実用書

佐藤健太郎『化学で「透明人間」になれますか?』最新化学はここまで進んだ!?

化学技術が進むにつれて、過去には実現できないと思われていたようなことが次々に可能になってきています。

ネットで世界中とつながったり、携帯電話で通話するなんて、一昔までは想像できなかったことでしょう。

それを実現できたのは、そこに情熱を燃やしてきた研究者や技術者たちの不断の努力によるものです。

でも、まだまだ人類の夢や希望はたくさんあります。

それらを最新の化学の見地から現状を紹介してくれている本があります。

今回紹介するのは、佐藤健太郎さんの『化学で「透明人間」になれますか?』です。

「透明人間」「不老不死」「やせる薬」といっただれもが気になるテーマに対して会話形式で紹介しています。

難しそうな内容なのに初心者でもわかるようにかみ砕いてくれているのでとても読みやすいです。

読んだ中で個人的に気になった内容なんかを書いていきたいと思います。

Contents

著者の佐藤健太郎さんとは?

1970年生まれの兵庫県出身。

大学は東京理科大学理学部応用化学科卒業。

そこから東京工業大学大学院に入り、有機合成化学を学んだ方です。

佐藤健太郎というと、同姓同名でGMOペパボ株式会社の代表取締役社長の方もいますが、別人です。

私はパッと名前を聞いたときにこちらが先に出て来たので、「なんでこの人が化学?」と思いましたが勘違いでした。

ちなみにGMOの佐藤健太郎さんは、ロリポップとかムームードメインを始めた人でもあり、私もムームードメインを利用させてもらっています。

 

さて、著者の佐藤健太郎さんに戻りますが、この方の肩書としては、化学を専門分野とするフリーライターになります。

フリーランスサイエンスライターなんて呼び方もするようでなんかかっこいいですね。

佐藤健太郎さんは、1995年より、茨城県つくば市内の製薬企業において研究者となります。

1998年にはウェブサイト『有機化学美術館』を開設。

有機化学に関連する様々な記事の執筆・公開を始め、それが書籍化もされています。

2007年には、勤めていた企業を退職しフリーランスとなります。

その後、化学雑誌への連載やメールマガジン『メルマガ有機化学』の配信等の執筆活動や講演を行っています。

ざっとした経歴だけみても、化学についての造詣が深いことがわかりますね。

どんなテーマが書かれているか

本書には15のテーマが書かれています。

目次をざっと紹介すると、

〇「金」をたくさん作れますか!?

〇「不老不死」になれますか!?

〇「宇宙旅行」に行けますか!?

〇「モテる薬」はできますか?

〇「ダイヤモンド」を作れますか?

〇「やせる薬」を作ってください!

〇「花粉症」を治せますか!?

〇「頭の良くなる薬」が欲しい!

〇「『ドラえもん』の道具」が欲しい!

〇「若く美しく」してください!

〇「美味しいもの」を作れますか?

〇「風邪を治す薬」が欲しい!

〇「がんを制圧」してほしい!!

〇「地球温暖化」は止められる!?

〇「エネルギー問題」を解決したい!

となっています。

これだけみても、ちょっと読んでみたいなって思う内容がありますよね。

「やせる薬」なんて私も作ってほしいです!

すでにダイヤモンドは人工的に作れる!

ダイヤモンドってもう人工的に作れるんですね。

工業用のダイヤを使ったカッターなんかは当たり前のように存在しますよね。

そういった細かいダイヤが作られているのは知っていたのですが、いまは宝石としての価値を持ったダイヤも人工的に作られているみたいです。

ダイヤをどう作るかっていうと、ダイヤも鉛筆の芯も石炭もみんな同じ主成分からできています。

それの圧縮のされ方などで構造が変わり、ダイヤもできれば鉛筆の芯にもなるみたいですね。

とうぜん、ダイヤが希少なのは、ダイヤを作るほどの高温高圧の環境がそうそうないから。

天然ものだと、地下数十キロメートルの高温高圧の環境でできあがります。

それを今は人間が作れちゃうんです。

とはいっても、まだまだコストが抑えられておらず、天然物よりも高くつくという……。

でも技術が進めば人工ダイヤモンドが安く手に入る時代がくるかもしれませんね。

亡くなった方の遺骨からダイヤを作る「メモリアルダイヤモンド」というのもあるそうなのでびっくりです!

「やせる薬」に期待をしてはいかん!

さて、『化学で「透明人間」になれますか?』で私が一番期待していたテーマ!

それは「やせる薬」!!

頑張って運動してもついつい食べ過ぎてしまってなかなかやせれずに10年以上がたちます。

食べるの制限するって難しいんですもん。

なので、「やせる薬」があればぜひにとも!!

と思いましたが、やはりそんな簡単なことではないようです。

食事制限も運動もしないでやせる薬ってなると、リスクもつきもののようで……。

たとえばアスリートが使うようなステロイド剤。

筋肉増強剤ですが、本来は筋力をあげるものなので、脂肪の消費に必要な筋肉がつくということでやせる効果はある、と。

でも男性ホルモンなので、女性が使うと男性化……ひげが濃くなったり、声が太くなったり。

それから抗肥満薬というのもあるようです。

名前からすると、肥満になるのに抵抗するって感じで効果ありそうですね。

食欲を抑制する効果があるものや、脂肪分が吸収されるリパーゼという酵素を働かなくする薬もあるんだとか。

でもそれらには当然、副作用もあり、なんでもありというわけではないみたいです。

結局は焦らず少しずつ、運動をしたり、今よりも摂取カロリーを減らしていくのがいいということですね。

広告の言葉をうのみにすると痛い目を見る!

広告の宣伝文句をうのみにすると痛い目を見ます!

上記した「やせる薬」にしてもそうですし、別テーマであった「モテる薬」でもそうです。

というのも、こうしたやせるサプリだとか、フェロモンでどうたらとかって商品は世の中にたくさん出ているけど、本当に効果があるものって微妙なんですよね。

いかにも効果ありますよ!って宣伝をしておきながら、「個人の感想です」的な一文が入っていたり。

じゃあなんでそんな商品がちまたにあふれているかっていうと、そういう表示に関する制限の網をうまーくすり抜けるような文言にしているからですね。

健康食品ってやつにも気をつけないといけないようです。

医薬品とか、特定保健用食品(トクホ)に認定されていれば、ある程度体に害が少なかったり、信用もできることもあります。

でも健康食品については、それを名乗るためのハードルが低く、しっかりとした試験がなされていないものも多いため、どんな体への影響があるかもよくわからないようです。

そういえば私も昔、カプサイシンの入った錠剤でやせる!ってしばらく服用し、やせない上に胃が荒れまくったことがあったなーと。

甘い言葉に騙されると危険なのでよくよく考えることが大事ですね。

おわりに

『化学で「透明人間」になりますか?』は、新書にしても、化学本にしても本当に読みやすい本でした。

内容が簡易に書かれているのもさることながら、会話形式ってのが良かったですね。

漢字と専門用語の多い文章だと気持ちがなえてしまいますが、すっと入りやすくて、初心者向けって感じで助かりました。

テーマも誰でも興味を持つような内容でそろえているのでここから化学が好きになる人もいるんじゃないでしょうか。

この本自体は2014年のものなので、今はもっともっと化学が進化して、この本でできていなかったことも実現できるようになっているかもしれないですね。

世界中の化学者・研究者たちに感謝と期待です!