みなさんは今、好きなことを仕事にすることができていますか。
残念なことにそうでない人の方が圧倒的に多いのが日本です。
逆に好きなことを仕事にしているというと、それだけで批判されることもあるので難儀だなと感じます。
そんな社会の中でも、「好き」を仕事にしている人物にスポットをあてた書籍を読みました。
今回紹介するのは、
『就職しない生き方 ネットで「好き」を仕事にする10人の方法』です。
インタビュー形式で10人の方の考え方を学ぶことができます。
Contents
著名な10人にスポットをあてた本
私はあまり有名な人物については詳しくなく、10人のうちはっきり名前と顔が一致するのは、ホリエモンこと堀江貴文さんと古川健介さんだけ。
蝉丸Pさんも聞いたことあるなあくらい。
と思っていましたが、肩書や代表を務める会社名、実際にやっている活動を見ると全部聞いたことある!という人ばかりでした。
2010年に発売の本なので、現在とは肩書などは変わっているとは思いますが。
ただ知ってる人と思うのと、知らないと思って読むのとでは気持ちの入り方も変わるものです。
たとえば、深水栄一郎さん。
株式会社未来検索ブラジル代表取締役です。
私はこの会社は知らなかったのですが、『まぐまぐ』の開発者でもあるとのこと!
『まぐまぐ』は大学生のころからお世話になっていたのでとてもよく知ってる!と思いました。
また、家入一真さん。
この人は、いろんなことをしていますが、その中の一つにスマホアプリの『ブクログ』の開発。
読書好きにはとても役立つ素敵なアプリです。
私もこのアプリを愛用しているので、
「この人ブクログの人なんだ!!」
と勝手にテンションがあがっていました。
と、こういった具合に、ぱっと思い浮かばなくても、社会にとても影響を与えている方々だということがわかります。
「好き」を仕事にするにはとにかく行動!
『就職しない生き方』で紹介されている10人。
いずれも会社を立ち上げたり、独自の生き方をして脚光を浴びたりしています。
同じように「好き」なことをして生きていますが、そこに対する考え方は人それぞれ。
でもどの人も共通している点。
それは、「これはおもしろそう」、「興味あるな」と思ったらすぐに行動をしています。
この行動できる幅もスピードも段違いに早い!
ふつうの人だったらちょっと考えたいと思うことも、
「じゃあやってみるか!」
と思ったときにはもう行動が始まっている。
なにか行動を起こすときにためらったり迷ったりする人というのは、人生のほとんどの場面で同じようにためらう。
そのためらいや迷いがない分、この人たちはどんどんと好きなことをしながら先へと進んでいったのだろうなと感じます。
私もいろんなことに躊躇するし、迷うし、たくさん時間を損しているなと。
真似はできなくても学ぶことはできる
正直、『就職しない生き方』の10人はすごい人たちばかり。
本書の冒頭で、古川健介さんが、
「僕を含めて、この本に出てくる10人は、世間とはいろんな方向にズレてる感じなので、そのままマネはできなくても、何かの参考になるかもしれません」
(『就職しない生き方』(発刊によせて)より)
と述べています。
いろんな方向にズレている……うん、まあ確かにと思わないこともないのですが、ズレているというよりは突き出ている?
一般社会の枠に収まろうとする人が9割の世の中で、そこを気にせず、かといって自分勝手なわけでもない感覚を持った人たちなのかなと。
なので、私自身、本書を読みながら、
「いやいやこんな生き方まねできないですけど!」
と思っています。
私はとても保守的だし、安全第一だし、刺激よりも安定が好きだし。
でも、その生き方からも、その言葉からも多くのことは学べます。
そのひとかけらでも自分の中に取り入れることができれば、また一歩先に進んだ自分になれるのかと感じます。
本書には、そんなことを思わせる10人の生き方がある!
『就職しない生き方』で気に入った言葉たち
本当に勉強になる、心が動かされる発言が多い本書。
その中でも特に気に入っている言葉たちをいくつか紹介します。
まずは、古川健介さん。
優秀じゃない人には優秀じゃない人の戦い方がある、と思っているんです。
――どんな方法ですか?
自分が得意なことだけやる。
好きなこととか、やりたいことじゃなくて、得意なことです。
――うーん、得意なことがない人もいますよね。
これは「スキル」じゃなくて、「性質」の話なんです。
固有の「性質」がまったくない人は、いないですよね。
だから、自分では自覚がなくても、人から客観的に見ると、「得意だよね」っていわれることが、なにかあるはずなんです。
(『就職しない生き方』古川健介)
私自身も自分が「優秀」と呼ばれるレベルの人ではない自覚はあるので、古川健介さんの話はとてもわかりやすかったです。
得意なこと、これならできるなってこと、そこをしっかりと見つけて伸ばしていく人は強い。
優秀でないなら優秀でないなりの闘い方を模索することが大事です。
続いて、同じく古川健介さんから。
なんでもやろうと思うと、優秀な人にはかなわない。
得意なところだけがんばるほうが、合理的です。
得意な部分を限界まで活用して、一点突破する、というイメージです。
(『就職しない生き方』古川健介)
同僚や友人を見ていても、ツイッター眺めていても、すごい人ってたくさんいます。
それを見て、「自分もやってみよう!」となんにでも手を伸ばすと結局何もできない。
この言葉はちょっと自分を反省させてくれる言葉でした。
一点突破!自分だったらそれはなにかなと考えていきたいです。
次に、(株)未来検索ブラジル代表取締役の深水栄一郎さん。
――将来起業しようと考えていても、一度は就職したほうがいいですか?
そのほうがいいと思う。
中に入ってみないと会社って実際のところどう回ってるのかとか、新人はどんな悩みを抱えてるのかとか、イメージがつかないし。
働いてる人は日々どんなことを感じながら仕事してるのか、実際体験してみないとわからない部分もあるから。
(『就職しない生き方』深水栄一郎)
これは、インタビュアーからの質問への返答。
好きなことをやりたい人に、起業しようと考えている人に、まずは就職してみた方がいいよというもの。
私は特に起業とか独立の意思はまったくないですが、やってみて初めて相手の気持ちがわかるというのはとても同意。
それは仕事についてもそうだし、家庭でいえば、家事や育児もそう。
部活やサークルでも、部長や先輩の立場になってみて、ようやくその人たちが何を考えていたのかが理解できますよね。
そんなことを思い返させてくれる言葉でした。
最後に少し長いですが、家入一真さん。
好きなこととか、やりたいことがあるんだったら、なんだって、やってみればいい。
それがなくて、何も行動を起こさないのに、文句言うなんて、ゼータクですよ。
自分はリスクを負ってないのに。
――リスクを負わなきゃ、ダメですか?
たとえば、安定した生活を求めて、いやな仕事をガマンしてやるっていうのも、それはありだと思います。
でも、だったら黙ってガマンしたらいいじゃないですか。
文句言うんだったら、自分でなんかやれよ!と。
現状に不満があるなら、自分で変えればいい。
行動しないで文句言うなんて、ダメですよ。
――行動する前に、いろいろ、考えちゃうんじゃないでしょうか。
考えなくてもいいじゃないですか。
やってみてから考えればいい。
だって、もしダメだったとしても、自分でなんとかするでしょ。
(『就職しない生き方』家入一真)
これが一番心に刺さりました。
やりたいならやればいい!
行動しないのに文句をいうなんてぜいたく!
今の安定が必要なら多少の不満もそれ込みで納得しているってこと。
どうしてもそれが嫌なら自分で行動すればいいだけ。
そうした気概を持って生きることも大事なことです。
おわりに
まだまだ紹介したいこともたくさんあるし、学べることも山ほどあります。
『就職しない生き方』は、起業したい人や、やりたいことに悩んでいる人にはもちろんいい本です。
でもそれだけではなく、いまふつうに就職して仕事している人にもおすすめです。
いまの自分を見つめなおすことができる。
自分のやりたいことってなんなのかなと考えさせてくれる。
少しいまよりも熱を持って行動できるようになる。
ぜひ一度手に取り読んでいただきたい一書です。