おすすめ本まとめ

『〇〇にいたる病』というタイトルのおすすめの本たち。

タイトルに、『〇〇にいたる病』ってつく小説や本がけっこう増えてきているような気がします。

スタートは、キルケゴールの『死に至る病』なのかな。

見ていくと、おもしろそうなタイトルがたくさんあるんですよね。

実際に有名な作品もありますし。

ということで、今回は、『〇〇に至る病』という本を集めてみました。

Contents

『死に至る病』セーレン・キュルケゴール

ご存じの方も多いでしょう。

セーレン・キュルケゴールの『死に至る病』。

「死に至る病とは絶望のことである」

とは有名な言葉ですね。

私の友人が、この本で卒業論文を書いていたことを思いだします。

『死に至る病』は、1849年に出版されました。

かなり昔の哲学書ですが、今読んでもおもしろい。

題名の「死に至る病」とは新約聖書『ヨハネによる福音書』第11章4節から引用されたもの。

第一部「死に至る病とは絶望である」、第二部は「絶望とは罪である」の二部で構成されています。

キリスト教に関連する話ですが、キリスト教のことを知らなくても楽しめるかなって思います。

『殺戮にいたる病』我孫子武丸

我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』

SNSの読書垢でよく紹介される作品です。

作者の名前の読み方、よくわからないですよね。

あびこたけまるさんと読みます。

これはおもしろいんですけど、なかなかにきつい作品でもあります。

「こういうのは苦手だな」

って人もけっこういるかもしれませんが、読書好きの中では評価が高いんですよね。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。

東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

犯人の名前は、蒲生稔!

くり返される凌辱の果ての惨殺。

冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

『死刑にいたる病』櫛木理宇

櫛木理宇さんの『死刑にいたる病』です。

櫛木理宇さんは、2012年に『ホーンテッド・キャンパス』でデビューした作家です。

同じ年に、『赤と白』で小説すばる新人賞も受賞しているんですね。

『赤と白』は雪国の鬱屈した雰囲気がきれいに出ていて好きでした。

『死刑にいたる病』をざっくり。

稀代の連続殺人鬼である榛村大和。

24件の殺人容疑で逮捕され、そのうち9件で立件、死刑判決を受ける。

その男から手紙を受け取ったのが大学生の筧井雅也だった。

そこには「罪は認める。しかし最後の1件だけは冤罪だ。最後の1件を誰が行ったかを調べてほしい」と頼まれた。

榛村に恩を感じていた雅也は手紙の内容を理解して、独自の調査を始めることになる。

『恋に至る病』斜線堂有紀

斜線堂有紀さんの『恋に至る病』です。

斜線堂有紀さんって恋愛ものがとにかく見事。

『愛じゃないならこれは何』や、『君の地球が平らになりますように』みたいな短編もとても良き。

僕の恋人は、自ら手を下さず150人以上を自殺へ導いた殺人犯でした――。

やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。

その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。

善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。

「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」

変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられなかった彼が辿り着く地獄とは?

(角川HPより)

『陽だまりに至る病』天称涼

天称涼さんの『陽だまりに至る病』。

2010年2月、『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞しデビュー。

同作は2011年版「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選出されています。

2022年に〈仲田シリーズ〉の三作目として出版されたのが『陽だまりに至る病」です。

コロナ渦とからめた作品って、いろいろと出ていますが、本作も見事に描かれています。

あなたのお父さんは、殺人犯なの――?

ネグレクト、貧困、そしてコロナが少女たちを追い詰める。

タイトルの真の意味がわかると、きっと胸が熱くなる。
現代社会の闇に迫る切ない社会派ミステリー

小学五年生の咲陽は、「父親が仕事で帰ってこない」という同級生の小夜子を心配して家に連れ帰る。
だが、コロナを心配する母親に小夜子のことを言いだせないまま、自分の部屋に匿うことに。
翌日、小夜子を探しているという刑事が咲陽の家を訪ねてくる。
小夜子の父親が、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽だが――。

『希望が死んだ夜に』で「子どもの貧困問題」に、続く『あの子の殺人計画』で「子どもの虐待」に迫った
〈仲田・真壁〉の神奈川県警刑事コンビが、次は「コロナと貧困」の陰で起こった事件に挑む。

(文藝春秋HPより)

おわりに

『〇〇にいたる病」ということで紹介してきました。

ざっと記憶にある限り、だいたいこの5冊くらいかなって気がします。

まだこれからも似たようなタイトルのものが出版されるかもしれませんが、なかなか興味を引くタイトルですよね。

病っていうだけで、病的というか、妄執的なものがあるんじゃないかなって気がしますし、それだけでふつうじゃない何かがあることに期待をしてしまいます。

優秀なタイトルって大事だなと思います。

もちろん、中身が伴っていないといけませんが、ここで紹介してのはいずれもおもしろい。