過去の偉人。
現代の著名な人たち。
名作を世に送り出す小説家。
世界中の宗教家や思想家。
こうした人たちから生み出された数多くの名言が私たちの心に残り、時には原動力になり、時には心の支えにもなっています。
その中でも日本人の名言に焦点をあてた本がありました。
今回紹介するのは、齋藤孝さんの『100年後まで残したい日本人のすごい名言』です!
日本人の名言だからこそ、私たちにもわかりやすく浸透しやすいなと感じます。
『日本人のすごい名言』の中で気に入った内容とともに紹介していきます。
Contents
著者の齋藤孝とは?
『日本人のすごい名言』の著者である齋藤孝さんは、1960年生まれの男性です。
私よりも二回りも上の方ですね。
教育学者であり、著述家である齋藤孝さん。
生まれは静岡県で、東京大学を卒業し、様々な大学で教鞭を取ってこられました。
有名な著作もありますし、『世界一受けたい授業』を始め、テレビに出ることも多いのでご存じの方も多いと思います。
学校の図書館なんかにも、齋藤孝さんが子ども向けに書かれた人付き合いや心との向き合い方の本も置かれています。
勉強や集中力、人の内面についてなど、身近な内容が多いので自分で読むもよし、子どもに買ってあげるのもよしな本がたくさんです。
個人的には、今回の『日本人のすごい名言』も好きでしたが、安住アナとの『話すチカラ』がおすすめです!
本書で紹介されたおすすめの名言
さて、本書ではたくさんの名言が紹介されていますが、その中から特に気に入ったものを3つだけ紹介していきます。
「やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ」
(山本五十六の名言:齋藤孝『日本人のすごい名言』第3章「成長したいと願ったとき」より)
これはとても有名な言葉なので一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
山本五十六は、海軍軍人で、太平洋戦争のときには、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦を指揮していました。
今でこそこの名言を聞いて、そうだよなと感じますが、当時の軍といえば、こんな優しく部下を育てようなんて環境ではなかったはずです。
何かあれば体罰・暴力・叱責が当たり前の時代ですからね。
そんな時代にこうした思想を持った軍人がいたということがまず驚きです。
「一生の間に一人の人間でも幸福にすることが出来れば自分の幸福なのだ」
(川端康成の名言:齋藤孝『日本人のすごい名言』第5章「道に迷ったとき」より)
川端康成は、『伊豆の踊子』が有名な小説家です。
この言葉は、川端康成の短編集『僕の標本室』の中に入っている言葉になります。
人間にできることって限られています。
手の届く範囲なんてそんなに広くありません。
だからこそ、まずは一人の人を大切にして幸せにすることが肝要であります。
そうしてその人がまた別の一人を幸せにできれば、幸せの連鎖ってどこまでも続いていくんじゃないかなって思います。
宮沢賢治もそうでしたが、幸せを自分自身ではなく、誰かのために尽くすことに求める小説家ってけっこういるんだなと感じます。
「人の一生は 重荷を負て遠き道を行くが如し いそぐべからず」
(徳川家康の名言:齋藤孝『日本人のすごい名言』第1章「心が折れそうなとき」より)
徳川家康は誰もが知る江戸幕府を開いた人物ですね。
彼は幼いころから人質となったり、周りを強国に囲まれて苦しい時代を過ごしたりしていました。
江戸幕府を開いたのだって61歳になってからです。
誰もが早く一人前になりたい、人より抜きん出たいと思うところをぐっと我慢し、着実に歩みを進むことの大切さを教えてくれます。
名言を持つことの大切さ
名言を持つことは人生においてとても重要な意義を持ちます。
人の心って簡単に揺れ動くものだと思います。
私自身も他人の言動に左右されることがよくありますし、娘がいうことを聞かないと感情が揺さぶられたりもします。
仕事で詰まってしまったときも、暗い方向に考えてしまったりも。
だからこそ、自分の心を支えるものってすごく大切になります。
それが家族だったり、趣味だったりということももちろんあります。
支えってのは一つである必要はないですからね。
そしてその心の支えの一つとしての役割が名言にはあるのだと思います。
私が昔から好きな名言が、米沢藩の藩主であった上杉鷹山のこの言葉です。
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
ざっくりいうと、なんだってやればできるんだよ!ってことですね。
それができないのはその人が行動をしていないからだよ、と。
本当はもっと深い意味があるのかもしれませんが、私はこう解釈して、まずは自分がやらないと!行動しないと!と思って生きてきました。
名言自体に本来の意味とか背景がありますが、それはそれとして、自分がそれをどう受け止めて、どう自分の力に変えるかが大切かなと感じています。
小説を読んだりするたびに、いろんな言葉に惹かれてがんばろうと思えます。
誰もが自分の心の支えとなるような名言と出会えることができるととてもすてきだなと思います。