小説を書く

小説の新人賞の流れを解説。一次選考から最終選考までを簡単に。

新人賞は多くの場合、一次選考があり、二次選考、三次選考を経て、最終選考へといたります。

また受賞してもそこで終わりではありません。

あなたにつく担当編集者と一緒に、小説を改稿して、デビューに向けての準備をします。

新人賞への応募から受賞者決定までの流れを簡単に紹介していきます。

Contents

まずは原稿を書いて応募

原稿がなければ始まりませんね。

小説を書いてください。

書き出す前に目標とする新人賞を決めておくことをおすすめします。

「でも、どれに出していいのかわからない」

という人は、まず書き始めたのでもいいです。

原稿が出来上がったら、あなたが出したい新人賞の募集要項をとにかく細かく読み込んでください。

新人賞によっては、梗概といってあらすじをつける場合もありますし、書式に沿ったプロフィールを送ったりもします。

このあたりを間違えて落とされてしまうともったいない。

必ず募集要項にあった形を取ってください。

一次選考

一次選考は、ほぼどの新人賞でもあります。

新人賞によっては、応募される小説の数が1000編や2000編を越えるものもあります。

それらを選考委員や編集者だけで読むのってどれだけ時間と労力がかかることか。

そのために、どの新人賞でも一次選考を行い、かなりの数を落として、良い小説だけに絞り込みます。

だいたい一割くらいになるのかな。

応募数が多い新人賞だと、もっと割合は低いですね。

2021年だと小説すばる新人賞の応募数が1345編でしたが、一次選考を突破したのは、わずか51作品でした。

二次選考以降は、編集部で選考をすることが多いのであまりたくさん残ると読み込めないからでしょうか。

このときに、一次選考をする人たちを下読みといいます。

業界関係者や、新人やあまり売れていない作家さんが担当するなんて話もあります。

時々、SNS上で下読みの人たちが、

「もっとこうしたらいいのに」

と言ったことを発言したりもするので、見てみると執筆の参考になると思います。

募集から一次選考まではけっこう感覚があきます。

それはそうですよね、長編一つ読むなら3時間4時間はかかるもの。

それをどれだけの下読みが担当するのかわかりませんが、一週間や二週間で決まるようなものではありません。

応募してから3か月、4か月くらいすると、募集していた文芸誌の中で一次選考突破者が発表されます。

二次選考・三次選考

二次選考・三次選考では、突破者の中から、更に最終選考まで残す作品を選び出します。

一次選考を突破した時点で、小説としては成り立っているとよく言われます。

ときどき、下読み運がなかったなんて話が出てきますよね。

実際に、とある新人賞で一次選考で落ちたのに、他の新人賞に出したら最終選考まで残ったなんて話もあります。

でもそんなことは極一部の例外です。

一次選考を突破できない場合は、素直に何かが足りなかったのだと思った方がいいです。

さて、二ケタ台にまで減らされた応募作品がじっくりと読まれていきます。

ここでは、おもしろいと思わせるもの、人にはない斬新なもの、熱意が伝わってくるもの、何かしらの魅力を備えたものが次の段階へと進みます。

最終選考

さあ、ついに最終選考です!

ここまで来たら残っているのはだいたい5編とか6編とかにまで絞られています。

どれが受賞してもおかしくない。

選考委員が全ての作品を読んで講評を行います。

この選考委員は、著名な小説家が担当することが多いです。

道尾秀介さんや森見登美彦さん、朝井リョウさん、辻村深月さん、北方謙三さん、村山由佳さんなど、まだまだたくさんいます。

自分が書いた小説が、こうした人たちに読んでもらえるってだけで舞い上がってしまいそうです。

ここからは本当に運もあります。

選考委員の好みもありますし、その年に最終選考に残ったほかの作品がどんなものかにもよりますよね。

受賞したら

「おめでとうございます!あなたの小説が受賞しました!」

受賞が決まったら、編集者から電話がかかってきます。

これで自分も小説家デビューだ!

大いに喜びましょう!

念願がかなったわけです。

でも、ここからはまだまだやることがいっぱいです。

デビューに向けて、小説の改稿作業をすることになるでしょう。

受賞した作品をそのまま刊行するわけではありません。

ほとんど直しがない場合もありますが、ほとんどの場合は、一部、もしくは大幅に修正していきます。

その作業と並行して、表紙が決まっていき、発売日が決まり、数か月したころにようやくあなたの小説が世に送り出されます。

おわりに

ここでは新人賞の流れを簡単に紹介しました。

本当はもっといろいろと気にしなくてはいけない部分がありますが、ひとまずの流れと思ってください。

下読みを介さない新人賞もありますし(ポプラ社小説新人賞など)、受賞後の動きについてはもっと複雑なものがあります。

細かい点はまた別記事で紹介していきます。