本に関する賞ってたくさんありますね。
個人的に好きなのは本屋大賞。
書店員さんが選ぶというだけあって、読みやすくおもしろい作品が多いのが特徴です。
私自身もこうした賞にノミネートされた作品をみて、次に読む本を選ぶことが多いのですが、今回紹介するのは司書が選んだ本になります。
『司書が選んだイチオシ本2020』です!
2021年2月24日の朝日新聞に掲載されていました。
『司書が選んだイチオシ本』とは、
「高校生にいい本を読んでもらいたい!」
と高校図書館で働く司書有志によって2010年から始められた企画です。
1年間の間に出版された本を対象に、インターネットの投票で選ばれます。
それではさっそくトップ10を紹介していきます。
Contents
第1位『雲を紡ぐ』伊吹有喜
「分かり合えない母と娘」
壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか?
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。
ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。
美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていた――。
(Amazonサイトより)
第2位『なぜ僕らは働くのか』池上彰監修
“働く”とは? “生きる”とは?
あなたは子どもたちに伝えることができますか?
仕事、お金、働きがい、AIの進歩、多様性の尊重、人生100年時代…。働くうえで考えるべき様々なテーマをマンガと図解で多角的に伝えます。これから社会に出る若者たち、仕事に向き合い悩む大人たちが、未来に明るい希望を持てるように。そんな想いが込もった、温かくて前向きになれる一冊です。
この本は一生で何度も読み返す 大切な宝物になるはずです。
(Amazonサイトより)
第3位『水を縫う』寺地はるな
松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。
学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。
(Amazonサイトより)
第4位『逆ソクラテス』伊坂幸太郎
敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。
(Amazonサイトより)
第5位『おとめ六法』上谷さくら、岸本学
女性の人生に寄り添う法律の本
わたしが悪いから、こうなっちゃったの?
警察に行ったらつかまえてくれるの?
相談したら、逆に不利にならないの?
万が一のそのときというのは、なにをどうすればいいかわからないもの。
本書は、【六法+α】の、女性の一生に寄り添う法律集。
憲法・刑法・民法といった六法の中から、女性の一生に寄り添う法律をピックアップ。
さらに、DV防止法、ストーカー規制法、著作権法、軽犯罪法、男女雇用機会均等法……など、毎日を守る大切な法律を網羅しました。
どんな証拠が必要になる? どこに相談すればいい?
あなたが持っている権利を守るために、知っておくと便利な手続きも具体的に解説します。
トラブルにあったとき、「わたしが悪かったからだ」と思い込み、
一方的に自分を責めてしまう人がたくさんいます。
しかし、本当にあなたが悪かったのでしょうか?
あなたはなにか法律に触れるようなことをしたのでしょうか?
相手の行いのほうが正しかったのでしょうか?
「わたしが悪いのかな」
そう思ったら、ぜひ本書をめくってみてください。あなたが再び前を向くきっかけになる「法律」が見つかるかもしれません。
(Amazonサイトより)
第6位『晴れ、時々くらげを呼ぶ』鯨井あめ
高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。
父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。
亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。
図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。
雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。
くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。
八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。
納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。
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第7位『わたしの美しい庭』凪良ゆう
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。
百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――
(Amazonサイトより)
第8位『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』左右社編集部編
新型コロナウイルス感染拡大ーーー前代未聞の事態を迎えたわたしたちの文学
累計5万部突破の人気アンソロジー、緊急出版! ! !
“普通の毎日”が一変した2020年4月、ほかの人はどう過ごしていたんだろう。
パン屋、ミニスーパー店員、専業主婦、タクシー運転手、介護士、留学生、馬の調教師、葬儀社スタッフ……コロナ禍で働く77人の日記アンソロジー! ! !
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第9位『10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」』森山至貴
「カクレ悪意」や「カンチガイ善意」を見ぬき、一生自分らしく生きていく強さを身につける!
差別を考える社会学者が、「ずるい言葉」に言いくるめられないための手がかりを伝授!
「あなたのためを思って」
「もっと早く言ってくれれば」
「友達にいるからわかるよ」
「傷ついたのもいい経験だったね」
「私には偏見ないんで」
「昔はそれが普通だったのに」
よく口にする、または耳にする言葉です。でもこういう言葉を聞くと、なんだかちょっとモヤモヤしませんか?
実は言葉の裏には言う側の自覚なく(あるいは自覚的な場合も)別の意味が隠されていることがあって、それでなんとなくモヤモヤしたり、イラッとしたりしてしまうのです。
そういった納得のいかない言葉について、なぜそんな言葉が使われるのか、そこにはどんな意図が隠されているのかを解説していきます。
また、そういった言葉を言われたときにはどのように考え、対処したらいいのかにも触れるとともに、各項目ごとに、より理解を深めるための関連用語を取り上げています。
個性や異文化をどう受け入れていくのかがますます重要になっていく時代、言葉に隠された意識を見抜けるようになることで、自分らしく生きる強さを身に着けましょう。
(Amazonサイトより)
第10位『夜明けのすべて』瀬尾まいこ
知ってる?
夜明けの直前が、一番暗いって。
「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。
人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。
本屋大賞受賞後第一作。水鈴社創立初の単行本、渾身の書き下ろし。
(Amazonサイトより)
おわりに
この『司書が選んだイチオシ本』のいいところは、
司書が選ぶというだけあって、中身がしっかりしたものが多いこと。
1年間の間に発刊された作品のため、まだ読んだことのない本に出会えること。
小説だけでなく実用書も入っていること。
私もトップ10のうち、これを見た段階では2冊しか読んだことなかったんですよね。
第9位の『10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」』なんかは、私はもう10代じゃないけれど、自分が知らず知らずにそんな言葉を使っていないか、そういった意味でも読んでみたいです。
第5位の『おとめ六法』も気になりますね。
これは女性目線ですが、似た系統で『こども六法』もありますよね。
こうしたターゲットを決めてわかりにくい法律を解説してくれている本は本当にためになります。
こうしたランキングも今後の読書の参考にしてもらえたらと思います。