相手の嘘を見抜く!
そう聞かされると、なかなかその人と接するのって怖いかも。
今回読んだのは、佐藤青南さんの『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』です!
『サイレント・ヴォイス』は、栗山千明さん主演でドラマ化もされた人気作です。
どちらかというと、原作の小説よりも、ドラマの方で知っている人のほうが多いかもしれませんね。
私はドラマは見ていなかったのですが、佐藤青南さんのYouTubeを見ていて、
「おもしろそう!」
と思って読んでみました。
『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』のあらすじや感想を紹介していきます
Contents
『サイレント・ヴォイス』のあらすじ
とある警察署の取調室。
そこでは、容疑者の男が美人の女性刑事に鼻の下を伸ばし、女性刑事も猫撫で声で媚びを売るような姿があった。
でも、これはすべて演技。
楯岡絵麻の取り調べはいつもここから始まる。
取り調べとは思えないような会話の中から、絵麻は相手の癖を集めていく。
そしてそれが集まったとき、相手の嘘はすべて丸裸になってしまうのだった。
取り調べの腕はピカイチで、供述率100%。
絵麻という名前から「エンマ様」と呼ばれている超美貌の女性刑事・楯岡絵麻。
そしてその絵麻に振り回される同僚の西野。
難事件をちょっと変わった取り調べでどんどん解決していく。
実はけっこうなシリーズ物
ドラマ化もされているのでそれなりに出ているのかな、と思っていたらこれがなかなかのシリーズ。
なんと現時点で9冊も出ているんですね。
『サイレント・ヴォイス』から始まり、『ブラック・コール』、『インサイド・フェイス』、『サッド・フィッシュ』と続き、2021年には、『行動心理捜査官・楯岡絵麻vs ミステリー作家・佐藤青南』なんて作品も!
これむちゃくちゃ読んでみたいんですけど。
まさかの著者が作品のタイトルにどかんと出てくるとは。
まだ一冊しか読んでいないので、ここから一気に残りの8冊も読まなければです。
嘘を見抜くなんて羨ましい?
嘘を見抜けるってすごいですよね。
そんな特技があったらいいのに……なんて思うけれど、それはいいことばかりではない。
なんと、嘘を見抜いてしまうばかりに、楯岡絵麻は彼氏と長続きしないのです。
そりゃそうですよね。
人間、嘘をつかずにずっと生きている人ってそんなにいないでしょう。
やましいことがあるのはまあよくないけど、それでも、全部バレているってなかなかきつい。
別に嘘をついていなくても、そうやって見られていると思うと安らげないですよね。
だから絵麻はすぐに別れちゃうし、信頼のおける人間関係ってのが難しい。
そう考えると、なにも知らないでいられることも幸せなのかなって思います。
私もけっこう勘のにぶいところがあるので、あとになって、
「あのときそんなことになってたの?」
というようなことがけっこうあります。
人間関係っていろいろあるから、当事者は大変だろうけど、知らなくてよかったってことも。
心理用語がたくさんでも苦にならぬ
タイトルのとおり、楯岡絵麻は行動心理捜査官なわけで、心理学をふんだんに使っているんですね。
逃避だとか、代替だとか、心理学をちょろっと勉強すれば出てくるような用語もあるので、読んでいて懐かしい気持ちにも。
心理学というと、お堅くてめんどくさそうなイメージもあります。
ただ、『サイレント・ヴォイス』においては、もちろんそうした心理用語の解説もあるんですがそれが自然。
楯岡絵麻のキャラクターがかなり個性的なので、心理用語がかすむんですね。
勉強にもなりつつ、楽しく読めるよい一冊でした。
おわりに
一巻の終わりは、明らかに続編があるぞ!という雰囲気のある終わり方でした。
でも、9冊も出ていたとは……。
今年読み切るのは難しいので、来年読むリストに加えておかないとですね。
佐藤青南さんは、この『サイレント・ヴォイス』で初めて読みました。
ご本人がYouTubeでもエンタメ小説だと言っているように、とても楽しく一気に読めてしまいました。
エンタメ小説でもけっこうどの程度ライトかってあると思うんですよ。
佐藤青南さんは、自分の中ではかなりちょうどよい部類で、これからも作品を読むのが楽しみです。