書店で売られている書籍や雑誌はどこで買ったとしても同じ値段で購入することができます。
これは本の再販制度というものがあり、新刊の出版物は定価で販売することが決まっているからです。
でも、電子書籍ってちょっとだけ紙の本より安いですよね。
ときどき、〇〇出版社フェアなどといって50%オフになったりもします。
なぜ同じ本なのに定価とそうでないものがあるのでしょうか。
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定価販売の対象は著作物
そもそも、販売物については、メーカーが販売価格を決めて販売店にその価格を強制することは独占禁止法で禁止されています。
その例外として、独占禁止法第二十三条に記された”著作物”があります。
簡単にいってしまうと、著作物とは、
〇書籍
〇雑誌
〇新聞
〇レコード盤
〇音楽用テープ
〇音楽用CD
の6つを指しており、この6つについては、再販制度といい、定価販売をすることになっているのです。
このことから本当であれば本については定価販売が基本となります。
再販制度については、別の記事で書いていますのでよければ参考にしてください。
電子書籍はあくまで情報である!
では、なぜ電子書籍は定価よりも安く売ることができるのでしょうか。
その答えは公正取引委員会のホームページに記載されていました。
Q13 電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象となりますか。
A. 著作物再販適用除外制度は,昭和28年の独占禁止法改正により導入された制度ですが,制度導入当時の書籍,雑誌,新聞及びレコード盤の定価販売の慣行を追認する趣旨で導入されたものです。そして,その後,音楽用テープ及び音楽用CDについては,レコード盤とその機能・効用が同一であることからレコード盤に準ずるものとして取り扱い,これら6品目に限定して著作物再販適用除外制度の対象とすることとしているところです。
また,著作物再販適用除外制度は,独占禁止法の規定上,「物」を対象としています。一方,ネットワークを通じて配信される電子書籍は,「物」ではなく,情報として流通します。したがって,電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象とはなりません。
(公正取引委員会ホームページ「よくある質問コーナー(独占禁止法)」より)
質問は、電子書籍が再販制度の対象となるのかというものですね。
答えは二段にわかれており、一段目で上記した書籍、雑誌、新聞、レコード盤、音楽用テープ、音楽用CDの6つに限って対象となっていることを説明しています。
そして二段目では、独占禁止法の対象は「物」であること、電子書籍は「物」ではなく「情報」であるため、再販制度の対象にはならないというものです。
電子書籍ってもう少し安くならないのか?
電子書籍は情報であるため、再販制度の対象ではない!
ゆえに定価よりも安く販売することができる!
のわりには、電子書籍ってそこまで安くなっていないんですよね。
紙の本だと印刷をしたり、製本をしたり、輸送コストがあったりと、いろんなところにお金がかかるけど電子書籍は?
情報ならデータがあればそれだけでいいんだからもっと安くてもいいのではと感じるところです。
でも、実際には、紙の本とは違った流通するためのコストがかかっているのです。
たとえば、紙の本であれば本屋さんに卸して消費者に売りますが、電子書籍の場合、電子書籍として売るAmazonとか楽天といった企業への手数料がかかります。
また、市場規模が日本ではまだ小さく、流通させたとしても得られる利益がそこまで高くないということも原因だと考えられます。
これがもっともっと電子書籍が浸透して、購入する人が増えてくれば、全体としての利益もあがり、コストダウンできていくのではないかなと思います。
ぜひ多くの人に紙の本も素敵ですが電子書籍に触れてみてほしいなって思います。
おわりに
電子書籍はなぜ定価ではないのかということについて考えてきました。
電子書籍は情報⇒情報は定価販売の対象ではない!
ということでしたね。
私は紙の本も電子書籍も併用して使っているので、どちらも好きですが、これから少しずつ電子書籍が広がるのかなと思っています。
それにともなって、もっと電子書籍が割引されたり、フェアをもっとやってもらえると嬉しいです。