私のおすすめする恋愛漫画の一つ。
羽海野チカさんの『ハチミツとクローバー』。
とても素敵でぜひ皆さんにも読んでいただきたい作品です!
そんなハチクロの魅力は、登場人物もストーリーも絵ももちろんなのですが、一番は心に来る名言・名セリフたちだと思います。
ここでは、『ハチミツとクローバー』を読んで私が好きだった名言を紹介していきます。
なお、あらすじや登場人物については、別記事を参考にしてください。
Contents
竹本祐太
『ハチミツとクローバー』の主人公である竹本くん。
初登場時は建築科所属の大学2年生で、花本教授に紹介された花本はぐみに一目ぼれします。
竹本くんは恋愛もそうですが、それ以上に人生に迷い、もがき、苦しみます。
周囲にはしっかりと自分を持った仲間たちばかりで、平凡な自分と比べてしまったり、やりたいことが見えない自分に悩んだり。
それでもそこを乗り越えようと頑張る姿がとても素敵でした!
―いったい恋って何なんだ?
どうしてボクら
ずっと笑っているだけでいられない?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
ボクたちが先生の歳になる迄あと10年くらい
その頃
30歳と少しのボクらはどんな大人になってるんだろう
まだうんと先に思えても
今日は明日へ
明日はその日へ
とぎれようもなくつながっている
いつの日かボクらも
もっと大人になって
まるで子供時代なんてなかった様に思われる
そんな日が来るのだ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
4年の月日は自分を知るには短すぎ…
就職活動が始まってもオレはただうろうろと迷ってばかりで
―――でも気づいたんだ
なぜ迷うか
地図が無いからじゃない
オレに無いのは目的地なんだ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
―――たしかに 今 オレは迷ってて
そしてそれはどんなに目を背けても作品に出てしまって……
―――でも迷っているオレもたしかに……どう隠しようもなく自分なのだから
そんな自分を正直にぶつけて全部出して
今の自分を焼きつけるしか……
それしか今は……
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
神さま
やりたいことってなんですか?
それは
どうすれば見つかるんですか
それが見つかれば強くなれるんですか?
あんなに泣いてる彼女からでさえ
ぼくが感じたのは
ただ果てしない つよさ だった
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
叫んでみて
ようやく わかった
オレはずっとこわかったのだ…自分がどうしたいのかわからないことが
それがなぜだかもわからないことが
―――そして
それでもようしゃなく流れる日々が
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
気がつかなかった
まさか自分の家のドアが
「どこでもドア」だったなんて
ドアをかけて外に出れば
どこへでも行けたんだ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
大丈夫
大丈夫
間違えない
間違いたくない
そのくらいは
男でいたい
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
花本はぐみ
『ハチミツとクローバー』のヒロイン。
通称はぐちゃん。
芸術に対する才能は抜群だけど、人付き合いが苦手なはぐちゃん。
彼女自身はあまりたくさんしゃべることがないですが、その行動やしぐさでたくさんのものを伝えてくれます。
「辿りつきたい場所」をもった時
無私の心で描く力を失った――
「好きなものを」「楽しんで」という言葉は美しい
――でもその何とむずかしい事か………
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
山田あゆみ
『ハチミツとクローバー』の中で一番しっかり恋をしている女性。
初登場時は陶芸科に所属する大学3年生。
真山のことが大好きで、振られても諦めきれず思い続けてしまう純粋な女の子です。
なのでセリフも恋に関するものがとても多いですね。
一度も口にしなかったのに
真山が私の気持ちに気付いてたように
あの女もすでに気付いていて応えずにいるのだとしたら
彼の恋もまたかなう事はないのかも知れない
ならばいつかこんな夕暮れに
彼も一人で泣くのだろうか
そんな事を思ったら
また涙が止まらなくなった
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「自分の一番好きな人が自分の事を一番好きになってくれる」
たったそれっぽっちの条件なのに
どうしてなの
永遠に揃わない気がする
このままずっとずっと
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「あきらめる」ってどうやればいいんだろう
「あきらめる」って決めてその通りに行動するコトだろうか
そのアトの選択を全て「だってあきらめたんだから」で自分の本当の心から
逆へ逆へ行けばいいんだろうか
そしたらいつかあの茶色い髪の匂いも
冷たい耳の感触も
シャツの背中のあたたかさも
ぜんぶぜんぶ消えてなくなる日が来るんだろうか
こんな胸の痛さとかも
ぜんぶ
ぜんぶ
あとかたもなく?
―まるで無かったみたいに
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「ダメだ」って言われたけれどそんなあっさりキライにはなれないわ
それにこういう気持ちってつき合う対象になれなかったからって
「あ ハイ わかりました」
ってシュルルーって消えて無くなれる程カンタンなものじゃないじゃない
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
どうしてなのかな………
テレビや雑誌の中では恋は楽しくて幸せそうな色をして並んでいるのに
私の恋は
どうしてこんなに
重たくて
いやらしいのだろう
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
自分の幸せを願うということは
自分じゃない誰かの不幸を願いことと
オモテウラのセットになっている時があって
だとしたら
じゃあ私は
いったい何を祈ればいいんだろう
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
真山巧
クールを装うけどそうはなれない青春をまとった男。
初登場時は建築科の3年生。
山田の片思いの相手であるが、真山はバイト先の経営者である原田理花に想いを寄せている。
主要メンバーが大学に残る中、いち早く社会人になるので、精神的にはほかのメンバーよりもちょっとだけ大人。
あせんないで何でもやってみろよ
少しでも興味があるコトかたっぱしから
手を動かしてみるとアッサリ解るコトけっこうあるぜ?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
恋をすると女の子はキレイになるっていうけれど
ダメだな男は―
―カッコ悪くなるばかり……
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
…なんて事ない朝のさりげない会話のハズなのに…
相手が「男」だってだけでどうしてこんなにしょっぱいんだろう…
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
必死の思いで―――さんざんもがいて
なのに
わかった事はほんの少し
想うだけで
胸がやぶけそうに痛むこと
離れられない理由なんて
この痛みひとつで
じゅうぶんだということ―――
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
チャンスってのはどんな人間にも少なくとも3回は絶対訪れるんだって
――で
大人になって思ったんだけどさ
イザそのチャンスが来た時に
それに「飛び込めるか」「飛び込めないか」って単純に
お金の「ある」「なし」にかかってくるコトがほとんどな気がするんだよね
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
それにさ
もし好きな女に何かあった時さ
「何も考えないでしばらく休め」って言えるくらいは
なんかさ持ってたいんだよね
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
生きる意味が何にかかってるか――だと思う
それが「恋愛」の人間もいれば
好むと好まざるとにかかわらず
何か「やりとげねばならないモノ」を持って生まれてしまった人間もいる
どっちが正しいとかは無くて
みんなその瞬間はもう
本能にジャッジをゆだねるしかないんだろうな
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
森田忍
『ハチミツとクローバー』の中で一番の変わり者の森田。
はぐみのことが好きだけど、アプローチの仕方も常人とは違う。
圧倒的な才能と、誰にも振り回されない性格で、思いもよらない事ばかりをやってしまいます。
でも、何気に周囲のことをよく見ていて、とても周りを大切にする人でもあります。
特に山田のことは気にかけており、真山を想って泣く山田にポカリを持っていって優しく声をかけたりもします。
早く水分取らなきゃ
そんなに体から水出したらひからびちまう
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
お前気づいてないから言っとくが
お前はすげー幸せな人間だ!!
ずーーーーーっとお前のことばっか考えてたんだぞ!?
大の男が2人!!
がんくびそろえてしかも一晩中!!
だからなげやりなことはしてくれるな
たのむから
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
探さなくとももう充分わかった
オレはオレだーーーっっ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
親が子供に教えなければならないのは「転ばない方法」では無く
むしろ
人間は転んでも何度だって立ち上がれるという事じゃないか!?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
花本修司
主要メンバーの最年長者。
大学の教授で、なにかと竹本たちの世話を焼いてくれる。
花本はぐみの父親と従兄弟の関係であり、はぐみの親代わりのような立場。
大人の立場から発する言葉が多めです。
「一度はぐになってはぐの目で世界を見てみたい」
どんな風に見えるんだろう―ってね
他人をそういう気持ちにさせるそういうのを才能っていうんだろうね
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「いったい何でこんな男がモテるのだ!?」
「他人の言葉にフリ回されず我が道を行っているからじゃあないか?」
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
ってゆーかだいたいこういう女子のアンケートで「こーゆーヤツはNG」とか「こーゆーのはサイテー」とかいってても
本当に女子が一番イヤがるのは「そーゆーのに振り回される男」なんだよな
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
はぐの目で見た月とオレの見る月は違うのだろうか
「まるで同じ」でなくてかまわない
ただ―空にぽっかり浮かんだこの月が
はぐの目にも
きいろくまるくどうかやさしく映っていればいい
そう思った
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
まあそういうな
そういううっとおしいよーな重い荷物の中に愛情ってのがはいってるのさ
親ってのはありがたいもんだよ
いないぜ?
世の中にでたらタダでうっとおしー程愛情くれる人なんて
大事にしろよ?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
まどろっこしいな
――2人で成長して行くって選択肢だってあるだろうに
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「努力する」か「諦める」かどっちかしかないよ
人間に選べる道なんていつだってたいていこの2つしかないんだよ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
オレは思うよ
それはどっちも正しいんだ
大事なのはどっちの道を選んでもそれを「言い訳」にしない事だよ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
子供が子供なのは大人が何でもわかってるって思ってるところだ
――ったく
大人になったくらいで何が変わるよ?
せーぜー腰が痛くなったり駅の階段で息切れする位だ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
焦らないこと
諦めないこと
――それはオレたちもなんだよ
側にいる人間が揺らいだら
溺れてる人間が摑まるものが無くなってしまうだろ?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
その他の登場人物
ここからは主要メンバー以外の個性豊かな人たちの名言・名セリフです。
ローマイヤ先輩
竹本たちの暮らすアパートの住人の一人。
実家が農家でたまにしか姿を見せないが、頼れる男でみんなから慕われている。
ま どーしでも行ぐどごさねぐなったら
最後は俺ん家さ来い
俺が面倒見でやる
喰うには困らせねーがらな
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
山田のカレーを食べたファンたち
独特の料理を生み出してしまう山田あゆみ。
そこには言葉にしがたい何かがあるが、山田のファンにとってはそれすらごほうび。
「どうかな?お味は」
「しみます!!」
「わきあがりますっ!!」
「想像を超えてます!!」
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
美和子さん
真山が就職した藤原デザインの先輩。
美人で仕事もできるけど中身はけっこうなおっさん風味。
そういう誰かが夢の中に出てくるのって
相手の「逢いたい」ってキモチが体をぬけて
夢の中までとんでくるからなんだって
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
カズさん
竹本くんのお母さんの再婚相手。
声も体も大きく、まっすぐにずばっと思ったことを伝えてくるから、竹本くんは苦手にしている人。
でもいろいろあって、お母さんを任せても大丈夫な人だと感じている。
オレはかしを作りたいんでも恩を売りたいんでもない
縁あって一緒になったんだ
――だから
ちゃんとあんたらの人生にかかわらせて欲しいだけなんだ
そしてそゆことを迷惑とは言わねんだぞ?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
商店街のおじいちゃん
商店街のおじいちゃん。
嫁たちに搾り取られるおじいさま方の悲痛なさけびです。
まっまたじゃあ
ヨメの眼が妖しく光りおったあ~
ワ…ワシゃあ見てたんじゃあああ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
大学の教授たち
竹本くんが人生に迷って、それが作品にも出てしまったことを、それもまた青春だと大学の年配の教授たちは大喜び。
そしてついに自分の手で作り上げていた塔を壊してしまった竹本くんに対して。
自己との対峙
あくなき理想への希求っっ
乾ききる事すらできぬ無垢な魄っっ
その末の破壊衝動っっ
まさに青春!!
この看板に一片のいつわり無しじゃああ
盗んだバイクが走りだしそうじゃ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
陶芸科の教授
山田の陶芸科の教授。
無意識に作品を作り続けてしまっていた山田に対してのセリフ。
ええてええて
答えが出んときはだまって手を動かすのが一番じゃ
家で頭を抱えても誰かに答えをたずねても
わからん時にはわからんもんじゃ
じゃが不思議なもんで一心不乱に手を動かし続ければ
出来上がった100枚目の皿の上に答えがのってる事もあるんじゃ
精進しなされ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
シンさん
竹本くんが自分探しの途中に出会った修復士たちの頼れる兄貴分。
足元ばっかり見てると余計怖くなるよ
少し前を見るといい
前過ぎてもダメだけどね
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
棟梁
同じく修復士の職人たちの棟梁。
最初に言ったよなあ?
ええ?
六太郎よ
「不幸自慢禁止」って
お前だけじゃねぇ
みんな事情はある
――が腹におさめてがんばってんだよ
キリがねえんだよ
そこ張り合い始めたら全員で不幸めざしてヨーイドンだ
そんなんどこにイミがある!?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
気がすむまでとことん走ってこい
迷うなら迷う
走るなら走る
答えなんざどーでもいい
ハナからそんなものはねーんだ
「自分で本当に気のすむまでやってみたか」しかないんだよ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
山崎
真山の職場の先輩。
美和子さんが好きなのにいつもおもちゃにされているかわいそうな人。
何でお前の恋愛ってさ
キズつけるのが前提なの?
オレは好きなコができたら
うんと大事にしよう…ってずっと思ってきたぜ?
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
理花さん
真山の想い人であり、原田デザインの経営者。
お手上げだわ
観念してぼうっとしましょう
すごい…こんな何もしない時間なんてどれくらいぶりかしら
そうか
みんな
この時間を
お金を出して買うのね
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
森田父
森田のお父さん。
部下に裏切られて会社を奪われるけれど、森田達には恨むんじゃないと伝えるシーン。
前へ進め
いいか?
「前へ」だ!!
黒いキモチに追いつかれるな
光りの方へ
走れ!!!
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
ナレーション
『ハチミツとクローバー』の話の終りにときどき出てくるナレーションより。
森田さんがモテるのは「他人の言葉に惑わされないから」
けれど彼女が出来ないのは「他人の言葉に全く耳をかさないから」
まさに『美点と欠点は紙一重』
人生の難しさをひとつ学んでまたちょっぴり大人になった真山君と竹本くんだったとサ☆
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
「世の中」なんて漠然としたモノに必要とされるより
「特定の誰か」に必要とされる事の方がヒトとして幸せ
(羽海野チカ『ハチミツとクローバー』より)
おわりに
羽海野チカさんの『ハチミツとクローバー』に出てくる名言・名セリフでした。
言葉だけみても考えさせられとても素敵です。
でも、漫画の物語と絵とともに見ると、いっそうその言葉が輝いて感じます。
同じく羽海野チカさんの次の作品である『3月のライオン』もいい言葉ばかりで心にぐっときます!
ぜひ合わせて読んでみてください。