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前田祐二『人生の勝算』に学ぶ人生を幸せに生き抜く方法。「逆境は必ず、バネになる」

成功する人は、成功するために行動をしているから成功するのである。

ただ漠然と、うまくいくときを待っているのでは、何も変わらない。

苦境に立とうと、困難が立ちはだかろうと、そこで何をするのか、どう行動するのかが大事であることを教えてくれる一冊です。

今回紹介するのは、前田祐二さんの『人生の勝算』です!

SHOWROOM社長である前田祐二さんの人生や起業し、成功するまでの軌跡が書かれています。

Contents

著者・前田祐二さんとはどんな人か

『人生の勝算』の著者である前田祐二さんとはどんな人か。

前田祐二さんは東京で1987年6月23日生まれる。

3歳で父親と、8歳で母親と死別し、10歳上の兄とともに、しばらく転々としたあと、親戚のもとへと引き取られる。

小る6年生のときに親戚のお兄ちゃんからもらったギターがきっかけで歌を歌うように。

何とかお金を稼ぎたいと思い、路上での弾き語りを始めるようになる。

早稲田大学に卒業後は、外資系投資銀行であるUBS証券株式会社へと就職。

2013年には株式会社DeNAに入社。

その年に、株式会社DeNAとして立ち上げたライブストリーミングサービスSHOWROOM事業を始め、2015年にはSHOWROOM株式会社を設立する。

社長業のかたわら、執筆活動等を行い、2017年には『人生の勝算』を出版。

2018年には『メモの魔力』を出版し、ベストセラーとなっている。

「SHOWROOM」とは?

『人生の勝算』の中では、前田祐二さんが立ち上げた「SHOWROOM」について、下記のように説明しています。

「SHOWROOMとは、「仮想ライブ空間」というキャッチコピーで知られる、2013年11月にスタートしたライブ配信サービスです。素人からプロまで、あらゆるジャンルにまたがる「配信者、演者」と呼ばれる放送主の方々が、まるで駅前で路上パフォーマンスをするかのように、インターネット上の無限に広がるライブ空間でパフォーマンスをします」

(前田祐二『人生の勝算』より)

「SHOWROOM」は、インターネット上にある、生配信限定のゆるいテレビ番組を集めたようなものとも書いています。

前田祐二さんは、通常のテレビとは、メディアへの参加可能性が異なるといいます。

テレビのように受動的に見るのではなく、そこに「居る」という感覚で演者とのコミュニケーションを取るものだと。

視聴者は、「アバター」をとおして自己表現をしたり、演者へとアピールをします。

また、「ギフティング」という課金制度もあり、路上のミュージシャンにのパフォーマンスに対して、ギターケースにお金を投げ入れるように、演者にギフトアイテムを投げ込むことができます。

実際に、SHOWROOMを見てみると、有名な人からぜんぜん知らない人までたくさんの人が登録されていますね。

自分が興味のある演者がいて、それを一緒になって応援していくというのは確かにおもしろそうです。

前田祐二さん自身の路上での弾き語り経験から、この「SHOWROOM」の発想はきているとのことです。

多くの人に、こうした場と機会を提供できていること自体がすごいことだと感じます。

路上の弾き語りからみる関係を築く大切さ

前田祐二さんは、『人生の勝算』の中で、路上で弾き語りを行ってお金を稼いでいた話を紹介しています。

弾き語りを始めたのはなんと小学校6年生の時からというから驚きです!

そうなった事情はあれど、ものすごいことですよね。

6年生でギターで弾き語りができるだけでもすごいですし、ましてや知らない人たちの前でそれをやろうなんてなかなか思えません。

私の6年生のときを思い返すと……学校が終われば友達と集まってバスケットボールばかりをしていたなと思います。

さて、それだけでもすごいのですが、もっとすごいのは、前田さん自身が、弾き語りをやる中で、どうすればもっと人が立ち止まってくれるか、聞いてくれるかということをこの年にして考え続けていたことです。

歌っていた曲をオリジナルから名曲のカバーへとする。

どの場所で歌うのがよいかを考えて選ぶ。

立ち止まってくれる人たちを見て、その人たちにあった曲選びをする。

お客さんのリクエストを受けつけ、無理してその場では歌わず、練習してからその人のために歌う。

そうして仲良くなったお客さんにオリジナル曲を歌う。

いまの自分の年齢であれば、一つずつ考えていけるかもしれませんが、これを6年生で考え、そして実践するというのが本当にすごい。

前田さんは、演奏する側の一方的なものではなく、相手への想像力と思いやりを持って、関係性を築いていくことが大切であるといいます。

これは弾き語りだけのことではなく、ほかの仕事でも、友人同士の人間関係でも同じことがいえますよね。

多くの人が集まる組織になればなるほど、こうしたつながりや絆が大切になります。

職場でも、ただの仕事上の付き合いと思うと、連帯感も協力しようという意識も薄れていきます。

取引先を選ぶときだって、同じような内容の仕事であれば、より関係性の深い相手に頼みたくなります。

前田さんは、スナックがつぶれないのも、こうした絆が深く、常連のお客さんにも、自分たちがスナックとママを盛り上げていこうという気概があるのだといいます。

そうした関係がある方が、人生って楽しいものだなと感じます。

人に好かれるためには、まず自分が好きになること

『人生の勝算』の中で、前田さんは、宇田川さんという尊敬する人物について言及します。

宇田川さんは誰からも好かれる人であり、それ以上に人を好きになることができる人だったといいます。

「宇田川さんは人に好かれる天才ですが、それ以前に、「人を好きになる天才」でした。他人と接して、その人のいいところや、感謝できるポイントを自然に見つけて、まず自分から本当に好きになってしまう」

(前田祐二『人生の勝算』より)

これって現実にとてもすごいことだと思います。

相手のいいところや感謝できるポイントを見つける、そしてまずは自分が相手を好きになる。

人の嫌なところや、愚痴をいいたくなるところって簡単に見つかるんですけどね。

相手を好きになることはとてもいいことです。

「他人は自分の心を映す鏡である」という言葉があります。

この言葉のとおり、自分が好意を持って接すれば、相手だって悪い気はしません。

逆に、相手のことを見下したり、嫌っていれば、それは相手にも伝わり、相手だって自分に悪意を持つものです。

そしてそれは、自分を成長させ、高めていくことにもなります。

『人生の勝算』の中では下記の内容がありました。

「彼は、自分という1を10に、そして100に、どんどん引き上げていくために、二つのことを意識し始めたそうです。一つは、誰からも好かれてサポートしてもらえる環境を作ること。当然そのためには、自分から好きになることが必要だと思っていたそうです。二つ目に、自分のこと以上に周りに時間を使って、周りを強く育てることで、チームとして最強になること」

(前田祐二『人生の勝算』より)

彼というのは宇田川さんのことですね。

自分が相手を好きになり、好意を示し、周りのために行動していくことが、最終的には自分を高め、全体も良くしていくことにつながるのです。

”人生のコンパス”を持つ大切さ

『人生の勝算』の中では、人生のコンパスを持つことの重要性に何度も触れています。

「自分が何をしたいのかを示すコンパスがないと、人生という荒波の中で、すぐに迷ってしまいます。それは、あらゆる物事を決める指針となります。就職活動に限らず、実りある人生を生きる上で、コンパス、つまり、自分は何を幸せと定義し、どこへ向かっているのかという価値観の言語化は、必要不可欠です」

(前田祐二『人生の勝算』より)

自分が進む方向がわかっているか。

それがない人というのは、周りにすぐに影響を受けますし、自分の言動にも一貫性が持てません。

こうだ!と決めていたことも、すぐに揺らいでぶれてしまう。

そうなってしまっては、どんなに頑張る気持ちがあっても、うまくいくはずがありません。

ある教育者の言葉で、弓を引いて矢を放つのに、たとえどんなに優れていても、的がなければ当たるはずがないというものがあります。

それと同じで、明確に自分の進む方向、大切にしている信念や生き方。

そういったものを知ることが幸せになるための第一歩だと感じさせれます。

おわりに

今回紹介した内容以外にも、『人生の勝算』には、数多くの学ばせていただける内容が含まれています。

前田祐二さんの言葉だけでなく、その辿ってきた人生からも多くのものを感じ取ることができます。

こういった成功した人の本には、どこか成功した自分を自慢したいといった思いがにじみ出ていることがあるものですが、『人生の勝算』にはそれがないのがまたいいですね。

他人はどうとか、自分がすごいとかではなく、自分はこう生きていくのだという想いがあふれている一冊です。