まったく異なった業種に就く二人。
考え方もその常識も違うからこそ、新しい視点で物事を見ることができます。
今回紹介するのは、東野圭吾さんの、
『マスカレードホテル』です!
少しボリュームがありますが、読みごたえのあるいい作品です。
東野圭吾さんの<マスカレード>シリーズの一作目になります。
Contents
『マスカレードホテル』のあらすじ
舞台は高級ホテルである『ホテル・コルテンシア東京』。
フロントクラークとして働く山岸尚美は、ある日、総支配人に呼ばれ、警察の潜入捜査の協力をするように言われる。
都内で起きてた連続殺人事件が次に起きる場所が、『ホテル・コルテンシア東京』であるというのであった。
不満を持ちながらも山岸は、フロントスタッフとして潜入することとなった新田浩介の教育係となる。
たとえ潜入捜査であってもホテルマンとしている以上、お客様を第一に考えるようにという山岸と、自分は警察であるというプライドを隠そうとしない新田。
しかし、二人はぶつかり合いながらも、ホテル内で起きる様々な出来事をとおして、少しずつ互いのことを理解していく。
やがて、事件の全貌が明らかになっていき、警察による厳戒態勢の中、犯人と対決をすることとなる。
2019年に映画化される!
『マスカレードホテル』は、2019年1月18日から映画化されます。
主演は木村拓哉さんと長澤まさみさん。
キャストを見ていくと、
〇木村拓哉(新田浩介…捜査一課の警部補。潜入捜査をする)
〇長澤まさみ(山岸尚美…ホテルのフロントクローク)
〇小日向文世(能勢…品川警察署の刑事。品川の事件で新田とタッグを組んでいる)
〇梶原善(本宮…捜査一課の新田の先輩。新田とともに潜入捜査を行う)
〇石川恋
〇濱田岳
〇前田敦子
〇高橋政宏
〇橋本マナミ
〇菜々緒
〇宇梶剛士
〇松たか子
〇勝地涼
といったように、本当に豪華な顔ぶれとなっています。
『マスカレードホテル』の面白いところ
異なる業種の立場と見え方
マスカレードホテルでは、刑事とホテルマンという二つの視点から物語が進んでいきます。
一つの出来事に対しても、それぞれの感じ方や考え方は別の物になります。
例えば、小説の中でチェックインをするために列に並ぶことに対してクレームをつけてきた客がいます。
食事の約束があるから自分を先にしてほしいと。
新田は、ルールだから順番を待つように言います。
でも、怒る客に山岸は、ホテル側でチェックインの手続きを済ませておくのでお名前だけ教えてくださいと伝えます。
実際に私個人としては、ルール守れよって思っちゃいます。
この人クレーマーだなぁと。
小説の中で新田も、ルールを守らなければ他の客も似たようなことをいうのではないのかと憤るのですが、山岸は、ルールはお客様が作るのだと諭します。
こうした目線の違いが随所に出てきて、二人も反発し合ってしまうのですが、そういった部分も少しずつすり合わされて理解し合っていくところもこの小説の面白いところです。
謎につつまれた連続殺人事件
マスカレードホテルで捜査の対象となっている連続殺人事件には謎につつまれています。
容疑者らしき人物はいるのにアリバイがあったり、3人の被害者に共通点がなかったり。
事件現場に残された不可思議な数字も事件を複雑化させます。
そうした謎の多い事件が解明されていく過程も、想像を越えてくるため、驚きと感心を持って読むことができます。
能勢という個性的な登場人物
マスカレードホテルには多くの個性的な登場人物がいます。
その中でも私が好きなのは品川警察署の能勢です。
今回の連続殺人事件の品川で起きた事件を新田と組んで捜査している刑事になります。
一見、うだつのあがらない仕事のできなさそうな男。
新田も、最初はこのコンビは外れだと感じてしまいます。
でもそののほほんとした雰囲気とは打って変わって、次々に重要な情報を見つけ出す凄腕刑事でした。
見た目の裏に隠された素顔というのがとても興味をひきます。
終わりに
原作のマスカレードホテルはとても満足のできる作品でした。
果たして映画はどんな風にしあがっているのか楽しみでしかたありません。
キャストを見る限りおもしろい作品になっているのだろうなと期待が高まりますね。
マスカレードホテルは、最初に書いたように<マスカレード>シリーズの一作目になります。
それ以外の、『マスカレードイブ』や『マスカレードナイト』もいい作品なので、機会があれば合わせて読んでみてください。