漫画もアニメも小説も大好きな私ですが、整理しきれず最近はあまり買わない傾向に。
しかしついつい衝動買いしてしまった漫画が出てきました!
それは、井上堅二原作・吉岡公威作画の『ぐらんぶる』!
原作の井上堅二さんは、ライトノベルの『バカとテストと召喚獣』を書いた人です。
2014年に講談社の『good!アフタヌーン』で連載が開始されたスキューバダイビングを題材とした漫画になります。
現時点で累計発行部数500万部を突破した大ヒット作です!
これがもうおもしろい!
Kindleアプリで1巻から3巻まで無料で読めたので興味本位で読んでみるとばっちりはまり、一気の残りを大人買いです!
まんまとAmazonさんの策略に乗ってしまいましたが後悔なし!
2020年8月に実写映画化されることもあり、改めて読みなおしあらすじや感想を書こうと思いました。
※元々2020年5月公開予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となりました。
Contents
漫画版『ぐらんぶる』のあらすじ
北原伊織は、伊豆大学への進学のため、静岡県のおじのところに下宿することになった。
下宿先はおじが経営するダイビングショップ『グランブルー』。
男子校出身だった伊織は、海の近くでのキャンパスライフに胸を躍らせていたが、『グランブルー』の扉を開けるとそこには裸で酒盛りをする男たち……。
彼らは、伊豆大学のダイビングサークル『Peek a Boo(ピーカブー)』のメンバーであった。
裸の男たちに驚き逃げ出す伊織であったが、すぐに捕まり一緒に酒盛りをすることに。
翌日、目を覚ますと、周囲にはたくさんの人の気配……。
伊織は伊豆大学の構内で全裸で寝ており、衝撃的な大学デビューを飾るのであった!
半強制的にダイビングサークルに引き込まれた伊織であったが、次第にスキューバダイビングの魅力に引き込まれていく。
魅力的なサークル仲間たちとともに、酒とスキューバダイビングと裸が盛りだくさんのキャンパスライフを満喫するのであった。
『ぐらんぶる』の主要登場人物
北原伊織(主人公)
伊豆大学機械工学科に入学した1年生。
身長170cm。
かなりのばか。とってもばか。でも良いばか。
残念なイケメンで無神経かつ鈍感な性格。
伊豆大学に進学をすることになり、おじの経営するダイビングショップ『グランブルー』に下宿する。
女生と縁のない男子高校出身だったため、キャンパスライフにとても期待をしていたことが原作のいたるところから見受けられるが、現実は非常なもので、ほぼ屈強な男だらけのダイビングサークルに加入させられることになる。
その場の空気が読めずに発言したり、下衆な言動が女性陣に見られることもしばしばあり、誤解を受けたり、意図せずに相手を怒らせたりすることもしばしば。
一方、他人の「好きなもの」を否定しない包容力を持ち、それに気づいた者達からは好意や信頼を得ている。
連載当初は比較的服を着ていたが、物語が進むに従ってパンツ姿の割合があがっていき、7巻ではいとこの奈々華に、最近きちんと服を着ていることをほめられ、
「やはり人間二日に一度は服を着ませんと」
と返事をしていることもあった。
当初、泳ぐことができず水を恐れる伊織。
先輩やサークル仲間の助けを借りながら、少しずつ水への恐怖を克服していく。
水泳は苦手だが、それ以外のスポーツは全般的に得意。
伊豆春祭では、ピンポン玉を的確に狙ったところに投げ込んだり、テニスの試合でもテニスサークルを相手に圧倒する実力を見せていた。
また、本人にとっては黒歴史となっているが、高校時代に自作の音楽を作っていたこともあり、妹の栞によって公開されてしまっている。
お酒は、1巻の時点で、猛者のあつまるピーカブーのメンバー相手に飲み比べで3人抜きをするなど、当初からそれなりに飲めていたが、12巻では、アルコール度数35%のウイスキーをチェイサーに、96%のお酒(スピリタス)を飲むという荒業を成し遂げている。
彼女がほしいという割には、自分に向けられている行為には無自覚。
このあたりはよくある漫画の主人公体質である。
小手川千紗(一応ヒロイン?)
本作のヒロインのはずだが、ばかなことをする伊織に対して虫を見るような目を向けたり、金属バッドを片手に追いかけまわしたりと、果たしてヒロインなのだろうか。
ヒロイン要素が出てくるのはけっこう後から。
伊豆大学機械学科1年生。
身長152センチメートル。
伊織の同い年の従姉妹だが、伊織と血のつながりはない。
対応がそっけなく、クールな印象もあるが、海とダイビングをこよなく愛しており、そうした話題が出ると目を輝かせ表情も豊かになる。
ダイビング経験者であり、将来の夢はインストラクター。
人とのコミュニケーションが苦手なところもあり、インストラクターを目指すために無理をする場面も。
伊豆大学の学祭である「伊豆春祭」ではミスコンを獲るが、恋愛やおしゃれにはあまり興味を示さない。
酒に弱いわけではないが、ピーカブーの飲み会はお酒が強いため、たまに参加すると酔っぱらってしまう姿も散見される。
今村耕平
伊織の同級生。
主人公の親友ポジション?という発言も原作では出てくる。
身長175センチメートルで金髪のイケメン。
でもこいつもかなりのばか。オタクなばか。
アニメと声優が大好きなオタクでかつ『妹』にかなりの執着を見せる変態。
「耕平お兄ちゃんと呼んでくれ……」
と伊織の妹の栞に頼むことも。
常日頃キャラクターが描かれたTシャツなどの衣類を愛用しているが、本人はオタクであることが周りにばれていないと思っている。
新歓の際に、自分ののぞむサークルがないことに打ちひしがれているところを、伊織にだまされてピーカブーに連れていかれる。
大ファンである声優の水樹カヤが『グランブルー』に通っているとの話から入部を決意するが、ダイビングの上達は伊織や愛菜よりも早い。
女声を地声のように出す「ミックスボイス」という特技を持っており、ヴァーチャルアイドル「SAKUYA」としての一面を持つ。
吉原愛菜
『ぐらんぶる』に出てくる数少ない常識人。
青海女子大の1年生。
身長158センチメートル。
素朴で愛らしい顔立ちをしているが、九州から出てくる際に、華やかな大学デビューを目指し、慣れない化粧とおしゃれで、痛々しいケバイ子となっていた。
伊織と耕平からはケバ子と呼ばれている。
当初は、テニスサークル『ティンカーベル』に所属していたが、サークル内で陰湿ないじりを受けていた。
伊豆春祭で伊織たちに助けられたことから、ピーカブーに入ることを決意。
その時から伊織に好意を抱くものの、想いを伝えることができずにいる。
『ぐらんぶる』の中のツッコミ役として存在感を発揮しているが、酔った時には完全に性格が豹変して、ピーカブーのノリにも適合している。
恋愛や大学生活にやや夢見がちなところもあるが、現実は非情なもので、彼女の青春の思い出にはいたるところに裸の男たちがおり、本人も気にしているところである。
「わたしの青春、モザイクだらけ!」
ピーカブーの先輩たち
ピーカブーには2年生はおらず、先輩は3年生のみ。
中心となって伊織たちと関わるのは、会長の時田信治、寿竜次郎、青海女子大の浜岡梓の三人。
時田と寿は、身長190cm近くある筋肉隆々の巨漢。
運動能力も高く、お酒もとにかく強い。
ふだんから暴走気味の二人で、伊織たちをトラブルに巻き込むが、ダイビングのこととなるととても真剣な一面をみせる。
面倒見がよく、1年生たちの教育を進んで行っている。
浜岡はナイスバディの美人さん。
ピーカブーのノリについていけるすごい女性。
初登場は、酔いつぶれて雑魚寝している伊織の布団に、下着姿で潜り込んでいた。
男性も女性もイケる口で、伊織を同類だと勘違いして親近感を抱いている。
伊織の友人たち
伊織と同じ学科に所属する4人の男たち。
いずれもどうしようもないばかでクズのおもしろいやつら。
仲間の誰かにいい相手ができそうになると、全力で妨害にまわる友情を持ち合わせている。
野島元……黒縁眼鏡をかけたロン毛のインテル風ばか。試験の対策として「俺はワンナイでいく」と言い、腕の中にカンペを仕込むが汗で文字がにじんで失敗する。ナルシストで自分をイケメンだと信じている。
山本真一郎……小ぶりで茶髪の外見で、女性に見境がないばか。告白するときの基本姿勢は土下座。童貞であることを度々伊織たちにネタとされる。
御手洗優……伊織の友人たちで唯一女性の気配があり、幼馴染と一線を越えるところまでいくが、伊織たちの妨害により、浮気を疑われ失敗。その後も幼馴染が完全に主導権を握り、ついには結婚の約束までしてしまい、伊織たちからは見捨てられている。
藤原健太……背が高く強面で、友人たちの中では一番常識人。存在感が薄く、青海女子大の大学祭では喫茶店で店員に気付かれず注文を受けてもらえないこともあった。
映画版『ぐらんぶる』
『ぐらんぶる』が実写映画化!
よくこの決断をしたものです。
裸のお酒満載のギャグマンガ『ぐらんぶる』がまさかの実写映画化!
これを決めた人も、出演する皆様方もとても勇気があるなと感じます。
でも、原作はおもしろいし、実写になっても楽しそうなので個人的にはありです。
映画版『ぐらんぶる』は2020年5月29日公開予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて延期。
2020年8月7日に公開されます!
公式ページにも「全力脱衣系☆青春グラフィティ」なんて書いてあり、本当に大丈夫か心配になりますね。
映画版『ぐらんぶる』のキャスト
映画版『ぐらんぶる』のキャストになります。
流星涼⇒北原伊織(主人公、かなりの割合で裸)
犬飼貴丈⇒今村耕平(伊織の友人、こちらも裸率高い)
与田祐希⇒小手川千沙(ヒロインポジション)
石川恋⇒吉原愛菜(ケバ子)
小倉優香⇒浜岡梓(3年生のセクシーな先輩)
朝比奈彩⇒小手川奈々華(千紗の姉でシスコン)
高嶋政宏⇒小手川登志夫(伊織のおじで千紗と奈々華の父)
となります。
思っていたよりも有名でちゃんとした方たちばかりで、改めて本当に『ぐらんぶる』に出て大丈夫か心配です。
でもおもしろそう。
すでに予告編でも、竜星涼と犬飼貴丈の二人が裸で走り回るシーンがあるので、きっと期待を裏切らないことでしょう。
映画版『ぐらんぶる』の内容は?
細かいことはホームページなどにも出ていません。
しかし、公開されている動画や写真からすると、
〇入学からピーカブーへの入部
〇伊豆春祭
〇沖縄合宿
あたりまで行くのではないかなと思います。
原作でいうと1巻から5巻のあたりですね。
映画がうまいこといけば第2弾もあるかもしれないので、ファンとしてはぜひそこまでいってもらいたい!
原作との違い
一番違うのは、全員20歳以上の設定になっていること!
それはそうですよね。
お酒のシーンもたくさん出てくると思うので、18歳とはできません。
まだ観てないので細かい点はわかりませんが、伊織と耕平の出会いのシーンも違います。
原作では、パンツ一丁で講義を受ける伊織と、アニメTシャツの耕平でしたが、予告編ではなぜか二人とも裸で出会うという……。
耕平になにがあったのかとても気になります。
映画を観れたらこのあたり詳しく考えたいと思います。
アニメ版『ぐらんぶる』
アニメ版は2018年の7月から9月に放送されており、全12話。
映画版同様、全員が20歳以上となっています。
また、毎回番組の冒頭に、お酒や過剰な飲み方を推奨するものではないことの注意書きが出るほど飲んではっちゃけてばかりのアニメです。
第1話 | ディープブルー |
---|---|
第2話 | 水の中で |
第3話 | 新世界 |
第4話 | 男コン |
第5話 | 後の祭り |
第6話 | 初バディ |
第7話 | ダブルス |
第8話 | 男のカクテル |
第9話 | 王さまゲーム |
第10話 | 沖縄上陸 |
第11話 | 誤解なんだが |
第12話 | オトーリ |
最終話をオトーリ(三宅島独特の飲み方)で締めるあたりがとても素晴らしい。
しんみり終わるのではなく、『ぐらんぶる』らしくあほらしく終わっています。
主題歌は湘南乃風の『Grand Blue』。
エンディングは水樹奈々(作中は声優水樹カヤ)の『紺碧のアル・フィーネ』で、伊織たちが歌うカラオケバージョンと水樹カヤバージョンがある。
湘南乃風がまたこういう海の出てくるアニメにぴったりで、青春だなぁと思いますね。
やや、まじめなシーンもありますが、全体的に明るく楽しいアニメなのでストレスなく見れるかも。
『ぐらんぶる』の魅力
とにかくあほらしくて笑える
まずはこれに尽きます!
一見、絵のテイストからして、ギャグマンガっぽくはなかったのですが、中身は完全に笑わせにきています。
私自身がスキューバダイビングをするため、この漫画を読んだのですが、
「こういう漫画だったのか!」
と驚かされました。
これだけ男の裸だらけの漫画はほかにあっただろうかと……。
また宣伝のうたい文句でも出てきましたが、スピリタス(アルコール96%のお酒)の登場回数も一番の漫画らしい。
96%ってどんなだよって感じですが、楽に火がつくお酒です。
興味本位に買わないようにしましょう。
ダイビングのシーンに潜りたくなる!
これは経験者未経験者問わず感じると思います!
スキューバダイビングを題材にした漫画ですが、なかなかダイビングシーンが出てこない!
でも、出てきたときにはそれは丁寧に作っているのがわかります。
海の中に潜るのは、まさに別世界に降り立ったような気持になります。
漫画の中でも、自分の呼吸の音だけが響くゆったりとした世界を上手に表現しており、久しぶりに潜りたくなります。
沖縄の海や、パラオの海も出てきますが、わたしがふだん潜る伊豆の海とはまた違った世界がそこにはあるのだなと興味がわきますね。
実在の風景やお店がモデルとなっている!
『ぐらんぶる』を読んだり観たりしていると、
「あれ?これってあそこじゃないかな?」
という場面がたくさんでてきます!
これはダイビングをしている人間からするとものすごくうれしく楽しい!
伊豆にあるダイビングスポットは、大瀬崎、伊豆海洋公園(IOP)、伊東などを始めとしてたくさんあります。
『ぐらんぶる』の中で、伊織たちが機材を運びながらダイビングポイントに向かうシーンがありますが、
「絶対これは大瀬崎のあそこだ!」
というところもあり、もうダイビング熱が燃え上がりそうです。
伊豆に向かう途中にあるお魚のおいしい定食屋さんや、伊織たちが合コンで使用する飲み屋さんも実在する(名前は違うけど)これも現地を知っていると楽しいですね。
ばかなようでグッとくるシーンを入れてくる!
散々ばかな漫画だと書きましたがそれだけではないのが『ぐらんぶる』!
随所随所にグッとくるセリフや名シーンが散りばめられています。
あまり書くと読む人の楽しみ半減なので一部だけご紹介。
3年生の寿が伊織にダイビングに興味があるならやってみたくないのかと尋ねると、伊織は、
「俺、泳げませんから」
と答える。
そんな伊織に対して「やりたい」か「やりたくない」かを聞いているのに、「できる」「できない」で返事をするなんて文法がおかしいだろうと述べ、
「最初から自分ができるものだけ選んでいたら何も始まらない」
「大事なのはお前が興味を抱いているかどうかだろ」
と返す寿。
この言葉を受けて伊織は苦手な水に挑戦してみようと決意します。
ばかみたいなシーンのあとにこうした真剣なものが来るから余計にこちらとしても心に入ってくるものがあります。
自分も興味を持ったものや好きなものを避ける言い訳をせず、ずばっと行動しようと思わされます。
おわりに
簡単ですが『ぐらんぶる』の紹介でした。
最近読んだ漫画の中では特におすすめの1冊です!
スキューバダイビングを知らない人でも楽しめますし、ちょっと海の世界に興味が出てくるのではないでしょうか。
わたしも久しぶりに潜りに行きたくなってきました!
最近では、『ぐらんぶる』(まだ終わっていませんが)に続き、『てんぷる』という寺を舞台にした漫画も描いていますのでこちらもおすすめです。