本屋に行くと、ふと気になった本を手にすることがあると思います。
タイトルや表紙を見て、
「これはちょっとおもしろそう」
という本を衝動的に買ってしまうことも。
これはこれで一つの本の買い方ですね。
私も以前はよくそのパターンで気になる本をどんどん購入していました。
そうやっていい本に巡りあえる一方で、買って読んでみたけれどなにか違った!という経験もやはりありますよね。
それは実にもったいないことです。
そしてお金も時間も浪費してしまってなんだか悔しい!
そこでそれを防ぐためにも、「立ち読み」をすること。
これがとても重要です。
「最初から最後まで全部立ち読みですませよう!」
と主張しているわけではありません。
それはさすがに非常識ですからね。
適切な立ち読みをすることで、自分にとって価値があり、必要な本を購入できるようにしようと考えています。
Contents
「立ち読み」とはどんな行為をいうのか
立ち読みという行為がどんなものなのか。
改めて考えなくてもイメージはできると思います。
ただ、記事の内容上、ここでの立ち読みの意味を明確にしておきます。
立ち読みとは、
「立ち読み(たちよみ)は、書店等で販売または閲覧の為に陳列してある書籍類を、客が立ったまま読む行為である。
狭義では、店頭で購入意思不明瞭な状態での閲覧行為を差す」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とあります。
これだけ見ると、お店の陳列棚の前に立って、買うかわからないけど読んでいたら全部立ち読みにあたりますね。
ただ、この記事の中ではもう少し範囲を狭めたいと思います。
この記事の中でいう立ち読みとは、
「その本を買うかどうか見定めるために、簡単に内容を把握する程度の読書」
です。
30分も1時間も立ち読みで本を読んでしまうのは、また別物ですので、そのつもりでこの先を読んでいただければと思います。
「立ち読み」が重要な理由
表紙やタイトルだけでは自分に必要な本かわからない
一見して、この本は良さそうだと思ったけれど、読んでみるとイメージが違ったという経験は多くの方がしてきたことだと思います。
たとえば、一時期私は、不動産投資関連の本を読み漁っていた時期があります。
「これは役に立ちそうだ!」
というものをまとめて何冊も買っていました。
でも、そういう買い方をしていると、同じ不動産投資の本であっても、自分にはあわないものも出てきます。
たとえば、『定年までに資産3億円を貯める不動産投資術!!』というタイトル。
一見、これを読んでうまくやれば自分も将来心配しなくてもいい資産ができるのではないかという気になります。
でも、この本の対象となる人物がどの範囲の人なのかがこれだけではわかりません。
対象は、
〇年収が400万円なのか600万円なのか
〇サラリーマンなのか公務員なのか
〇何歳の人を想定しているのか
こういった情報がないと、自分に必要な本なのかが判断できませんよね。
タイトルのわりに中身が期待したものと違うことも
では、どこで判断すればいいのか。
実際、タイトルや表紙だけでもある程度は判断できる部分もあります。
『年収400万円からできる簡単不動産投資』というタイトルだとします。
すると、少なくとも年収400万円があればできる簡単な不動産投資の本なんだなということは伝わります。
「自分は年収500万円あるし、これを買えば大丈夫!」
と安易に考えることなかれ。
やっぱりこれだけだと不十分です。
タイトルにあらわれるのは本の中身の大枠だけです。
不動産投資と一口にいっても、
〇アパートなのか、マンションなのか、戸建てなのか
〇新築からなのか中古なのか
〇ぼろぼろの物件をリノベーションする前提なのか
と、やり方がたくさんあるんですよね。
本に書かれているはずのこうした中身をまったく知らずにタイトルだけ見て買うと、自分が望んだものと違うってことになってしまいます。
また、私が過去に買って失敗した本に、内容は一応不動産投資のものだけど、大半が作者の成功人生を追ったもの!って本もありました。
正直作者の人生なんて興味ない!と憤慨したものです。
タイトルだけでは、持っている本とのちがいがわからない
タイトルだけを見て内容に違いがあるように思えても、実際に読んでみると似通った本というのはよくあります。
不動産投資のようなハウツー本にありがちなことですね。
特に初心者向けの基本的な内容を書いてあるものは必然的に似たような内容になります。
〇『サラリーマンだからできる!年収を5倍にする不動産投資』
〇『資産10億円!私が実践した不動産投資のすべて!』
〇『副業で稼ぎたい人が絶対に知っておきたい不動産投資術』
なんてタイトルの本が並んでいたとします。
昔の私だったらとりあえず手当たり次第に読もうと思って買っちゃっていました。
でも、これらは基本的には内容が一緒ということが十分にあり得ます。
違うところといえば、作者個人に関する部分と話の導入などでしょうか。
そうなると、3冊中1冊読めばそれだけでいいですね。
こういった失敗をしないためにも、立ち読みをすることはとても重要になります。
タイトルだけで本を選ぶと
〇現在の自分とは立ち位置が違いすぎて参考にならない本
〇ほしい情報と中身が異なっている本
〇すでに持っている本と内容に差がない本
を買ってしまう可能性がある。
立ち読みは違法か?
基本的には、そのお店で立ち読みが禁止されていなければ合法となります。
ただ、立ち読みの仕方やそのときの状況・行動によっては違法となる可能性もあります。
とはいえ、よほどモラルから外れていたりしなければ大丈夫とは思うので常識の範疇で行動しましょう。
立ち読みの違法性については別記事で書きましたのでそちらを参照ください。
立ち読みをするときのポイント
目次と前書きにすべては詰まっている!
ここでは実際に立ち読みをする際にどこを見れば、短時間で必要なことがわかるのかを紹介していきます。
立ち読みすべき場所は主に二か所!
目次と前書きです!
はい、そんなに声を大にしていうほどのことではないですね。
立ち読みをするときに当然ここを読む人が圧倒的多数だと思います。
むしろ、この二か所さえきちんと目をとおせば、それだけで自分に必要な本かだいたいわかります。
それ以上に中身を読んでいては時間がいくらあっても足りません。
前書きには、
〇著者がその本を書くにいたった想い
〇著者が一番いいたいこと
〇どんな人に伝えたいかということ
が書かれていることが多いです。
それを読んだ時点で、これは自分に向けられた本なのか、自分とは少し方向性が違うのかがわかります。
目次は、
〇各章における重要な部分の箇条書き
と思ってください。
読みやすくていい本は、この目次を見るだけでどんな主張をしているのかがわかります。
逆に目次を見ても内容がぼんやりとしていて、いまいちよくわからない本は実際に読んでいても主張があいまいなことが多い。
ですので、この前書きと目次を読めば、自分が読む価値のある本かが決められます。
目次を見て興味のあるところをさっと読む
前書きと目次を見て、
「この本を読んでみたいな」
と思ったら、もうその場で買ってもいいかなと思います。
でも、もうちょっと吟味したい場合、目次の中から特に興味の惹かれるところや気になるところを簡単に読んでみましょう。
上記したように、目次とはその著者のいいたいことの重要な部分の集まりです。
多くの場合、目次にそった期待したような内容になっているでしょう。
一つ読んでみると、その本の中でどの程度、目次と実際の内容に差があるのかがわかります。
読んでみて、差があまりなく期待通りの内容であり、目次にも興味深いものが並んでいればそれは、あなたにとっていい本です。
読みやすい本かを確認する
前書きも目次もよい。
目次と内容もきちんとあっている。
でも、この本はちょっと……という場合があります。
それは単純に読みにくい本であるとき!
たまにあるんです。
内容的には申し分ないのに、文章の書き方や言い回しでとても読みにくい本が!
そういった読みにくい本だった場合、ちょっと購入するか迷いますね。
それはその本が悪いわけではなく、自分には合わないということです。
その本が専門書でそのことについて書かれたのがそれ1冊しかないなら買うしかありません。
でも、ほかの本でも代用できるのであれば、無理に読みにくい本を選ぶよりも自分に合ったものを探しましょう。
立ち読みする際の注意点
周りの邪魔にはならないこと
立ち読みするのであればやはり常識的な行動が求められます。
どれもあたりまえのことばかりですが、まずは周りの迷惑にならないこと。
狭い通路で寄ったりもせずに場所をとって立ち読みをしていたら迷惑ですよね。
人が通るときにはさっとスペースをあけるなど、ほかのお客さんのことを考えて行動できるといいかなと思います。
本は大切に扱うこと
本はもちろん立ち読みをしている時点で自分の物ではありません。
それを大事に扱わなければいけないのは当然ですね。
本を汚さないことはもちろん、ページが折れたり、本を広げすぎてあとがつくことも避けたいです。
ページをめくるときに指を舐める人もいますが、購入前の本だともってのほか!
あくまでお店の善意で立ち読みをさせてもらっているということを忘れずに。
バックやかばんは自分で持つor床に置く
立ち読みをしていると、陳列されている本の上にどかっとかばんを置く人もいます。
これもNGな行動ですね。
上記したように本を大切にしなくてはいけないことが一つ。
それからほかのお客さんが本を見たくてもかばんがあったらとれないという点で一つ。
迷惑な行動だということがわかると思います。
ですので、立ち読みをする場合は自分で持つか床に置くようにしましょう。
もちろん、床に置く場合も、ほかの人からじゃまになるような置き方はしないようにしてください。
どれもふつうの行動なので、みんながお店で嫌な思いをしないようにできればと思います。
おわりに
今回は、立ち読みの必要性とそのやり方などについて紹介してきました。
立ち読み自体は悪いことではありません。
むしろ適切に活用すればとても有用ですし、それがきっかけで本を購入すればお店も喜びます。
あくまで常識を守りつつも、自分のためになる立ち読みをおすすめします。
立ち読みとは、自分にとって価値のある本を探すための必要な行為だと考えています。
お店やほかのお客さんに配慮しつつ行い、よりよい本を見つけ出しましょう。