以前から気になっていた、なかむらるみさんの『おじさん図鑑』!
「読んでみたいなー」
と思っていたところ、職場の同僚が休憩時間に読んでいるではありませんか!
ありがたく読まさせていただきました。
これが思っていたよりもにやりとします。
『おじさん図鑑』の内容や感じたことを紹介していきます。
Contents
おじさん図鑑とは?
『おじさん図鑑』とは、著者であるなかむらるみさんが、これまで見てきたおじさん、出会ってきたおじさんを、イラストとコメントで描いたものです。
「こういうおじさんいるわー」
と誰もが思ってしまうんじゃないかなと。
内容も面白いのですが、なによりなかむらるみさんの、
おじさんへの愛が凄い!
なんとなく、おじさんというと、あまりいいイメージがわかないのですが、本書では、
「こういうおじさんいるよね」
と思わせつつも、そこに潜んだ愛嬌のようなものを感じさせます。
本書の中でも、なかむらるみさんは、
おじさんの仕草や言葉には、長年社会を歩んできた人生が詰まっています。それはくだらなかったり、おもしろかったり、為になったり…と千差万別。その隠れた素晴らしさ、若者にはまだ備わっていない味わいを伝えるべく、取材し、観察して図鑑としてまとめました。今まで気にしていなかった「おじさん」を楽しむガイド。これからの人生を歩むヒントが見つかるかも知れません。(なかむらるみ『おじさん図鑑』より)
と読者に語りかけています。
なかなかおじさんに対して、こうした印象を持つ方は少ないのでは?
私自身も、読ませてもらいながら、見方が変わった気がします。
通勤中も、
「あっ。こういうおじさんが図鑑に載っていた!」
とおじさん観察をつい始めてしまうようになりました。
また、実際におじさんたちと飲みに行ったり、山谷のドヤ街を訪れたりしたときの話も載っていて、とても興味深い内容でした。
ドヤ街について詳しく知りたい人は、『だから山谷はやめられねえ』を読んでみるといいですよ。
どんなおじさんがいるの?
本書の中では、ジャンル別に40種類以上の「おじさん」を紹介しています。
どういうものが載っているかというと、
〇普通のスーツのおじさん
〇偉いおじさん
〇お疲れのおじさん
〇缶ビール缶チューハイおじさん
〇ぼっこりおなかのおじさん
〇ちょいわるおじさん
と、このあたりは、
「こういうおじさんいるいる!」
と想像ができると思います。
これら以外にも、
〇いやらしいおじさん
〇アート系のおじさん
〇仙人おじさん
〇有名人のおじさん
〇不倫してる?おじさん
〇かわいいおじさん
と、読んでいて面白いと思わされるものが多かったです。
イラストがまた的確ですごくわかるわーという気持ちにさせられます。
おじさん予想診断
本書の中では、「おじさん予想診断」というものがありました。
35個の質問に対して、あてはまるものにチェックをつけていきます。
そのあてはまった内容によって、自分が将来なるであろうおじさんのタイプがわかるというものでした。
チェック項目は、競馬か麻雀をやっているとか、休日にベンチによく座るといった、今の自分の日常生活がその項目にあてはまるかどうかといった内容です。
将来なるであろう5つのタイプとして、
〇男っぽいおじさん
〇哀愁漂う真面目なおじさん
〇趣味人なおじさん
〇いつまでも若いおじさん
〇すでに完璧なおじさん
がありました。
さて、みなさんはどんなおじさんになるでしょう。
ちなみに私は、僅差で「男っぽいおじさん」になる可能性が一番高いようです!
渋いおじさんになれる可能性があるそうです!
哀愁漂うおじさんじゃなくてよかった!
興味のある方は一度手に取って診断をしてみるといいかもしれませんね。
私もけっこうおじさん
本書に出てくるおじさんは、イラストの雰囲気からも、だいたい40代後半以降の方を描いているのかなと感じました。
子どものころは、今の30代半ばの人をおじさんだと思っていましたが、いざ自分がそれくらいの年になると、
「まだおじさんではない!」
と言いたくなります。
とはいえ、本書に出てくるおじさんたちを見ながら、少しずつおじさんになっている自分を嫌でも自覚してしまいます。
後輩に対して、
「若いなー」
と言ってしまうことも以前より増えてきていますね。
お腹もぽっこりしてきましたし、持っている服も、だんだん地味な色のものがクローゼットに並ぶようになりました。
こうして自覚することで、
「これはまずい!」
と少し意識できるようになるのかもしれません。
めざせ肉体も精神も若いおじさん!
おじさんになるのも悪くない
「まだおじさんにはなりたくないな」
という気持ちがある反面、
「おじさんって自由な部分もあるな」
と感じさせられるときもあります。
しっかりとした自分の意志や、生き方を持っている人を見るときにそう感じます。
もちろん、ちょっとがっかりなおじさんも私の周りにはたくさんいます。
でも数少ないそうした尊敬に値する人たちには、それまで生きてきた何十年が蓄積されているように思います。
その人の信念をしっかり持ち、周りからもそう認識されている姿を見ると、
「おじさんも悪くないな」
と思うようになってきました。
願わくば私自身も、40代後半から50代、60代と年を重ねるごとに、いい意味で自分を確立した「おじさん」に近づいていければと思います。