実用書

パレオな男こと鈴木祐さんの『最高の体調』書評。健康のためにはまず知らないといけない!

「この本の目的は、あなたの日々の不満や不調を根こそぎ解決し、あなたが生まれ持つ最大のパフォーマンスを引き出すお手伝いをすることです。」

(鈴木祐『最高の体調』より)

こんな文章で始まる鈴木祐さんの『最高の体調』

私たちが日々暮らす中で、知らず知らずのうちに、自分の体の健康を阻害しているかもしれません。

その原因や解決策がここにはどかんと記されている!

これがかなり有用だなと感じさせられます。

文明病や不安、環境による不調、睡眠負債など、多くのテーマについて書かれていますが、どの人にも当てはまる部分はあると思います。

ちょっと難しそうにも感じますが、興味のある分野ならけっこう読めます。

簡単にどんな内容なのか、読んでみた感想などを紹介していきます。

Contents

著者の「鈴木祐」さんとはどんな人か?

鈴木祐さんは、1976年生まれのサイエンスライター、作家という肩書になります。

出身大学は慶応義塾大学。

卒業後は出版社で編集者として勤務していましたが、仕事の影響もあり、身長165cmで体重80kgを越えていたといいます。

BMIで言えば30にはいかないけど、20台後半ですかね。

筋肉がなかったら軽度肥満ってところでしょうか。

その当時、海外で流行していたパレオダイエットを知り得たことがきっかけとなり、ダイエット&アンチエイジングを行なっていくこととなります。

今回の『最高の体調』以外にも、ダイエット関連の本も出していますね。

ブログ「パレオな男」を開設し健康・心理・科学に関する情報が中心に発信をしています。

「パレオチャンネル」という動画の配信も行っていますね。

実際に見てみると、年齢の割にたしかに若く見える!!

アンチエイジング成功しまくっている人ですね。

「日本一の文献オタク」と自称しており、相当数の論文・書籍を読み、実際にご本人もたくさんの著作があります。

集中力の本とか、鈴木祐さんのと知らずに何気に読んでいました。

『最高の体調』の内容はどういったものか?

『最高の体調』では、ざっくり下記のような内容について書かれています。

〇文明病がもたらす体への影響

〇体の炎症とその影響

〇不安について

〇自分を取り巻く環境の影響について

〇ストレスについて

〇”死”というものについて

〇遊びの必要性や影響について

ほかにもたくさん載っていますが、特に自分が読んでいて勉強になったのがこのあたりです。

「文明病」っていわれてもぱっとよくわからないですよね。

『最高の体調』では、文明病について以下のように書かれています。

「「文明病」とは、近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味します。もっとも典型的な例は「肥満」です。」

(鈴木祐『最高の体調』第1章「文明病」より)

肥満って文明病なんだ!ってのでまず驚き、肥満であることがどれだけ体に影響を与えているのかを知ってさらに驚かされました。

また、第1章「文明病」の中では、いまでは当たり前になっているスマホなどのデジタルデバイスが、人の作業効率や集中力にどれだけ影響を与えているのかなどにも言及しています。

いずれのテーマに対しても、いろんな論文や研究をもとに、根拠を提示しながら紹介してくれているので、あいまいなだけのぼかした健康の本と比べてかなり価値があります。

何かをするときはスマホがない方がよい!

一番すぐに実践できて効果があったのが、スマホに関するもの。

一言で言うと、スマホが近くにあるのかないのかでは集中力に大きな違いがあるという実験結果があるというのです。

2017年のテキサス大学の実験が紹介されており、520人の学生に対して、同じ単純作業をさせたときに、スマホを遠ざけたグループと、電源を切って近くに置いたグループでは大きな差があったというのです。

実際に電源が入っていなくても、視界にあるだけで、集中力がそがれるというんですね。

自分でもやってみると確かにぜんぜん集中力が違うし、思い返してみれば、いつもは作業の合間に、ついついスマホいじってしまってます。

ちょっとこのことを知っているだけでぜんぜん違った生活になると実感しました。

勉強に集中できない人なんかは、一度、スマホを手の届かないところに持っていくのも大切ですね。

「睡眠負債」の恐ろしさを知る!

第5章の「ストレス」のなかで、「寝不足が続くとダメージが修復できない」として、睡眠負債について書かれているページがありました。

これってけっこう深刻な話で、私の妻が平日はいつも睡眠不足状態で活動していて、土日に昼まで寝てなんとか一週間の疲れを取っているという状態。

個人的にもとても心配だったのですが、『最高の体調』を読んで、これは本格的にまずいぞと感じました。

「睡眠負債」とは、睡眠の量を借金にたとえたもので、毎日の寝不足が少しずつたまっていくと、やがて債務超過となり、様々な疾患を起こすというのです。

というのも、人間は睡眠を取ることで、日中のストレスを回復させる働きがあるんだとか。

この睡眠が足りないと、ストレスを抱えたままになってしまい、体を蝕んでしまうのです。

別の書籍でも、6時間睡眠を毎日続けていると、常に酩酊(お酒に酔っていること)と同じ状態だと書いていました。

『最高の体調』では、現在の自分の睡眠の質などを図る方法も記載していたので、気になる人は確認した方がいいかなと思います。

こうした睡眠による体調の回復の方法として、日に当たることや短時間の昼寝が有効であることも紹介されていました。

おわりに

『最高の体調』では、紹介した上記の内容以外にも、すぐに実践できることや、取り入れたい考え方が多数でてきます。

いまや人生80年。

いや、90歳100歳と生きる人も増えている時代です。

定年だって、60歳だったのが気づけば65歳まで延びています。

だからこそ、自分の体調を整え、健康を維持していくことって何にも代えがたい大切なことです。

健康に気をつけたいと誰もが思うことですが、気をつけるためには正しいことを知る必要があります。

知っているだけでできることの幅ってすごく広がるんですよね。

「まだ自分は若いし」

なんていっていると、いつのまにか体はぼろぼろ、取り返しがつかないなんてことにもなりかねない。

意識して、自分も家族も、健康で幸せな日々が過ごせるようにしていきたいと感じます。