読書の仕方に関する書籍は世の中にたくさんあります。
私も本が好きなもので、そうした読書術の本はかなり読んできました。
その中でもちょっと変わった本だなと感じたのがこちら。
メンタリストDaiGoさんの『知識を操る超読書術』です。
DaiGoさんはテレビにも出る有名な方ですね。
心理学とか精神分析が専門だと思っていましたが、読書の本も書いていました。
ここではその中から、個人的に気になった部分を紹介していきます。
Contents
著者のメンタリストDaiGoさんとは?
この人は有名な方なので紹介は必要ないかもしれませんが一応。
1986年11月22日生まれで、日本のメンタリスト、作家、ニコ生主、YouTuberといろんな肩書を持った人です。
メンタリストって何?と思いますよね。
DaiGoさんによるとメンタリストとは、
「科学や心理学に基づいた錯覚や暗示を用いて、超常現象を演出する人」
と話しています。
実際にははっきりした定義がないのがメンタリストという職業のようです。
心理的なトリックを使って観客を楽しませるマジシャンなんかがメンタリストとも呼ばれているみたいですね。
DaiGoさんは、テレビでよく、相手が選んだカードを、その心理を見抜いて言い当てる!みたいなことをやっていましたね。
相手の表情とか口調とかしぐさから、情報を集めて答えを導き出す。
トリックでもなんでもなく、純粋に本人が努力して培った技術だと感心していました。
そんなDaiGoさんはかなり本を出しています。
書店に行くと決まって何冊かは目に留まりますね。
おすすめとしてはこのあたりです。
気づけば私もこの人の本をけっこう読んでしまったものです。
読書に対する3つの誤解
『知識を操る超読書術』では、一番最初に読書に対する3つの誤解を紹介しています。
3つの誤解とは、
〇速読
〇多読
〇選書
に対するもの。
いずれも本を読むにあたってよく聞く言葉であり、これらを推奨する人も多いものですね。
読書を好きになるには、本を速く読む力を身に着ける必要があり、それにより読書量が増え、人生に役立つ読書ができるという速読。
たくさんのジャンルを同時並行で読むから興味が広がり、読書の習慣が途切れないという多読。
良い本を選んで読むことが最も効率がよく、身につく読書法だという選書。
ですがDaiGoさんは一見役に立ちそうなこの3つが、結果的に「本を役立てるための読み方」を妨げてしまっているといいます。
「「速読」に囚われると内容が置き去りになり、「多読」を目指すと目的を失い、「選書」にこだわると自分に都合のいい本ばかりを読んでしまいます」
(メンタリストDaiGo『知識を操る超読書術』より)
DaiGoさんの「速読」の嘘
速読によって読む速さが上がれば、読む本の量は増えるがそれにあわせて理解度は下がっていきます。
それでも本を早くそしてたくさん読むのであれば、
〇その本の分野の「基礎知識」をしっかり頭に入れること
〇スキミング(拾い読み)によって、読み飛ばす部分を決める、すなわち集中的に読む本や読む場所を決める
ことを意識して読書をすることが大切だといいます。
このあたりはどちらも納得する内容ですね。
基礎知識があれば、途中で詰まることもなく本を早く読むことができます。
速読って、妙な技術とか目を鍛えるとかではなく、知識がどれくらいあるかって問題でもあります。
ただ、完全に内容が理解できるようなものばかりを読んでも、今の自分には簡単すぎて、新たな知識を得られないこともあるので、多少考える余地のある本を選ぶことも大切です。
DaiGoさんの「多読」の嘘
本はたくさん読むほど得られる効果が大きくなると考えられているがそれは間違いだとするDaiGoさん。
それだと、働く時間が長ければ収入が上がるというのと同じ理屈であり、その考えの根底には、あらゆる本は無条件でいいものという思い込みがあるといいます。
また、あるジャンルについて精通していくと、そのジャンルの本は、読めば読むほど新しい情報が少なくなり、一冊の本の価値が減る。
そして、本は大量に読む必要はなく、それよりも、読む前の準備が大切だといいます。
ではDaiGoさんのいう読む前の準備とはなんでしょうか。
それについては2章以降でいろんな方法が記載されていました。
DaiGoさんの「選書」の嘘
DaiGoさんが3つ目にあげたのは「選書」についてです。
私達も本を読むときは、
「どれが自分にいい本かな?」
といろいろと考えながら本を選んでいると思います。
どうせ読むならいい本、役に立つ本を読みたいと思うのがふつうですよね。
ただ、DaiGoさんは、読む前からいい本かどうかを悩むのではなく、大切なのは1冊の本から、自分にとって役立つ知識や情報を選ぶことだといいます。
いい本ばかりを読めばいいというものではなく、ダメな本であっても、そこからどんなものを受けて、どうアウトプットにつなげていくかが大事なようです。
おわりに
紹介したのは、DaiGoさんの『知識を操る超読書術』の序盤に書かれてた読書に対する3つの誤解とされるものです。
ここまでが1章となっており、2章以降、実際に本を読む際にこうすればいいという具体的な話になっていきます。
読書をする前の準備として、
〇メンタルマップ
〇キュリオシティ・ギャップ
〇セルフテスト
の3つを掲げています。
横文字でよく意味がわかりませんよね。
これらについてかなり紙面を割いて説明し、実践する方法を教授してくれています。
そのあとも、「理解力と記憶力を高める5つの読み方」や、「知識を自在に操る3つのアプトプット」といったタイトルでDaiGoさんの考える読書術を教えてくれます。
個人的には、アウトプットの章がおすすめでした。
最後の方には、DaiGoさんがおすすめする古典が一覧になっているのもよかったです。
内容によっては、自分の読書方法と相いれないという人も出そうですが、一読する価値はある本だと思います。