”人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ”
チャーリー・チャップリンのこんな名言から始まる本書。
お金とそれに翻弄される人々の姿が描かれています。
今回紹介するのは、川村元気さんの、
『億男』です!
映画プロデューサーであり、小説家でもある川村元気さん。
企画・プロデュースとして携わった映画には、
〇電車男
〇デトロイトメタルシティ
〇モテキ
〇告白
〇悪人
〇君の名は。
〇宇宙兄弟
といった数々の有名な作品が挙げられます。
小説家としても、『世界から猫が消えたなら』が大ヒットしましたね。
Contents
『億男』のあらすじ
一男は、弟(映画では兄)の借金3000万円を肩代わりしたことにより人生が一変する。
借金の返済のために昼は図書館司書、夜はパン工場で勤務。
お金のことで妻ともめ、妻と娘とは別居。
久しぶりに娘と会うことになったある日、商店街の福引で宝くじをもらう。
その宝くじが当選し、一男は3億円を得ることになる。
宝くじを当てた人たちの末路をネットで調べていた一男は、どうすればいいのか不安になり、億万長者となっていた親友九十九に会いに行く。
しかし、九十九の家に泊まり目を覚ますと、3億円の入ったバックとともに九十九が姿を消していた。
九十九と3億円の行方は?
一男は、九十九を探す中でお金に翻弄されてきた人々と出会っていく。
佐藤健主演で映画化された『億男』
『億男』は、2018年10月19日公開で映画化されました。
〇佐藤健……大倉一男(宝くじで3億円を当てる。借金を返して妻と娘と暮らしたいと思っている)
〇高橋一生……古河九十九(一男の親友で大学卒業後、会社を立ち上げる。3億円を持って姿を消す)
〇黒田華……大倉万佐子(一男の妻。借金返済しか頭にない一男に失望し娘とともに別居中)
〇沢尻エリカ……安田十和子(かつての九十九の同僚。10億円を手に入れ専業主婦となる)
〇藤原竜也……千住清人(かつての九十九の同僚。「ミリオネアニューワールド」の教祖となり、怪しげな商法を行っている)
〇沢村一樹……百瀬栄一(かつての九十九の同僚。競馬場のVIPルームで膨大な金額をかけている)
といった豪華なメンバーです。
藤原竜也さんは、こうした怪しげな役が非常に似合いますね。
原作とは少し違う点もありますが、原作、映画ともどもにとても面白いです。
お金に翻弄されない人生を歩みたい
『億男』では、お金によっていろんな人の人生が変わります。
一男は、兄弟の借金を返すことに執心するあまり、妻と娘を失います。
十和子や百瀬たちは、お金のために九十九を裏切ってしまいます。
生きていくためには当然お金は必要。
私もお金は欲しいですし、少しでも稼げるようになりたい。
ただ、私自身、お金を稼ぐ方法を考えたり、株取引のことばっかり考えたりしていると、気づくと他の大事なことがおろそかになっているなと思います。
子どもの習い事なんかでも、これをやらせたら子どものためになるなと思う前に、
「いくらくらいかかるんだろう?」
ってことに意識が言ってしまうときもあるなーと。
そういうときって、お金に翻弄されているというか、お金中心で物事を考えてしまっているのかなと感じます。
もちろん、現実的になんでもぱーっとできるわけじゃないんですけどね。
本書の中に、
”お金があれば幸せだ、ということはもはや誰も信じていない。
けれども、お金がなくても幸せだ、というのがまやかしであることも皆が知っている”
(川村元気『億男』より)
という台詞が出てきます。
お金を求めすぎても、人生の大切なものを失ってしまいそうですが、かといってお金がない人生というのも、それはそれでいいとは言えない。
人生における幸せとお金のバランスをうまくとっていきたいです。
『億男』出てくる偉人の言葉
『億男』の中には、たびたび偉人たちの名言が出てきます。
せっかくなのでその一部を紹介させていただきます。
”人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ”
(チャーリー・チャップリン)
”諸悪の根源はお金そのものではなく、お金に対する愛である”
(サミュエル・スマイルズ)
”富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、喉が渇いていく”
(ショーペンハウアー)
”お金は世界に君臨する神である”
(トマス・フラー)
おわりに
『億男』は、原作も映画もどちらも素晴らしい作品でした。
自分自身のお金との付き合い方を考え直させてくれる一つのきっかけとなりました。
原作後の一男がどのような人生を歩むことになるのか、一男と九十九のこれからはどうなるのかと先が気になります。
川村元気さんの著作は、読みやすい上に、学ぶものが多いのでとてもおすすめです。
次回作が楽しみです。