるみたいに、どんどん減っているわけ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

「自分の子供を過大評価するのは人間の欠陥の一つだ」

(伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』より)

『重力ピエロ』の名言

「人を公平に扱うものは大抵一目置かれる」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「二十代前半の彼女は、電話の取り次ぎをする時に相手の名前をよく間違えるが、それを理由に怒られたりしない。私は怒られる。その差はどこから生まれるのか、と上司に一度尋ねたら、「だって彼女は可愛いじゃないか」とあっけらかんと言われたことがある。「なら、仕方がないな」と私も納得している」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「どんな陳腐な犯罪でも、それによって、一度きりの人生がぐらぐらと揺すられることには変わらない。いくら事件が陳腐でも、人を不幸にするには充分だ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「理屈にもなっていない理屈をこねる若者は嫌いだ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「もったいぶるのは知っている者の特権なんだって」
「急かすのは、知らない者の特権だよ。もしくは兄貴の特権だ」
「おしなべて兄貴というものは、早く生まれただけのくせに、偉そうなんだよな」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「人生というのは川みたいなものだから、何をやってようと流されていくんだ」と言ったこともある。「安定とか不安定なんていうのは、大きな川の流れの中では、些細なことなんだ。向かっていく方向に大差がないのなら、好きにすればいい」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「人の一生は自転車レースと同じだと言い切る上司もいれば、人生をレストランでの食事に喩える同僚もいた。つまり、人生は必死にペダルを漕いで走る競争で、勝者と敗者が存在するのだという考え方と、フルコース料理のように楽しむもので、隣のテーブルの客と競う必要はなにもないという構え方だ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「生きるってことはやっぱり、つらいことばっかりでさ、それでもその中でどうにか楽しみを見つけて乗り越えていくしかない」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「人間の賢さは、人間のためにしか役立っていない」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「参考意見、というのは、採用されない意見の別名だよ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「自分が考えているようなことは、別の人間も考えているってことだ。大抵の企みは自分に返ってくる」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「人間はさ、いつも自分が一番大変だ、と思うんだ」
「何のことだ」
「不幸だとか、病気だとか、仕事が忙しいだとか、とにかく、自分が他の誰よりも大変な人生を送っている。そういう顔をしている。それに比べれば、あの鳩のほうが偉い。自分が一番つらいとは思ってもいない」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「良心については、多数決の原理があてはまらないんだ」
―――「兄貴、たぶん、良心については、法律だってあてはまらないよ」
「何のことだ」
「多数決と法律は、重要なことに限って、役立たずなんだ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「仕事がはかどらない日は、早く帰るに越したことはない。たとえば、気もそぞろで、そわそわと落ち着きのない兵士は、銃を握ったところでどこに狙いを定めるか分かったものでもないから、戦場から退くほうが周りの兵隊にも迷惑をかけないはずだ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「人の外見は、ファッションの銘柄と同じだ」と春はよく言う。「ブランド品は高いけれど、その分、品質が良い。その逆もある。とんでもない品物にブランド名をくっつけて客を騙すこともできる。人の外見も一緒でさ、人は目に見えるもので簡単に騙される。一番大事なものは目に見えない、という基本をわすれているんだ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「世の中の悲劇は、一般人の勘違いと政治家の自信から起きるんだ」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ。原因を探そうとするんだ。犬や猫は結果にしか興味がない」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

「不思議なことにさ、人は決めつけるのが好きなんだ。烏は黒いものだと決めつけるし、犬は従順、猫は気紛れ、童貞は悪で、不老長寿が一番の幸せ、とかね。断定するほうがきっと楽なんだろう」

(伊坂幸太郎『重力ピエロ』より)

『バイバイ、ブラックバード』の名言

「あるわけないことが起きるから、生きてるのは楽しいんだよ」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「想像力が豊かな奴は生き残れねえよ。やりきれないことが多すぎる世の中だから、何にも考えないほうがいいさ」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「おまえは本当に何でもかんでも他力本願だな。何で?何で?どうして?どうして?ってわたしはおまえのママじゃねえんだから、聞くな」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「前も言ったような気がするけどな、人間の最大の娯楽は、他人に精神的ダメージを与えることなんだよ」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「人の存在は、統計や確率とは関係なくて、ただ、その「一人」だ」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「他人の心配なんてのはな、平和なやつしかしてらんないんだよ」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「人生が楽しいわけがねえだろうが。苦悩と苦痛、茨の道だよ。いいことなんてあるわけねえし」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

「やだな、怖いな、って思って腰が引けてると、やっぱりやられちゃう、って。かかってこい、ってぐらいに真正面から受け止めるほうがダメージは少ないんだ。喧嘩も病気も、何もかも、へっぴり腰じゃ絶対に負ける」

(伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』より)

『ゴールデンスランバー』の名言

「国のためには自分の人生がどうなっても構わない。そう本気で思ってる政治家は稀れだ、って。」
「だろうねえ。政治家が死ぬのは、病気とか、汚職がばれて、はずかしくて自殺する、とかだけ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件の始まり」より)

「腕力がなくとも、精度の高い情報を持っている者は、他人から頼られ、必要とされる」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件から二十年後」より)

「大丈夫だと思い込んでいる時にこそ、ミスをするんだよ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「痴漢ってのはどう理屈をこねても、許されないだろうが。痴漢をせざるをえない状況ってのが、俺には思いつかないからな。まさか、子供を守るために、痴漢をしました、なんてことはねえだろ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「俺にとって残っている武器は、人を信頼することくらいなんだ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「基本的には、別れた元彼の人生は、自分の人生とは無関係だよ。どこで何してようが、関係ない。じゃないとさ、その時一緒にいる恋人とか配偶者に失礼でしょ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「花火ってのは、いろんな場所で、いろんな人間が見てるだろ。もしかすると自分が見てる今、別のところで昔の友達が同じものを眺めてるのかもしれねえな、なんて思うと愉快じゃねえか?」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

「勢いで行動するんじゃなくてさ、もっと、冷静に手順を踏むのが、人間だ」

(伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』「事件」より)

『終末のフール』の名言

「選択できるというのは、むしろ、つらいことだと思う」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「太陽のシール」より)

「どちらに決めても、大差はないんだと思うよ」美咲はいつも言う。「あの時、ああしてれば、とか、こうしてれば、とかいうのは、結局どっちを選んでいても同じような結果になるんだって」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「太陽のシール」より)

「答えははじめからあったんだ。それを言う度胸がなかっただけで」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「太陽のシール」より)

「新しいことをはじめるには、三人の人の意見を聞きなさい」―――「まずは尊敬している人。次が、自分には理解できない人。三人目は、これから新しく出会う人」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「冬眠のガール」より)

「勉強机って、何だか、強制的に勉強させられるみたいで、怖い名前ですよね」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「冬眠のガール」より)

「練習の手を抜きたくなる時とか、試合で逃げたくなる時に、自分に訊くんです。『おい俺、俺は、こんな俺を許すのか?』って」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「鋼鉄のウール」より)

「全然、違うって。役に立つ、のと、役に立ちそう、というのは別物だよ。偉い人と、偉そうな人っていうのが全然違うのと同じでさ。役に立つように見えればいいだけなんだ」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「天体のヨール」より)

「どうしたら子供のためになるのか一生懸命に考えて、決めたなら、それはそれで正しいんだと思うんだよねえ、わたしは。外から見てる人はいろんなこと言えるけどね、考えて決めた人が一番、偉いんだから」

(伊坂幸太郎『終末のフール』「演劇のオール」より)

『アイネクライネナハトムジーク』の名言

「いいか、後になって、『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「アイネクライネ」より)

「宗教も歴史も違う、別の国だ、女房なんて。それが一つ屋根の下でやっていくんだから、外交の交渉技術が必要なんだよ。一つ、毅然とした態度、二つ、相手の顔を立てて、三つ、確約はしない、四つ、国土は守る。そういうものだ。離婚だって、立派な選択だ。ともにやっていくことのできない他国とは、距離をおくほうがお互いの国民のためだ」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ドクメンタ」より)

「浮気ってこら、みんな不幸になるとか言うじゃないですか。だから、皆殺しみたいなものだよ、って」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ドクメンタ」より)

「一度目の偶然は許されるが、二度目の偶然は許されない」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ドクメンタ」より)

「あのね、歯車を舐めんなよ、って話だからね。どの仕事だって基本的には、歯車なんだから。で、歯車みたいな仕事をしていても、人生は幸せだったりもするし」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ルックスライク」より)

「三十過ぎた大人の考え方を変えるのは、モアイ像を人力で動かすくらい難しい」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ルックスライク」より)

「自分が正しい、と思いはじめてきたら、自分を心配しろ」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「ルックスライク」より)

「年齢を重ねても人は変わらない。経験を重ねるからこそ人は変わる」

(伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』「メイクアップ」より)

『死神の精度』の名言

「死ぬというのはそういうことだろ。生まれる前の状態に戻るだけだ。怖くないし、痛くもない」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「人の死には意味がなく、価値もない。つまり逆に考えれば、誰の死も等価値だということになる」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「私はこの、「渋滞」というものが、「ミュージック」とは対極の、人間の発明した最も不要で、醜いものだと確信している。なぜこれをなくさないのか、不思議でならない」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「俺は、思ったことはすぐに口にしてしまうんだ。人生なんていつ終わってしまうか分からないんだから、話は交わせる時に交わしておくべきだ。不躾だろうが何だろうが」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも醜いのは、渋滞だ。それに比べれば、かたおもいなんていうものは大したものではない」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「誤りと嘘に大した違いはない。五時に来ると言って来ないのはトリックだ。微妙な嘘というのは、ほとんど誤りに近い」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「たとえば、同じ物を食べた後で同じ感想を持ったり、好きな映画が一緒であったり、同じことで不愉快さを感じたり、そういうのって単純に、幸せですよね」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「おまえたちはいつも、自分のやったことが分からないんだ」

「おまえたちって何だよ。最近の若者は、ってやつか。偉そうに決め付けんなよ」

「違う。おまえたち人間は、ってことだ」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「あんなにたくさんの人がいて、人間のことで悩んでいる奴は、たぶん一人もいない」

「馬鹿じゃねえの。みんな悩みばっかだって」

「自分のことで悩んでいるだけだ。人間のことで悩んではいない」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「頼りにしていた人間が、実は臆病者だったとか、信じていた英雄が、実は、馴れ合いを得意とする狡い男だったとかさ。味方が敵だったとか。そういうことに、人間は幻滅する。そして、苦痛に感じる。動物なら、たぶん違うんだろうけど」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「人間はね、年取ったって、大して成長しないんだって」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

「幸せか不幸かなんてね、死ぬまで分からないんだってさ」

(伊坂幸太郎『死神の精度』より)

『マイクロスパイ・アンサンブル』の名言

「人間ってのは、指示されたことをやってるほうがよっぽど楽だ。『いいことをしたら幸せになります』と曖昧なことを言われるのと、『壺を売ったら階級が上がります』と言われるのとどっちが分かりやすい?」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

「自己嫌悪に陥るのは、自分に期待しているからなのか。もっと自分はいい人間であるのに、もっといい人になれるはずなのに、と思うからだろうか。」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

「そんなもの、何の役に立つ。自分のことをちゃんと評価してやることは大事だけどな、謝って削れるようなプライドなんて、大したものじゃない。面子が、だとか、立つ瀬がない、だとか言っている奴ほど自信がないんだよ。本当に、自分を信じているなら、周りがどう思おうと関係がない」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

「プライド? そんなの、ただの言葉だろ」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

「沽券にかかわる! とか言って、怒り出す人間ほど、大した価値を持ってないのかもしれないよ」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

「愉快な偶然は時に、人を幸せな気持ちにさせる。」

(伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』より)

おわりに

私が読んだ伊坂幸太郎さんの小説の中に出てくる名言、気になった言葉を紹介してきました。

私は本が好きなのでかなり多くの小説も実用書も読んでいますが、冒頭にも書いたように、伊坂さんほど名言の多い小説家ってなかなかいないように感じます。

名言って無理に入れようとすると違和感が出るのに、伊坂さんの場合それがとても自然に入ってくるからすごいですね。

今後も、新しく読んで気になった言葉を追記していきたいと思います。