〈半沢直樹〉シリーズ

ドラマ『半沢直樹』season2のあらすじと原作との違い。【完結】

2020年7月19日(日)。

ついにあの『半沢直樹』がドラマとして帰ってきました!

そして2020年9月27日をもってついに完結!

とにかくおもしろかった!!

原作とはまた違った面白さのあるドラマ版半沢直樹。

ぜひまだ観てない人は、レンタルでもなんでもいいので見てほしい。

 

『半沢直樹』season2は、池井戸潤さんの〈半沢直樹〉シリーズのうち、

〇『ロスジェネの逆襲』

〇『銀翼のイカロス』

の2作品をドラマ化したものになります。

『半沢直樹』season1でもそうでしたが、内容こそ原作にそっているものの、登場人物や人間関係、細部についてはかなりアレンジが加わっています。

Contents

ドラマ『半沢直樹』season2のあらすじ(公式サイト)

ドラマ『半沢直樹』season2の各話の内容については、随時更新していきます。

そちらはネタバレにもなりますので、大まかなあらすじだけを紹介しておきます。

これは、ドラマ『半沢直樹』の公式サイトのものになります。

東京中央銀行のバンカーとして活躍していた半沢直樹(堺雅人)。

しかし、大和田常務(香川照之)の不正を暴き糾弾したことが原因となり、中野渡頭取(北大路欣也)から、子会社である東京セントラル証券へとまさかの出向を命じられてしまう。

こうして出向先の東京セントラル証券・営業企画部長となった半沢。

扱う金融商品企画はどれも銀行時代とは比べものにならないほど小さなものだった…それに加えて、親会社の銀行からは不良案件を押し付けられる始末。

さらに、銀行からの出向組に対するプロパー社員たちの不公平感は根強いものがあり、反骨心と確執が渦巻いていた。

一方、大和田は、敵対していたはずの中野頭取派に華麗に転身、保身のために組織を利用し新たな地位を築いていた。

さらに、大和田の忠実な部下である証券営業部長・伊佐山泰二(市川猿之助)もまた、“半沢潰し”を目論んでいた。

そんなある日、東京セントラル証券に大型買収案件が舞い込む。

プロパー社員・森山雅弘(賀来賢人)が担当する大手IT企業「電脳雑伎集団」が、瀬名洋介(尾上松也)率いるIT業界の雄「東京スパイラル」を買収したいと申し出て来たのだ。

買収における株式取得にかかる費用はおよそ1500億円以上。

東京セントラル証券にとって、かつてない規模の案件だった。

「銀行を見返せ!」と大規模買収に沸き立つセントラル証券だったが、突如電脳雑伎集団からアドバイザー契約を一方的に断ち切られてしまう—。

そして、これが新たな銀行との戦いの始まりになるとは、この時の半沢は知る由もなかった——。

飛ばされた半沢は銀行に下剋上なるか!? 不屈のバンカー半沢の新たな戦いが今、始まる!

(TBSテレビ:『半沢直樹』公式ページより)

このあらすじだけでもう面白そうな雰囲気が出ていますね。

原作では出番のなかった大和田(香川照之)もばっちり出演しています。

やはりこの人が出ないと『半沢直樹』の魅力が半減です。

『半沢直樹』の登場人物とドラマの役者

ドラマ『半沢直樹』の登場人物を一覧にしてみました。

半沢直樹(堺雅人) 主役。ドラマスタート時、東京セントラル証券の営業企画部部長。「倍返しだ!」
半沢花(上戸彩) 半沢の妻。金融庁にも面と向かって文句をいう気の強い女性。
渡真利忍(及川光博) 半沢の同期。融資部次長。自称銀行一の情報通。頼りになる。指パッチン。
黒崎俊一(片岡愛之助) 金融庁検査局の主任検査官。オネエでねちっこい。でも見ていて面白い。
森山雅弘(賀来賢人) 東京セントラル証券の若手。ロスジェネ世代。前半の準主役。
浜村瞳(今田美桜) 東京セントラル証券の新人。ドラマにのみ登場。
諸田祥一(池田成志) 東京セントラル証券営業企画部次長。出向組だが、なぜか東京中央銀行に舞い戻る。
広重多加夫(山崎銀之丞) 大洋証券の営業課長。
三木重行(角田晃弘) 東京セントラル証券営業企画部。わりと口だけ。役にあってる。
玉置克夫(今井朋彦) 電脳雑技集団の財務担当。
尾西克彦(栗島瑞丸) 東京セントラル証券の営業企画部。プロパー組。
平山一正(土田英生) 電脳雑技集団社長。いろいろずるい人。
平山美幸(南野陽子) 平山の妻。気が短い。
野崎三雄(小久保寿人) 東京中央銀行。伊佐山に信頼される部下。
清田正伸(加藤啓) スパイラルの財務担当役員。裏切者①
苅田光一(丸一太) 東京中央銀行情報システム部。半沢の同期。
原田浩平(持田将史) 東京セントラル証券の営業企画部。プロパー組。
郷田行成(戸次重幸) FOXの社長。昔はできる男だった……。
岡光秀(益岡徹) 東京セントラル証券の社長。銀行を見返したい!
加納一成(井上芳雄) スパイラルの戦略担当役員。裏切者②
乃原正太(筒井道隆) 後半に出てくる弁護士。銀行が大嫌い。
白井亜希子(江口のりこ) 国会議員。元アナウンサー。仕事ができないタイプの議員さん。
箕部啓治(柄本明) いろんなところと黒い関係。
三笠洋一郎(古田新太) 東京中央銀行副頭取。虎視眈々と上を狙う。
女将・智美(井川遥) 原作には登場しない女将。かわいい。
瀬名洋介(尾上松也) スパイラルのワンマン社長。すぐ怒るから上司にしたくないタイプ。
伊佐山泰二(市川猿乃助) 東京中央銀行の証券営業部部長。依頼横取りする人。
中野渡謙(北大路欣也) 東京中央銀行頭取。存在感がすごい。
大和田暁(香川照之) 東京中央銀行取締役。前作で見事な土下座を披露。今作ではなにをするのか。

上記したように大和田(香川照之)が登場すること以外にも、浜岡瞳(今田美桜)や、女将・智美(井川遥)といった原作には登場しない人物が出てくることがわかります。

ドラマ版のみの登場人物がどんな展開を引き起こしてくれるのか楽しみですね。

『半沢直樹』season2第1話(2020年7月19日放送)

東京中央銀行の1室。

証券営業部の伊佐山部長(市川猿之助)は部下に対して語る。

かつて常務であった大和田(香川照之)のことをいかに尊敬していたか、土下座させられた大和田の姿を思い出すと怒りがこみ上げてくることを。

「人事がおさまってもオレはおさまらねえぞ。オレはぜってえ半沢を許さねえ」

 

セントラル証券に出向となった半沢は、営業企画部部長として精力的に活動していた。

ある日、電脳雑技集団の平山社長夫妻(土屋英生・南野陽子)から買収のアドバイザー契約の打診を受ける。

スパイラルという会社を買収したいというもので、1500億円の規模になる大型案件であった。

難しく大きな案件であるため、慎重に進めたい半沢だったが、銀行からの出向組である諸田(池田成志)や三木(東京03角田)が強行に話を進めようとする。

諸田は、三木を中心にプロジェクトチームを結成するが、それは、それまで電脳雑技集団を担当したプロパー組である森山(賀来賢人)をチームから除外し、銀行からの出向組だけで固めたものであった。

業績が悪いことを東京中央銀行から指摘されていた岡社長(益岡徹)も、利益を確保するために、失敗したら一銭にもならない【成功報酬】での契約を行おうとし、半沢と意見が対立していた。

 

一方、東京中央銀行の大和田にも動きが。

season1での伊勢島ホテルをめぐる失態から、立場をなくしていた大和田であったが、銀行融和を考える中野渡頭取(北大路欣也)のとりなしにより、取締役として銀行に残ることとなっていた。

大和田は中野渡頭取にこう礼を述べる。

「恩赦に感謝いたします」

「施されたら施し返す。恩返しです!」

大和田は中野渡頭取から業績が悪化している帝国航空の再建を任されることになる(『銀翼のイカロス』の案件) 。

 

電脳雑技集団の打診から2週間後、ようやくスキームをまとめ上げた半沢たちは、平山社長に提案をしにいくが、動きが遅すぎて信用できないと契約を解除されてしまう。

しかし、スキームの内容を見ようともしないその態度に疑問を感じる半沢であった。

東京中央銀行の同期である渡真利(及川光博)に電話をし、1500億円の案件が銀行にないかと尋ねると、伊佐山たち証券営業部が1500億円の融資を計画していることを知る。

実は、8日前に、買収案件の情報を入手した東京中央銀行が契約を横取りをしていたのであった。

買収をスムーズに進めたい伊佐山は、これまで大和田の派閥にいたが、落ち目の大和田ではなく、三笠副頭取(古田新太)の派閥へと鞍替えをして大和田を裏切る。

 

親会社が契約を横取りしたことに憤る東京セントラル証券であったが、出向組の諸田や三木は、仕方がないなどと温度差にずれがあり、出向組とプロパー組で険悪なムードに。

そんな中、渡真利から、電脳雑技集団が記者会見の準備をしているとの情報を得た半沢は、買収がいよいよ始まる!と、東京セントラル証券のメンバーとともに株価に注視するがその日の取引はなにも起こらず終わった。

しかし、電脳雑技集団は時間外取引という奇襲によって、スパイラルの株価30%を取得したことを記者会見により知ることとなる。

 

スパイラルの社長である瀬名(尾上松也)は、事前に打診もない唐突な買収行為に激怒!

断固として対抗措置をおこないと宣言する。

大洋証券の広重(山崎銀之丞)にすぐに対抗策を考えるように怒鳴りつける。

だが、瀬名は、30%の株を売ったのが、一緒にスパイラルを立ち上げた元役員の清田(加藤啓)と加納(井上芳雄)だと気づき、ショックを受けていた。

 

瀬名と中学時代親友であった森山は、瀬名に連絡をしようと思いながらもためらっていた。

しかし、半沢に後押しされ瀬名に会うことに。

だが、瀬名は森山が、買収を進めている東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券で働いていることを知り、情報を探りに来たのかと追い返してしまう。

打ちひしがれ、弱気な発言をする森山であったが、半沢は、

「言いたいことはそれだけか。不平不満を愚痴ってそれで終わりにするのかよ。何をしてもムダだと全部諦めるのか」

と森山をさとします。

 

半沢たちは、東京セントラル証券から情報漏洩を行った人物を特定するために、社内のメールを調べることに決めます。

その話を聞かされた三木は、情報漏洩を隠すために、諸田が伊佐山に送ったメールを消去するために、夜遅くに会社へと侵入。

メールを見つけたそのとき、半沢と森山が現れ、三木を問い詰めます。

それこそが、情報漏洩の犯人をあぶりだすための半沢たちの仕組んだわなでした。

伊佐山と会食をしていた諸田のもとに突撃をする半沢。

メールの本文を証拠として持ってくるが、伊佐山は半沢たちの動きを察知して、東京中央銀行の自身のメールをすべて削除していました。

オレは知らないとしらを切る伊佐山。

逆に半沢たちが捏造をしたのだろうという始末。

さらに半沢の出向をちらつかせて勝ち誇った表情を浮かべる。

「銀行員は人事には逆らえねえ。半沢、お前は終わりなんだよ」

しかし半沢は、

「何かあれば人事人事と。先生に言いつける小学生のようで、証券営業部部長がそんなことしか言えないとは」

「人事だろうとなんだろうと好きにすればいい。私はこのまま終わりにするつもりはありません。この借りは必ず返します。やられたらやり返す。倍返しだ!それがわたしのモットーなんでね」

と宣戦布告。

その場をあとにします。

『半沢直樹』season2第2話(2020年7月26日放送)

諸田の人事が決まり、銀行に栄転することになる。

この人事が諸田が東京中央銀行に情報を漏らした見返りであることを知り、詰め寄る東京セントラル証券の社員たちだったが、諸田はそんなことは知らない、と。

半沢からみんなに謝罪をするように言われても、もうすぐ自分は銀行の人間なのだからもう関係がないと開き直る。

 

一方で電脳雑技集団から買収を仕掛けられたスパイラルでは、電脳雑技集団の買収を受け入れてもいいのではないかという声が上がっており、社長の瀬名は「バカばかりだ!」と憤っていた。

瀬名は、森山からの再三の電話にも出ようとせず、会社に来ても会おうとしなかったが、ある日、森山が置いていった買収の防衛策の提案書を目にする。

森山の提案書は、スパイラルのアドバイザーをしようとしている大洋証券と同じく、新株発行により、買収を防ごうというものであったが、その法的な問題点にも言及した考えられた内容であった。

森山の本気を知った瀬名は、森山を呼び出してスパイ扱いをしていたことを謝罪。

契約について大洋証券と会う際に一緒に来てほしいと声をかけるのであった。

セカンドオピニオンとして交渉に参加する半沢と森山。

大洋証券は、新たに発行する新株を電脳雑技集団に買われないために、味方として新株を買ってくれる企業【ホワイトナイト】として、FOXという会社を提案する。

新株を買い取るためには1000億円の資金が必要となるがそれも問題がないと話す。

FOXの郷田社長は、瀬名が尊敬する経営者でもあり、いい契約に思われた。

契約を急かす大洋証券の広重に対して、瀬名は今夜役員会で決をとり、明日の朝8時に契約することを約束する。

半沢は、この話の中で、東京中央銀行の動きがこのままであるはずがないこと、そしてFOXが気になると感じていた。

FOXを調べた半沢は、FOXの業績が悪化していること、メイン銀行が東京中央銀行であることを知り、この契約になにか裏があるのではないかと疑念を持つ。

半沢が森山とこの疑念について話していると、東京中央銀行の伊佐山に呼び出される。

伊佐山は、半沢たちがスパイラルに出入りしていることを指摘し、銀行の邪魔をするなと恫喝。

いつものように、利益にならないゴミのような案件を押しつけていく。

しかし、スパイラルの防衛策について伊佐山が探ろうとしてこなかったことから、情報が伊佐山に漏れているのではないかと半沢は考える。

証券事業部を出て、階段を歩いていると、半沢を宿敵・大和田が待ち構えていた。

大和田は笑顔を浮かべながら半沢にこう言う。

「これはこれは半沢君じゃないか。それは伊佐山君からのおつかいかね?大型買収は召し上げられて、かわりにゴミ案件か、悲しいね~。子会社の手柄は親会社のもの。親会社の失敗は子会社の責任。銀行とはそういうところだ」

そして、半沢の再出向が出ていることに対して、口利きをしてあげてもいいと半沢に提案する。

半沢は、

「自分の身は自分で守ります」

と断固拒否。

大和田は、「はい、残念でした。そんなものは守れません」と半沢はもうおしまいだと告げ、

「私はどんな手を使っても生き残る」

と強い決意を見せる。

 

東京中央銀行の証券営業部の動きが知りたい半沢たちは、同期の渡真利や苅田に何か情報はないかと尋ねるが、証券営業部は難攻不落である、情報を得ようとするのは諦めた方がいいと諭される。

半沢は、銀行に出戻りしたが冷遇をされている三木を呼び出す。

三木は半沢と森山に、今回の裏切りを謝罪し、反省と後悔の言葉を口にする。

森山は憤るが、半沢のとりなしもあり、一応は謝罪を受け入れる。

半沢たちは、コピーなどをさせられている三木にも、証券営業部の動きがわからないか問うが、彼らの計画書はコピーも取らず原本しかない、ほかの人間が手にするのは難しいと告げる。

なんとか翌日8時契約までに情報がほしい半沢たちであったが、思うように情報は集まらない。

 

契約の日の朝。

FOXの郷田があやしいと思いながらも、反対する根拠が見つからない半沢たち。

時間だけが進み、もうだめかと思ったとき、半沢に渡真利からの電話が入る。

渡真利は、東京中央銀行からFOXへの1000億円の融資があることを伝える。

敵対している東京中央銀行がFOXにスパイラルを救済するための1000億円を融資することはおかしい、何か裏があると、半沢たちはすぐに瀬名へと連絡をする。

契約直前までいっていた瀬名であったがぎりぎりで思いとどまり、半沢たちが来るのを待つことにした。

瀬名と大洋証券の広重の契約の場に乗り込む半沢と森山。

広重は邪魔をしないように反発をするが、半沢は、手に入れた東京中央銀行の買収計画書を広重の面前に叩きつけ、大洋証券が銀行の回し者であることを指摘する。

この計画書は、伊佐山たちに一矢報いたい三木が、危険を起こして手に入れたものであった。

計画書によると、FOXはスパイラルを救うホワイトナイトではなく、銀行の刺客であった。

FOXに新株を手渡すと、そのFOXごと電脳雑技集団がFOXを買収。

FOXの持つスパイラルの株は電脳雑技集団のものとなり、そのままスパイラルも電脳雑技集団のものになるというものであった。

瀬名に裏切ったのかと詰め寄られた広重は、すべて半沢たちの自作自演だと主張するが、浜村が撮影した平山と広重の仲のよさそうな写真が決定だとなり、広重は伊佐山が計画したことだと自白。

 

契約が失敗に終わったことを知った三笠副頭取と伊佐山は半沢と岡社長を呼び出す。

伊佐山は、邪魔をしたことに怒りをあらわにし、逆恨みをするんじゃない、二度と証券には仕事をやらないと恫喝し、半沢に詫びを入れるように迫る。

しかし半沢は、

「お言葉ですが、それこそ逆恨みではありませんか。われわれに買収の邪魔をされた腹いせに、あれやこれやとくだらぬ嫌がらせですか。東京中央銀行のやり方として、いささかみっともないですね」

と冷静に返す。

グループ全体の利益を損なうつもりかという伊佐山に、半沢は、証券の大型案件を横取りをしておいて矛盾しているのではないかと反論。

伊佐山は、顧客が銀行を選んだだけであり、そこになにも問題はないとするが、半沢は、東京セントラル証券のは、この度、スパイラルとアドバイザー契約を結んだため、こちらも正当な業務であると告げる。

これにより、親会社である東京中央銀行と、子会社である東京セントラル証券の全面対決となった。

 

三笠と伊佐山との会談のあと、半沢たちは中野渡頭取に呼ばれる。

同席していた大和田から、親会社と対立するなどもってのほかだと言われるが、半沢は、

「天下の東京中央銀行が子会社の案件を無断で奪い取り、詐欺まがいのスキームを立てた。あろうことか役員会の承認付きでです。この案件に対する皆様の力の注ぎようは容易に想像ができます。それに対抗するためにはそれなりの覚悟が必要です。もう一度申し上げます。わたくしどもは、全身全霊をかけて御行と電脳雑技集団連合軍を叩きのめすつもりです。ご覚悟を」

と啖呵を切る。

言葉にならない大和田であったが中野渡頭取は冷静に、

「顧客第一。それが我々の使命だ。銀行も証券も、それぞれの顧客のためにベストを尽くしてくれればいい」

と半沢たちに言葉を残す。

 

銀行と全面対決となった半沢たち。

半沢は、この事態を乗り切る手段として、逆買収を提案する。

『半沢直樹』season2第3話(2020年8月2日放送)

第3話スタート時点で、電脳雑技集団はスパイラルの株42%を取得。

買収成功まで残り8%のところまで来ていた。

これに対抗するために半沢と森山は、FOXを逆買収することを瀬名に提案。

自分たちを裏切ったFOXを買収するなんてありえないと激昂する瀬名だったが、森山から渡された買収計画書を見て理解を示す。

半沢は、森山と瀬名に、今回の買収は資金力と知恵の勝負である。

資金力で劣る東京セントラル証券が東京中央銀行とまともにぶつかっては勝つことができないと語る。

「仕掛ける相手の隙をつく。弱者が強者に勝つための古来からの戦法です。ただしそのために必要なのは、攻める気持ちです」

この銀行との買収対決に向けて半沢は次々に攻撃を繰り出す。

その日、FOXが投資失敗による巨額損失の発覚が記事となった!

そのためFOXの株価が大幅に下落。

情報をリークしたのはもちろん半沢。

これが半沢たちの一撃目であった。

 

続けざまに二撃目としてスパイラルは緊急記者会見。

スパイラルがFOXを買収することを宣言!

そして三撃目としてFOXの郷田社長との会談にのぞむ。

郷田はこれまでの行動を瀬名に謝罪。

しかし、スパイラルの買収は受け入れず、筋をとおすためにも、電脳雑技集団の傘下に入ると述べ交渉は決裂。

 

そんな半沢たちに再びピンチが訪れる!

証券取引等監視委員会が急に東京セントラル証券に押しかけて来たのであった。

直前で察知した半沢たちは、急ぎ危険な資料を処分したり隠したりする。

絶対に見られたらまずいFOXの買収計画書は秘密のクラウド上に隠すことにした。

訪れた監視委員会の責任者を見て半沢は表情を引きつらせる。

責任者は二度にわたり半沢と対決をした黒崎であった。

一方、監視委員会が東京セントラル証券にスパイラルとFOXの買収の関係で捜査に入ったことがすぐにニュースになっていた。

事前にマスコミはこの話を聞きつけており、これによりスパイラルの株価は急激な勢いで下がっていく。

これは東京中央銀行によるスパイラルの株価を下げるために戦略であった。

 

黒崎は、笑みを浮かべながら半沢たちを追い詰めていく。

誰にも知られていなかったはずのクラウドの存在とその入り方を、黒崎は事前に入手していたのだった。

動くことの許されない半沢たちは、スパイラルの瀬名たちに解決をたくす。

そして半沢は、瀬名のもとにいた森山に次のように伝える。

「大事なのは感謝と恩返しだ。その2つを忘れた未来はただの独りよがりの絵空事だ。これまでの出会いと出来事に感謝をし、恩返しのつもりで仕事をする。そうすれば必ず明るい未来が開けるはずだ。成功を祈る」

 

黒崎たちによりデータを発見されたが、それを開く直前で瀬名たちがデータを消すことに成功する。

喜ぶ表情を緩める半沢たちであったが、岡社長のシュレッダーの中から、問題となっている買収計画書が出てきてしまう。

どこからFOXの経営状況の情報をもらったのか、リークしたのは半沢だろうと追及する黒崎。

万事休すと思われたところに、森山が郷田社長を連れて戻ってくる。

郷田は森山と瀬名の説得により、買収を承諾し、半沢に経営状況を伝えたのは自分でありなんら問題はないと証言。

これにより、監視委員会の捜査を乗り切ることに成功するのであった。

 

しかし、株価が下がった影響は大きく、この間にスパイラルの株は48%まで電脳雑技集団に買われてしまっていた。

スパイラルが買収されるまで残りの株はわずか2%。

そんな状況を挽回するために半沢たちは4撃目に打って出る。

それはスパイラルとFOXの合同会見。

FOXがスパイラルの買収を受け入れ、共同で事業を展開していくというもの。

世界最大の商品量を誇るFOXと、世界最強の検索サイトのスパイラル。

いずれAmazonにも並ぶと豪語する瀬名。

さらに「私の友人」として、海外のIT界の大物を登場させ、3億ドルの出資をしてもらうことを公表した。

これによりスパイラルの株価は急上昇。

電脳雑技集団が予定していた買い付け価格を遥かに上回る株価になる。

 

三笠副頭取や伊佐山は、これに対して、追加で500億の融資を行うことで、残りの株価を買い切ろうとする。

中野渡頭取は追加融資に難色を示すが、三笠が必死に説得。

強いパイプを持つ大和田に対しても、三笠自身が頭を下げ、さらに次の常務取締役に推薦することを約束して協力を取りつける。

これにより、銀行内での追加融資の話はほぼ決定事項となってしまった。

 

一方で半沢は、今回二つの疑問を持っていた。

一つ目は、電脳雑技集団がなぜ最初から銀行に頼まずに証券に話を持ってきたのか。

二つ目は、銀行嫌いの黒崎が、銀行のために捜査を行うはずがなく、なにかほかに狙いがあったのではないかということ。

捜査のために監視委員会に提供していた部屋を調べる中で、半沢たちは、黒崎が探していた資料が「電脳電設株式会社」のものであることを突き止める。

この会社は、数年前に電脳雑技集団が買い取った会社で、その社長が玉置。

現在の電脳雑技集団の財務担当をしている玉置克夫の父親であることがわかった。

これはなにか裏があると感じた半沢は、玉置を呼び出すことにしたが、その場所に現れたのは平山社長夫妻であった。

『半沢直樹』season2第4話(2020年8月9日放送)

玉置を待つ半沢たちの前に現れた平山社長夫妻。

平山夫人は、玉置が辞表を出したことを伝え、ルールを守っていただきたいという。

財務担当を呼び出して一体なにをしようとしていたのか、このことは銀行に報告させてもらうと半沢に告げる。

半沢は、

「どうぞご勝手に。銀行に知られて困るのはあなた方の方じゃありませんか。御社を支える財務担当まで必死になってお隠しになるとは。これで私も確信できました。どうやらあなた方は相当な秘密をお持ちのようだ」

「その秘密必ず暴き出します。ご覚悟を」

と言い放つ。

 

玉置を探す半沢たちであったが、玉置は自宅にも帰っていない。

電脳電設にいるはずだと考えた半沢は直接静岡の会社まで乗り込むことにした。

電脳電設の社員から敵視される半沢であったが、玉置に会うことができた。

しかし、玉置は、電脳電設が持つ特許を電脳雑技集団に人質とされており、なにも話すことはできなかった。

半沢は今回の電脳雑技集団の裏にあるなにかを問題視しており、

「もはやこれはうちだけの問題じゃない。銀行がもし何も知らないまま追加融資を行えば、最悪の場合、大金をドブに捨てることになる可能性がある。悪党は電脳だ。もはや銀行と証券が争っている場合じゃない」

とし、伊佐山に電話をする。

伊佐山の代わりに半沢の前に現れたのは諸田であった。

半沢にはもう勝ち目はないとバカにする諸田であったが、半沢は伊佐山あてに、電脳雑技集団と電脳電設について調べるように書いたメモを、必ず伊佐山に渡すようにと諸田に預ける。

しかし、その日、伊佐山に目立った動きはなかった。

その話を聞いた半沢は、伊佐山であれば必ず調査をするはず、伊佐山の手に渡るのを誰かが阻止したと考える。

 

一方で、玉置の協力を取り付けるために、特許を取り戻す方法を探していた半沢たちは、電脳雑技集団の経営が悪化したときは特許を買い戻すことができることを突き止めた。

この特許に興味を示す会社があり、出資の話がまとまりそうになったが、突然取りやめとなる。

担当者は中央銀行から止めるように言われたと話す。

半沢がそれは大和田かと尋ねると、担当者は、むしろ大和田はいい話だと勧めてくれた、そのあと伊佐山から強く止めるように連絡があったと話すのであった。

 

大和田は、頭取室に呼ばれ、帝国航空再建計画のメンバーについての資料を中野渡頭取から渡される。

大和田は自分がそのメンバーから外れていること、そして伊佐山だけがその実働者として名前が残っていることに激昂し伊佐山を呼び出す。

自分だけを売り込んだのかと怒りをあらわにする大和田に、伊佐山は、これまで大和田に仕えていたのは、大和田がいつか頭取になると思っていたからだという。

そして、役員会の場で半沢に土下座させられたこと、あれによってどれだけの泥水を飲まされたかと大和田を糾弾。

大和田は伊佐山にいいように利用され、追加融資の根回しまでやらされてしまっていたのであった。

「(裏切るなら)準備は念入りに。仕留めるのは一瞬で……ですよ」

「これで買収成功間違いなしだ!ありがとうございました」

と勝ち誇る伊佐山。

大和田のことを「土下座野郎」と罵り、役員室を後にするのであった。

 

その日、銀行から帰ろうとする大和田の前に半沢があらわれる。

追加融資阻止のために協力を要請する半沢に、

「死んでも嫌だね!」

と拒絶する大和田。

車を出そうとする大和田であったが、半沢は体を張って車を止める。

「部下にいいようにされてすごすごと退散する。あなたこそ負け犬だ」

と大和田を挑発。

半沢は、やられっぱなしでいいのか、見返すカギは私が持っている、私を利用しないかと大和田に語りかける。

 

役員会当日。

伊佐山や三笠が熱弁をふるい、電脳雑技集団への追加融資に賛同する流れの中、大和田が挙手をする。

今回の追加融資には重大なリスクがあり、それについて詳しいものから説明をさせたいというのであった。

中野渡頭取がそれを許可すると、役員会にあらわれたのは半沢であった。

半沢の協力要請に応じた大和田が、役員会の場に半沢を招き入れたのであった。

半沢は、今回の買収には重大なリスクがあること、証券営業部が出した稟議書には欠陥があることを告げ、この稟議書はゴミだという。

怒り声を上げる伊佐山だったが、半沢がなぜこの稟議書に電脳電設について書かれていないのかと問われ答えることができなかった。

半沢は、電脳雑技集団が、本来100億円の価値であるいまの電脳電設を300億円で事業譲渡を受けていて200億円の価値の差額があることを指摘。

あわせて、最初から銀行に買収の話を持って行かず証券に持ってきたのは、銀行が調べると都合の悪い事実が出てくるからだとの考えを示す。

そして、電脳雑技集団が隠していた事実こそ、粉飾決算であると結論づける。

騒然とする役員会。

半沢は、この電脳電設に架空の売り上げを計上し、赤字を隠していたこと、利益のあるスパイラルを買収することで粉飾の隠れ蓑にしようとしていたこと、これこそが電脳雑技集団の目的であったと看過したのであった。

証拠を求める伊佐山に、半沢は電脳雑技集団の裏帳簿を示す。

これは電脳雑技集団の財務担当をしていた玉置から入手したものであった。

半沢が大和田に頼んだ協力は二つ。

一つ目は役員会で半沢が発言できるようにすること。

二つ目は電脳電設の特許に出資してくれる会社を紹介することであった。

これにより玉置は半沢に協力することになった。

 

追い詰められた伊佐山。

そこで発言をする三笠。

三笠は伊佐山を責め、全責任は粉飾を見抜けなかった伊佐山にあると糾弾。

役員会、そして半沢個人に謝罪をするように要求。

血を吐く思いで謝罪をする伊佐山。

三笠はそのまま自分は責任を取らずに終わらせようとするが、電脳雑技集団に乗り込んだ森山が手にした音声データにより、三笠と平山夫妻との間で行われた不正が発覚する。

中野渡頭取は、「半沢。ご苦労だった」と告げ、半沢はその場を後にする。

 

今回の一見により、電脳雑技集団には証券取引等監視委員会が入ることになった。

債権を抱えている電脳雑技集団を立て直すための人事として、中野渡頭取に相談された大和田は、三笠、伊佐山、諸田を電脳雑技集団に送り込むように動く。

一方で半沢は、東京中央銀行の第二営業部次長に返り咲くこととなった。

東京セントラル証券で半沢の栄転を祝われる中、あいさつを求められる半沢。

半沢は次のように語る。

「勝ち組負け組という言葉がある。私はこの言葉が大嫌いだ」

「大企業にいるからいい仕事ができるわけじゃない。どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の勝ち組というんじゃないかとオレは思う」

「どうかこれからは、胸を張って、プライドを持って、お客様のために働いてほしい。たとえ相手が銀行でも遠慮をすることはない。君たちの世代の逆襲を。いや、君たちの倍返しを私は心から期待している」

 

時が過ぎ、頭取室で中野渡頭取から辞令を受け取る半沢。

同時に、大和田からの推薦ということで、帝国航空の再建計画を任されることになった。

大和田はこの再建計画には参加せず、紀本常務と組むことになる。

帝国航空の社長たちと会談をする半沢であったが、危機意識のない経営陣は、計画どおりにいかず500億円の赤字をだしていながら言い訳ばかりをしていた。

半沢は、帝国航空の再建を手伝わせてほしい、今が再建のラストチャンスだと告げる。

一方で、支持率が伸び悩む政府は、内閣改造を行い、サプライズ人事で支持率回復をもくろんでいるとの話が出てくる。

その人事とは、国土交通大臣に元アナウンサーで人気のある白井亜希子を就任させるという者であった。

白井は、記者会見の場で、帝国航空を再建すると宣言する!

白井が設立する帝国航空タスクフォースが中心となり再建を行い、債権を持っている銀行には、一律7割の債権放棄を求めるというのであった。

東京中央銀行の債権は700億円。実に500億円を放棄せよというものであった。

『半沢直樹』season2第5話(2020年8月16日放送)

政府主導の帝国航空タスクフォースから債権の7割カットを要求された東京中央銀行。

その対策を役員会で話し合うが、500億円もの債権放棄は銀行の業績に大きな影響を与える。

帝国航空の財政再建の担当者となった半沢はどう対処するつもりか考えを聞かれる。

半沢は、たとえ銀行がどんなに優れた財政再建案を提出しても、政府は債権放棄を念頭に動いているため考慮してくれないだろう、我々が味方につけるべきなのは、帝国航空のメインバンクである開発投資銀行であると主張する。

ただし、それは帝国航空にまだ再建できるだけの力があることが前提であり、その調査のために3週間の時間をいただきたいという。

 

それから2週間、半沢は帝国航空の各部署に出入りをして調査を続ける。

帝国航空はいまだにOBの影響力が強く、問題も山積み。

すでに危機に瀕していることがわかった。

しかし、半沢は、「ここは腐っていない」との感想を持つ。

数々の会社を見てきた半沢のものさしで見ると、帝国航空にはまだいいところがある。

倒産する会社は社外の人にあいさつをしなくなるが、帝国航空ではあいさつがしっかりなされている。

各部署の教育も行き届いている。

空の安全を守るという意識の高さ。

仕事にプライドを持っているのも強みである、と。

一方で、それがもろ刃の剣にもなりうるという。

伝統を大切にするその副作用や、縦割り構造の問題点を指摘。

その一つに定期的に有名デザイナーに依頼をして制服を新しくしていることを挙げる。

現場からの信頼も厚い木滝機長に半沢はこう述べる。

「どんなに素晴らしい伝統もそれに縛られて生きる力を失えば、未来に引き継ぐことはできません」

最初は制服にまで銀行が口を出すのかと反発する木滝であったが、熟考したのち、現場からの声も聞くべきだと半沢の意見に理解を示すようになる。

 

これなら帝国航空を立て直せるという再建案を作成した半沢は、帝国航空の上層部に提出するが、社長や銀行から出向して役員となっていた永田たちからの猛反発を受ける。

半沢は、

「みなさんに生きる意志があるのなら、私は全身全霊でお支え致します!」

と述べ、これは会社を成長させるチャンスである、各部署のことだけでなく、みんながみんなで会社を考えるそういう場所にしていきましょうと主張する。

半沢の説得により、帝国航空側が銀行側の再建案に同意しようしたそのとき、帝国航空の社員に一斉にメールが送られる。

それは、半沢たちの考えた再建案の内容。

それも現場に負担を強いる部分だけを抜き出したものであった。

メールを受け取った社員たちは、現場にだけ負担を強いるのかと上層部に詰め寄る。

後日説明会を開くということでその場は事なきを得たが、何者かが情報をリークしたことにより上層部と現場とには大きな溝が生まれてしまった。

 

対策に追われる中、半沢は開発投資銀行の帝国航空担当の谷川と面談をする。

谷川は、東京中央銀行が勝手に再建案を作成し、現場との溝を作ったことを責め、メインバンクに足並みをそろえてほしいと訴える。

半沢は、「貸すも親切、貸さぬも親切」と、メインバンクである開投銀が投資を続けて甘やかした結果でもあると指摘。

そしてまだ帝国航空は立て直せると主張する。

しかし、谷川は、社内に不穏分子がいるから、それを見つけないと同じことの繰り返しになると半沢に注意を促すのであった。

 

剣道場で体を動かしながら考える半沢。

いったい誰がなんのために再建案の情報をリークしたのか、再建案の情報を知っていたのは、頭取、紀本常務、大和田、それに帝国航空の上層部のみ。

大和田が今回わざわざ動くことはない。

債権がうまくいけば大和田の手柄、失敗すれば半沢の責任になるからだ。

ではいったいだれが……。

と、そこにスパイラルの瀬名社長が訪れる。

半沢は瀬名に、再建案の情報をメールしてきた人物が特定できないか頼んでいたのであった。

瀬名は、丸岡という人物が持つ伊勢島の雑居ビルから送信されたものだと半沢に伝える。

どうするのかと問う瀬名に半沢は、

「膿は徹底的に出さなくては。それに私はやられたら倍にしてやり返すのがモットーなんです」

と決意をしめす。

買収の件で半沢に恩のある瀬名は、

「ピンチを利用してチャンスに生まれ変わらせていたあなたの得意技だ。これからも何かあればなんでもいってください。オレは半沢直樹のためならなんでもやりますから」

とこれからも協力することを約束する。

 

伊勢島の雑居ビルへと向かった半沢。

その雑居ビルには丸岡商工という会社が存在した。

しかし、社長の丸岡は不在にしており、東京のパーティーに参加していることを教えてもらう。

そのパーティーが開催されているホテルに向かうと、進政党の永田代議士を応援するためのパーティーが開かれていた。

この永田は帝国航空の永田の兄であった。

そのパーティーには、進政党の箕部議員やタスクフォースを主導している白井議員も参加していた。

永田が情報をリークしたのではと怪しむ半沢。

その後も調べていくと丸岡商工には、年間9000万円もの仕事が帝国航空から発注されており、そのほとんどが水増しされていたこと。

丸岡商工は永田の紹介で取引を始めたこと。

この売り上げの一部から永田の兄に流れていることがわかる。

 

帝国航空の社員への説明会当日。

半沢はまず、社員に送られたメールの内容について誤解があることと、その謝罪を口にするが、永田が、問題はそこではなく、銀行の行動により、信頼が損なわれたことが問題だと半沢を責め立てる。

しかし半沢は、本当に問題なのは、その情報をリークした人物ではないかと問う。

永田は、自分がやったという証拠はあるのかと激昂し、犯人扱いをするなら証拠を出せと詰めよる。

半沢は、木滝機長らと協力して手に入れた証拠映像をその場で公にし、「帝国航空を見くびらないでいただきたい!」と永田を一喝。

そして半沢は、帝国航空の社員に頭を下げ、未来の日本の空を守るために腹をくくっていただけないかと訴える。

それにより、帝国航空内の意識が変わり、OBを交えた意見交換会を行うなど、改革への道が開けたように思えた。

 

後日、帝国航空タスクフォースに呼ばれた半沢は、乃原弁護士から無駄な行動はしないように釘を刺され、早く債権放棄をするように銀行内の意見をまとめるように告げられる。

半沢はその場で東京中央銀行は、債権放棄を拒否すると口にするのであった。

『半沢直樹』season2第6話(2020年8月23日放送)

「東京中央銀行は債権放棄を拒否します!」

帝国航空タスクフォースに呼ばれた半沢は、債権放棄を迫る乃原にそう宣言する。

半沢は帝国航空はまだ自力での再建が可能であると主張し、国にたてつくのかと脅す乃原に、理不尽な要求をのむことはできないと告げる。

しかし、半沢たちが掲げる再建案も暗礁に乗り上げていた。

〇赤字路線の廃止

〇燃費効率の悪い大型機の売却

〇関連会社の整理

〇給与水準の引き下げ及び待遇見直しによる徹底的な経費削減

〇企業年金の大幅カット

〇縦割り廃止による社員の他部署への異動

〇全社員の5分の1の人員整理

半沢たちの再建案の7つの項目のうち、最後の人員整理がうまくいかない。

早期退職や、次の仕事のあっせんを進めていくが、1000人ほど残ってしまっている。

説明会を開くものの組合からの突き上げに苦しむ担当者の山久。

半沢たちもなんとか異動先を確保しようと懸命に動く。

 

一方、白井大臣と乃原が東京中央銀行に突然面談に訪れる。

白井は、ほかの銀行は債権放棄に協力的で前向きだが東京中央銀行はどうなのかと問う。

先日、帝国航空タスクフォースでの半沢の言動が否定的であり、品位に欠けるというのであった。

再建計画が遅れるのはこうした銀行の行動がよくないと述べ、反省を促す白井に対して、半沢は、

「500億円の債権放棄を防ごうとするのは、銀行員として当然であり、反省すべきものではありません」

と真っ向から反論。

銀行が相手をしているのは帝国航空だけでなく、帝国航空だけを特別扱いすることはできない、それこそ不満が出るし、果たしてそれは国民の総意のいえるのかと言い返す。

怒りを表す白井であったが、横から乃原が、そういう態度であれば、金融庁検査を実施して、これまでの融資を見直し、業務改善命令を出すことも考えていると脅すのであった。

紀本常務が謝罪をしてその場を収めたが、白井たちの態度はとても厳しいものであった。

面談後、大和田は半沢に告げる。

「半沢君、君が謝らなかったのはある意味で正しい。そして謝った紀本常務ももちろん正しい。政治というのはね、常に理屈では割り切れない問題があるんだよ。しかし、何より大事なのは、頭取のお立場をお守りすること。それが我々銀行員の正義なんだよ」

 

半沢たちはその後も、異動者の受け入れ先を探し、残り506名のところまでこぎつける。

次の案を見つけるために半沢は、メインバンクである開発投資銀行の谷川に相談をする。

谷川は、有力な候補先として、スカイホープを紹介。

感謝する半沢に、谷川は、あくまで人員削減が必要であるから紹介するだけであり、開発投資銀行は債権放棄に賛成である立場はかわらないと伝える。

 

先日の白井大臣の訪問の影響で、急遽、金融庁検査を受けることが決まる。

前年に行われた帝国航空への150億円の融資の与信判断を行うというものであった。

※与信判断とはその融資が正当なものであったかを調べること

白井に金融庁を動かす力はないと踏んでいた半沢たちであったが、進政党の重鎮・箕部議員の手によるものであった。

またしても担当検査官は黒崎。半沢の因縁の相手である。

黒崎は、

「いーい。おたくらが無駄に政府を怒らせたせいで、こっちもいい迷惑をしてるの。この怒り全部ぶつけてあげるから。そのつもりでね」

と怒りをあらわにし、金融庁検査の開始を告げた。

金融庁検査では、黒崎は、150億円の融資を行ったにもかかわらず、銀行の予測に反して、帝国航空の業績は悪化。

再建計画をきちんと立てたのか、あなたたちの目は節穴かと責め立てる。

半沢は謝罪をするものの、過去の金融庁検査で与信判断に問題はなかったとされていると指摘。

はがみする黒崎であったが、黙ったままではいないのが黒崎。

前回の融資にあたって提出した資料は本当に正しいものだったのかと問う。

半沢がもちろんだと答えると、黒崎は二枚の資料を見せる。

一つは東京中央銀行から再建案として出されたもの。

一つは帝国航空が再建案として発表したものであった。

しかし、二つを見比べると、撤廃予定の赤字路線の数や、人員削減の人数など、明らかに数値が違う。

意図的にでっち上げたとしか思えないという黒崎に時間をくれるよう頼む半沢。

一時間の猶予をもらったが一向に手立てが見つからない。

一時間後、もう少し時間がほしいという半沢に黒崎は、説明ができないならここで検査は終了だと告げ立ち去ろうとする。

そのとき、前任者であった曾根崎が原因が判明したと発言する。

曾根崎は、帝国航空の山久に確認を取ったら、山久のミスで間違ったデータを送っていたことがわかったと話す。

これにより金融庁検査を乗り切ることになったが納得のいかない半沢であった。

 

そんな中、半沢を帝国航空の担当から外そうという動きが出てくる。

今回の金融庁検査や、帝国航空タスクフォースとのやり取りで、半沢の態度が問題なのではないかとしたものであり、白井からも直接、中野渡頭取に半沢はどうなのかという問い合わせがあった。

半沢の後任に再度、曾根崎を据えてはどうかという意見もあり、後日、頭取と二人との面談をすることが決まった。

その間も帝国航空のために動く半沢。

スカイホープから人員受け入れに前向きな返事をもらい、山久のもとに報告に行くと、ちょうど曾根崎が帰るところであった。

曾根崎は、半沢が時期に担当を外されるから部外者が勝手なことをするなと釘を刺し立ち去っていく。

 

頭取面談当日。

頭取室に呼ばれる半沢と曾根崎。

そこには頭取だけでなく、紀本常務、大和田ほか役員も待機していた。

曾根崎は、半沢の言動に問題があり、金融庁検査も厳しくされたと指摘。

さらに山久が資料のミスを認めているのに何度も訪問して業務を邪魔している、帝国航空から要望書として、半沢への苦情をもらっていると告げる。

しかし、半沢は反論。

山久から、当時の状況説明書をもらってきたことを報告。

そこには、資料の数値の誤りに関して帝国航空は一切関与していないというもの。

そして、曾根崎に渡した要望書も正しいものではないため破棄してほしいというのであった。

自分をはめるためにそんな書類を作らせたと激昂する曽根崎。

だが、半沢はボイスレコーダーを出し、動かぬ証拠として突きつける。

そこには、曾根崎が山久に、ミスを山久のものにしてほしいと頼む内容が録音されていた。

曾根崎はさらに、この件が片付いたらタスクフォースに従って債権放棄をすることになる、リストラもいまほどしなくてもよい、担当役員の確約ももらっていると山久に話していたことがわかる。

自身の不正が暴かれた曾根崎は謝罪。

それを責め立てる紀本常務と大和田。

中野渡頭取は、この件に関して、金融庁に報告する必要があると告げる。

「不正は必ず暴かれる。この件を隠したままでいるのは、政府に弱みをみせることになるだろう」

 

人員削減のめどもたち、再建計画が進むかに思われたが、スカイホープが計画していた路線拡大に対して、認可が却下されるという事態になる。

これにより、路線が増えないのであれば人員は受け入れることができず、再建計画も失敗に終わってしまう。

認可を却下する権限を持つのは国土交通大臣である白井であった。

白井はこのままでは銀行の再建計画が上手くいき、タスクフォースが意味をなさなくなるため、権力を行使して潰しにきたのであった。

同時期に、金融庁から銀行に業務改善命令が出される。

中野渡頭取がマスコミの前で頭を下げる姿を見た半沢は、「これは俺の責任だ。自分が頭を下げるより辛い」と口にする。

そして、

「俺は必ず帝国航空を再建してみせる。銀行の底力を見せつけてやる。自分たちの傲慢さを思い知らせてやる。やられたらやり返す、倍返し!!それが俺のモットーなんでね」

「まずはこの銀行に潜む、とんでもない裏切者をあぶりだす!」

と決意を新たにするのであった。

『半沢直樹』season2第7話(2020年8月30日放送)

スカイホープの新規路線の認可が白井大臣の圧力により下りなくなった。

帝国航空に訪れ、「大変なことになりましたね」と余裕を見せる白井。

なぜ認可が下りないのかと詰め寄る半沢であったが、白井は開発投資銀行のスカイホープへの融資が打ち切りになったためだという。

しかし、開発投資銀行の谷川は、半沢に政府から新規路線の認可を下ろさないといわれたから融資を打ち切ったと説明をされる。

ここでも政府の都合により銀行や企業が振り回されているのであった。

半沢は、スカイホープの新規路線に向けて、東京中央銀行で融資をする計画を立ち上げるが、その矢先に白井が報道番組に登場。

東京中央銀行だけが債権放棄に反対をしている、自分たちの利益だけを考えているとたたく。

スカイホープの認可や報道番組での論調。

半沢たちの行動に合わせるようにあまりにもタイミングが良すぎる。

半沢は確信する。

政府に対して情報を流している裏切者がいる、そしてそれは紀本常務か大和田であると。

 

帝国航空タスクフォースに呼び出される半沢。

そこで、債権放棄について各銀行を呼び、その場で意向を聞く合同報告会を開くため参加するように念押しをされる。

白井は、

「あなたはしがない銀行員。私は国交大臣」

といい、リーダーに従うべきである告げる。

しかし、半沢は、帝国航空やその再建に尽力している人たち、この先の未来のためにも戦い抜くことを宣言するのであった。

 

東京中央銀行役員会議。

半沢は債権放棄に対して拒絶の稟議書を提出。

しかし大和田が反論をする。

世論はすでに債権放棄の流れである、東京中央銀行だけがそこから外れることができるのかと。

500億円の債権放棄は苦しいが、ここで抵抗すればそれ以上の損害がある、そして中野渡頭取のお立場はどうなるのか、損して得とれだと主張する。

半沢はそれに対して、銀行員としての在り方を問う。

政府の言いなりになることが正しい姿ではない、債権放棄ではなく、帝国航空が真っ当な利益を上げられる体制を作ることが銀行員としての使命であると。

すると、大和田が半沢の熱弁に心を打たれたと考えを改める。

大和田が賛同に回ったことで形勢は逆転。

ほとんどの役員が債権放棄拒絶に賛成をすることになった。

だが、ここで紀本常務が待ったをかける。

ほかの銀行がすべて債権放棄の方針であり、東京中央銀行だけが拒絶することはできない、私の銀行員生命をかけて主張するというのであった。

もし半沢の稟議書を通すのであれば、私の役職を解いてからにしてもらいたいという紀本に、中野渡頭取は、紀本常務の責任で債権放棄の方針を決定する。

頭取の決定で方針は債権放棄となったが、最後に半沢が抵抗を試みる。

債権放棄の条件として、開発投資銀行が債権放棄をすることを付け加えさせたのであった。

 

役員会議終了後、役員会議室には半沢と大和田の二人。

最後まで抵抗をした紀本が裏切者であったと確信をする半沢。

大和田が最初に債権放棄を主張したのは、半沢の稟議書を通すための演技であったと見抜いた半沢は、裏切者であった紀本に対抗するために手を組む。

二人は曾根崎を呼出し、曾根崎が検査の際に行った不正は誰の指示であったのかと問い詰める。

渋る曾根崎であったが、新たな出向先として条件のいい子会社を大和田が提示すると、紀本常務の指示であったことを告白した。

 

マスコミを呼んで行われる合同報告会当日。

会場には白井大臣を始めとするタスクフォースと、関係する銀行が集まっていた。

開発投資銀行の担当者であった谷川だけが不在であったが、報告会は始まった。

乃原弁護士から、債権の少ない銀行から順に意向を述べるように指示をする。

最初は大東京銀行。

苦渋に満ちた表情を浮かべながら方針を伝えようとするところ、乃原が被せるように「債権放棄だろう」と急かす。

大東京銀行の担当者は、

「主力及び準主力銀行の決定に従わせていただきます!」

と抵抗を試みる。

その答えにざわつく会場といら立ちを見せる乃原。

続いては白水銀行も、

「主力及び準主力銀行の対応に準ずる」

と回答。

続く2つの銀行も、東京中央銀行と開発投資銀行の意向に従うと答える。

乃原は、半沢の返答でどうなるかが決まる、責任重大だと恫喝しながら半沢に発言を促す。

東京中央銀行の順番になる直前、半沢のもとに一通のメールが届く。

それを確認した半沢の返事は、

「我が東京中央銀行は、この債権放棄を拒絶します!」

であった。

役員会議の結論は債権放棄であっただろうと声を荒げる乃原に、半沢はそれは開発投資銀行が債権放棄をした場合であると告げる。

遅れて開発投資銀行の谷川が到着をする。

乃原が開発投資銀行はどうするのかと問うと、谷川は、「開発投資銀行は債権放棄を見送ることにした」と答えるのであった。

騒然とするマスコミと勝利の声をあげる銀行。

その後の記者会見を中断し、乃原たちはその場を立ち去る。

本来、政府系銀行である開発投資銀行は、政府の意向に従わざるを得なかった。

しかし、合同報告会直前に行われた閣議決定で開発投資銀行の民営化が決まった。

そのため、開発投資銀行は政府の呪縛から解き放たれ、債権放棄に反対したのであった。

愕然とする白井に半沢は告げる。

「大臣、あなたは現場の人間をネジだとおっしゃいましたね。確かに一つ一つのネジは小さく非力ですが、間違った力に対しては精一杯抵抗します。問題はあなたがその抵抗を感じ取れなかったことです」

「あなたから見れば我々銀行員はしがないちっぽけな存在かもしれませんが、与えられた使命は全力で果たします。あなたは総理の椅子だけを見て足元のネジを軽んじた。これはその結果です」

 

銀行の勝利で終わった合同報告会であったが、夜、中野渡頭取が一人、箕部議員に呼び出されるのであった。

『半沢直樹』season2第8話(2020年9月13日放送)

進政党の幹事長である箕部は、中野渡頭取を呼び出す。

今回の債権放棄に各銀行が拒絶の姿勢を見せたことに対して、東京中央銀行が説得して回ったのではないかという話があるという。

帝国航空の再建が進まないのはそんな行動があるからではと。

箕部は議員の中には、公の場で東京中央銀行を糾弾すべきだという意見もあがっていると中野渡に脅しをかけ、持ちつ持たれつの関係でいこうという。

 

東京中央銀行の役員会議。

先日の合同報告会で債権放棄は拒絶の方向となった。

大和田は債権放棄を推し進めていた紀本の追い落としに動く。

しかし、紀本はまだ債権放棄を主張しており、この件について、中野渡頭取の参考人招致の話も上がっていると発言する。

中野渡はどこから聞いた情報かと紀本に尋ねるが、紀本は「あるスジからとお答えします」と述べ、この件を任せてほしいという。

紀本の態度を怪しむ中野渡ではあったが、「わかった」と一言述べ、引き続き紀本にこの案件を預けることにするのであった。

 

一方、帝国航空の経営陣から、タスクフォースが作成したとする帝国航空再建案を見せられる半沢。

その内容は、ほとんどが半沢が作ったものをそのまま採用していた。

その中で、半沢は赤字のため撤退予定であった伊勢島路線が残されていることに気づく。

伊勢島路線は箕部の支持基盤にある空港で別名「箕部空港」。

そして、再建案は銀行の債権放棄前提で作られており、箕部たちがまだこれから債権放棄に持っていくだけの材料を持っていると考える。

 

箕部を探るべきだと考えた半沢は、箕部のバンキシャをしていた記者と接触するがめぼしい情報は得られなかった。

その帰り、半沢は屈強な男たちに囲まれ、金融庁の黒崎のところへ連れていかれる。

黒崎もまた箕部を追っている一人であった。

黒崎は箕部から手を引くように警告をする。

応じない半沢であったが、黒崎は、もう用はないと追い返し、最後に箕部が東京中央銀行ともかつて関わっていたことを告げる。

黒崎の指摘を受けて過去10年にさかのぼって調べるが箕部の情報は出てこない。

半沢は、東京中央銀行が東京産業銀行と東京第一銀行が合併する前に取引があったのではないかと考える。

すると、東京第一銀行時代の資料から箕部に関わる情報が見つかった。

しかし、それは役員にしか見ることができず、半沢は再び大和田に協力を依頼するのであった。

 

大和田の協力により、東京第一銀行時代に箕部への20億円の出資が発覚する。

それもすでに返済は終わっているものの、当時5年間も無担保のままという通常ではありえない処置であった。

しかし、重要な資料の一つである箕部のクレジットファイルが見つからない。

当時担当をしていた法人部の灰谷に話を聞くが憶えていないと追い返される。

半沢は、この調査を行うため、検査部の富岡のもとを訪れるのであった。

富岡は半沢や大和田に仕事を教えたこともあるベテランのバンカー。

この件は表に出せない黒い融資のひとつであろうと推定する。

富岡は、「木を隠すなら森の中」といい、クレジットファイルが隠されているのなら、書庫センターが怪しいとふむ。

そのとき、半沢のもとに、紀本が検査部に向かっているとのメールが来る。

万事休すのところであったが、大和田の機転により、間一髪のところで資料を守ることができる。

 

別室にて、大和田は、半沢たちに一枚のリストを提示する。

それはかつて東京第一銀行の副頭取で、合併後自殺をした牧野をしのぶ「棺の会」のメンバーリストであった。

牧野は東京第一銀行の不良案件に関わっていたとして自殺した男であり、リストには、紀本を始め、役員会で紀本に賛同をしていたメンバーが名前を連ねていた。

その中に、半沢たちがよく通う割烹料理屋の女将・智美の名前が。

智美はかつて牧野の秘書をやっており遺書を受け取った人物であった。

半沢は智美から、当時、紀本の口座に金が振り込まれていたといううわさがあったことを聞く。

 

半沢たちの動きを察知した紀本は大和田を呼出し、大和田の常務推薦と引き換えに情報を引き出そうとする。

大和田はあっさりと智美のもとに遺書が残されていたこと、そこにクレジットファイルのありかのヒントが書かれていたことを伝える。

これは大和田たちの作戦であった。

慌てた紀本は、灰谷に連絡を取り、クレジットファイルを確認するように指示。

灰谷が書庫センターでクレジットファイルを確認するのを富岡たちが追跡。

こうして半沢たちは箕部のクレジットファイルを入手する。

 

紀本は智美のもとを訪れ、牧野の遺書を見せてほしいと頼む。

遺書のある部屋に行こうとする紀本であったが、そこには半沢が待ち構えていた。

すべてを話すようにいう半沢に、紀本は今さら終わった話をどうしようというのだという。

そんな紀本に半沢は、

「警察にあって銀行にないものが一つあります。時効ですよ。たとえそれが15年前の融資であっても、すでに回収されていようとも、銀行員に時効はない。きっちりとけじめをつけるのがバンカーの掟です」

「隠ぺいは隠ぺいを生む。その原因は組織の体質にある。銀行の信用というのはそれを乗り越えたところになければならない。過去を正してこそ未来は正しく開かれる。私は徹底的にやらせてもらいます」

と告げる。

紀本が何かを口にしようとしたとき、紀本のもとに一本の電話が。

それは箕部から半沢と大和田を連れてくるようにとの指示であった。

 

箕部と対面する半沢と大和田。

箕部は語る。

銀行からの融資には名目が必要だ、しかしそれはとても面倒。

そこで当時副頭取だった牧野に都合をつけてもらった。

そしてすべて返済は終わっている、それだけの話だ……と。

半沢は、大和田が止めるのを意に返さず、「本当にそれだけですか」と問う。

紀本との関係を疑う半沢に箕部は、不正な振り込みが見られる牧野の口座のデータを提示。

牧野は自らの不正が公になるのを苦に自殺したのだと述べ、納得がいかないのであれば金融庁に検査をしてもらう。

そのときは、業務改善命令ではなく、業務停止も覚悟してもらうと脅すのであった。

半沢は「失礼しました」と謝罪をする苦渋の決断を強いられるのであった。

 

半沢たちを抑えた箕部は、金融庁で箕部を嗅ぎまわっていた黒崎にも手を回し、黒崎は異動することになった。

黒崎のもとに訪れた半沢に、黒崎は、「伊勢志摩ステートを調べなさい」との言葉を残す。

そして金融庁はもうこれ以上うごけないと。

「私もヤキが回ったかしら。でももうあなたしかいないのよ。あなたのことなんて大っ嫌い。だから最後まで私が大っ嫌いなあなたでいてちょうだい。半沢次長」

と半沢の背中を押し去っていくのであった。

『半沢直樹』season2第9話(2020年9月20日放送)

大和田は、紀本に今回の一件はすべて半沢が先走った行動をしたことが原因であり、謹慎処分としていると報告をする。

箕部のクレジットファイルは紀本の手へと取り返されてしまう。

謹慎処分となった半沢だったが、おとなしくしているわけがない。

黒崎から「伊勢志摩ステートを調べなさい」と言われた半沢は、伊勢島空港へと降り立つ。

そこには森山が待ち構え、半沢とともに伊勢志摩ステートを調べるという。

半沢と森山は、伊勢志摩ステートで、社長の野川と、かつて白井大臣の秘書をし、今は箕部の付き添いをしている笠松(アンジャッシュ児嶋)が同じ車から降りてくるのを発見。

その後、東京中央銀行伊勢志摩支店を訪れた半沢は同期の尾池から、野川社長が箕部の妻のおいであることや、箕部とのやり取りがあることを聞く。

箕部の融資に関わる資料を見ているところ、それに感づいた笠松が銀行を訪問。

間一髪のところで逃げ出した半沢たちは、資料から箕部への20億円の融資は、伊勢志摩ステートへと渡り、伊勢志摩ステートはその金で当時二束三文だった山林を購入。

そこが、箕部の誘致によって伊勢志摩空港へと変わり、その土地は莫大な金へと変わったのであった。

半沢は、これが箕部の錬金術だと確信する。

 

しかし、伊勢志摩ステートから箕部へ金が渡った証拠が見つからない。

箕部のクレジットファイルが隠されていた架空の「荻久保西支店」の段ボールの中にあるのではないかと考えた半沢たち。

書庫センターに向かうが、あるはずの段ボールが一つ残らずなくなっていた。

監視記録を探るが、誰かが持ち去った記録が残されていない。

大和田を犯人だと考えた半沢は、大和田に直訴。

大和田は段ボールを持ち出した犯人ではなかった。

だが半沢は、そこで箕部のクレジットファイルの内容を大和田から知らされる。

クレジットファイルには、箕部への融資に紀本と灰谷が関わっていたこと、クレジットファイルには不思議なメモが残されていたことがわかる。

 

翌日、白井や乃原たちが銀行を訪れる。

乃原は中野渡頭取に債権放棄を行うよう再考を求める。

一週間後に帝国航空タスクフォースに訪れて結論を聞かせてもらいたいと。

そこには箕部幹事長も来るので頭取に直々に来てもらいたいと。

そして、このあと、耳に入れたい話があるので二人で話せないかというのであった。

その日の夜、乃原は中野渡に東京第一銀行時代の不正融資について言及し、それが明るみに出れば、銀行の信用は失墜。

不正が明るみになるより、500億円の債権放棄の方が銀行にとってもいいのではないかという。

だが、中野渡は、「やれるもんならやってください」と返答。

証拠が出せるのであれば出してみろと強気の態度を見せるのであった。

 

その日、半沢たちは、紀本と乃原がかつて先輩後輩の仲であったこと、乃原の親が経営する工場がつぶれたとき、融資をしなかった担当者が紀本の父親で、銀行を恨んでいることを知る。

乃原にとっては、債権放棄となっても、不正融資を暴露してもどちらでも損はない。

だからこそ、乃原が暴露する前に不正融資の証拠を見つける必要があると考える。

しかし、証拠を見つけても、銀行の信用は地に落ちてしまうがどうするのかと問う富岡。

半沢はいう。

「すべてを明るみに出し、世間に謝罪し、二度と同じことを起こさないと誓うしかない。もちろんこれは簡単なことじゃない。この過去を暴くには、相当な覚悟が必要だ。中野渡頭取の覚悟だ」

半沢たちは、福山の協力もあり、クレジットファイルに残されたメモの内容を解析。

それは、伊勢志摩ステートから、どこにいくら金が流れたのかを示しているものであった。

あとは、箕部へ金が流れた証拠が必要。

消えた段ボールを探さねばならない。

それぞれが段ボールや灰谷の動きを追う中、半沢は気になることがあると別行動をとる。

 

地下4階に向かう富岡とそれをこっそりと追う半沢。

富岡が向かったのは地下4階の隠し扉、その先には探していた段ボールだけでなく、東京第一銀行時代の不正の証拠が山となっていた。

半沢は段ボールを人知れず回収したのは富岡ではないかと踏んでいた。

富岡は、中野渡の特命を受けて、東京第一銀行時代の不正を探っていたのだった。

話してほしかったという半沢と、おかげで探していた資料を見つけることができたと感謝を述べる富岡。

富岡は、銀行を揺るがす不正ばかりだが、半沢の話を受けて、これは明るみにして清算するべきだという覚悟ができたという。

そのとき、半沢を追ってきた紀本が現れる。

資料をあるべき場所から動かすのは問題だと詰め寄る紀本だったが、半沢から不正融資の方が問題だと指摘される。

自分は知らないという紀本であったが、そこに証拠を持って現れたのは黒崎であった。

黒崎は、灰谷が紀本の指示でおこなったというボイスレコーダー、紀本や棺の会のメンバーに現金が振り込まれた口座の証拠を手にしていた。

ついに紀本も認め、箕部には逆らえなかったこと、牧野副頭取がすべての責任を背負ったのだという。

紀本は最後の証拠書類は役員専用の金庫に保管されていると白状する。

だが、その金庫はすでに荒らされていた。

 

証拠書類を持ち出したのは大和田。

紀本が証拠書類の場所を白状したとき、福山が大和田に連絡を取っていたのであった。

大和田を追ってホテルに向かった半沢であったが、そこには、大和田のほかに中野渡頭取と箕部幹事長がいたのであった。

なぜと驚く半沢であったが、大和田が持ち出した証拠書類は、中野渡から箕部へと渡っていたことを知る。

公表すべきだという半沢であったが、大和田は、すべてを知った上で頭取が判断したことだという。

中野渡に銀行のあるべき姿を訴える半沢であったが、中野渡からの答えは、半沢を帝国航空の担当から外すというものであった。

出ていかないのなら出向かという半沢に、土下座をすればこの場を収めるという箕部。

大和田は土下座をしようとしない半沢の頭を押さえて土下座させようとするが、地面につくすれすれで半沢は大和田を振り払い半沢は叫ぶ!

「私は銀行を信じています」

「私を銀行員として抹殺したいのならどうぞご自由に!だが、銀行の正義を信じるすべての銀行員のために。そして、この国の正義を信じるすべての国民のために。あなたの悪事はきっちりと暴かせていただく。この借りは必ず返します!倍……いや、3人まとめて1000倍返しだ!」

『半沢直樹』season2最終回(2020年9月27日放送)

箕部・中野渡・大和田の前で啖呵を切った半沢。

しかし、中野渡は最後までバンカーの誇りを持っていると信じていた半沢は裏切られた気持ちで道場で竹刀を振るう。

そこに森山と瀬名が訪れ、意気消沈する半沢に次々と発破をかける。

「あなたはどうしていつも正々堂々としていられるんだ。オレはあなたに出会って初めてこんな男になりたいと思った」

「オレもですよ。オレたちが目標とする男はどんなやつが相手でも、沈まないでいただきたい。堂々と戦ってください」

「やられたらやり返すのが半沢直樹だろう!」

目に力が戻った半沢は、「相手が誰であろうと向かっていくのみだ!」と決意を新たにする。

 

紀本の行方を追っていた半沢は、渡真利の協力もあり、紀本の宿泊するホテルを突き止める。

半沢はすでに紀本が処分を受けることは決まっているのだから隠し立てをせずにすべて話すように要求する。

紀本は、箕部が回収した不正資料は、振込依頼書であったが、箕部へあてた振込の証拠となるものはないという。

もし、その証拠を知っている人物がいるとすれば、箕部本人か第一秘書だけであると。

証拠を見つけられない半沢は、再度黒崎のもとへ。

半沢は箕部の受け取った額は100億円にのぼることを伝える。

黒崎は、それだけの現金を手元に置いておくのは現実的ではない、どこかの口座に振り込んでいるはずだと推測する。

出向を受ける前に黒崎は国内の銀行はすべて調べており、残すは海外支店のみ。

調査できないかと頼む半沢であったが、金融庁が動いたとなればその動きを察知して、金を動かされる恐れがある、箕部が100%黒の確証がなければ動けない、そしてチャンスは1度だけだと黒崎は話す。

 

箕部の証拠を掴むために半沢は、白井大臣についていた笠松に連絡を取る。

半沢は、笠松が箕部に単純に従っているわけではないとにらんでいた。

協力要請に対して笠松は、自分は白井大臣のために行動をしているのであって、協力はできないと断るが、夜、白井とともに半沢宅へと訪れる。

白井はここ最近の箕部のやり方に疑問を持っていた。

キャスター時代には政治家の汚職事件を追っていた白井は、今の在り方に葛藤をするものの、半沢に確たる証拠が現時点でないことを知り、それでは協力はできないとその場をさるのであった。

 

中野渡頭取に呼び出される半沢。

次の出向先の辞令を中野渡が告げる前に半沢が問う。

頭取は、不正資料に箕部に関する証拠がなかったからあえて渡したのか、大和田を相手の懐に入れて探らせるためだったのかと。

中野渡は静かに「そうだ」と返答。

伊勢志摩ホテルの一件で問題となった大和田をなぜ銀行に残したのか。

それは行内融和のために派閥間の争いを鎮静化することと、東京第一銀行の不正融資を探らせるためであった。

一方で半沢は、頭取が制止する中で大和田に対してやりすぎたという。

出向させたのは大和田の派閥からの目を逸らすため、そして証券の世界を直接見て知ることで成長して欲しかったからだと話す。

中野渡が証券の世界で銀行を見てどう映ったかと問うと、半沢は、

「大銀行の名にあぐらをかいた銀行の怠慢さがよく見えた」

と答える。

中野渡は、半沢のことを「君はいずれ頭取になる男」といい、過去を大和田に、未来を半沢に託すつもりであったが、自分の力が及ばすこんなことになった、「すまなかった」と謝罪をする。

半沢は、これまでの経緯はいい、ただ、

「東京中央銀行の先頭に立つあなたが、権力に屈してはならない」

と最後まで戦い抜こうと話すのであった。

 

記者会見当日。

大勢の記者と、箕部、白井、乃原が中野渡の到着を待つ。

頭取がきたとの連絡が入り、一同拍手で迎えるが、会場に入って来たのは半沢ただ一人であった。

半沢は、中野渡は所用でこれなくなったため代理として自分が来たの告げる。

そして、改めて宣言する。

「帝国航空に対する債権放棄、お断り申し上げます!」

箕部は半沢に世論の多くは債権放棄を望んでいるのに、世論を無視するのかと問う。

しかし半沢は、自主再建が可能な企業に対して債権放棄をするのであれば、自分たちも救ってくれという企業はたくさんあるはず。

そうした世論の声はどうするのか、銀行という世論の声はどうするのか、そして、多数になれない少数派の弱者を支援するのが新政党の理念だったのではないかと、箕部に突きつける。

言いよどむ箕部。

半沢は白井にもどう考えているのかと問う。

白井は、タスクフォースの作った再建案は完璧なものであるという。

だが、これは東京中央銀行が苦労して作成した再建案とうり二つ。

タスクフォースはそれに安易な債権放棄という方法しか提示できず、これは発足した自分の責任であると述べ、箕部に反旗をひるがえす。

その意見を受け、半沢は再度債権放棄を拒否することを宣言!

騒然となる会場と勝どきをあげる銀行。

怒りとともにその場を立ち去ろうとする箕部であったが、半沢が「話はまだ終わっていない」と待ったをかける。

 

半沢は、白井がタスクフォースの再建案は銀行のものとうり二つといったが、一つだけ違う点がある、それは赤字となっている羽田ー伊勢志摩路線がなぜか残されているという点だと話す。

いったいどういうことかと問う半沢であったが箕部は「わしにいわれれもわからない」ととぼけようとする。

「ではご説明いたしましょう」と半沢は箕部と伊勢志摩空港、旧東京第一銀行との関係を明かすのであった。

東京第一銀行は、当時箕部に対して20億円の融資をおこなった。

それは転貸をされ、伊勢志摩ステートに渡り、伊勢志摩ステートは、その金を使い、ある土地を大量に購入。

そしてその土地はのちに伊勢志摩空港とかわり、土地の値段は跳ね上がる。

そうして伊勢志摩ステートは莫大な利益をあげたのだ、と。

半沢は、銀行としての企業モラルを問われてもしかたがない事案であり、謝罪の上、しかるべき処分を受けるつもりだと記者たちに告げる。

その話を聞き、箕部は激昂。

親戚を助けるために金を貸しただけであってやましいことはなにもないという。

だが、半沢は、その後、複数回に渡り金は引き出され、その都度、伊勢志摩ステートから口止め料として当時担当していた幹部たちに1000万円、残りの金額が箕部に振り込まれていたことを明かす。

事実無根であり名誉棄損だ、証拠を出せという箕部。

「ではお見せしましょう」と伊勢志摩ステートから現金が振り込まれた証拠となる箕部の口座を提示する半沢。

これは、半沢に協力した白井や笠松、黒崎たちが連携して手に入れたものであった。

証拠を突き付けられた箕部であったが、そこでも、「記憶にない」といって逃げようとする。

だが、記憶にないが通じるのは国会答弁だけだと詰め寄る半沢。

そして白井からも、「説明できないなら謝罪すべき。それが政治家として人として当たり前のことだ」と逃げ場をふさがれてしまう。

箕部はふらふらとした足取りで会場の真ん中に進み、一瞬土下座をし、そのまま逃げるようにその場を走り去っていくのであった。

 

巨悪に対して真っ向から立ち向かった半沢。

箕部は様々な不正が明るみになり逮捕。

乃原も強要などの罪により、弁護士としての立場を失う。

白井も、進政党を辞任し、無所属として一からやり直すこととなる。

一方で半沢も今回の件で、銀行を辞めることを決意していた。

だが、中野渡は「すべての責任は私が取る」と頭取辞任。

そして大和田も、辞めるという半沢に対して苦言を呈す。

 

大和田は半沢との因縁となった、半沢の父親への融資停止の件について話す。

あれは悪かったと思っているが間違ったことはしていないという大和田。

当時の業績を考えてもとても融資できるものではなかった、あそこで融資しないのは私のバンカーとしての正義であると。

半沢はバンカーとはそうではない、業績だけでなくもっと一緒に立ち上がるために考え寄り添うのがバンカーであると。

大和田は、責任を取って辞めるという半沢を一人だけ逃げようとするなという。

今回の件で、東京中央銀行は株価暴落、信用もなくした、もう沈没したも同然。

私は辞める、こんなところ死んでも嫌だ、この銀行はもうおしまいだという。

半沢は、この銀行は立て直すことができるだけの力を持っているとそれを否定。

なら責任を取って自分で最後までやれ!立て直してみせろ!その覚悟を示せ!と大和田。

大和田は、半沢に立て直すためには上に立ち、頭取にならなければ無理だ、お前の代わりに頭取も私も辞めるのだからそれなりの覚悟を見せろと叱咤!

そしてこれは勝負だともいう。

半沢が頭取となり銀行を立て直したら半沢の勝ち。

だがそうならず、立て直すこともできなければ大和田の勝ち。

「この世で一番嫌いなお前を全人生をかけて叩き潰す!受けて立て!」

「わかりました。受けて立ちましょう。だが今度こそ容赦はしない。完膚なきまであなたを叩き潰す」

「上等だ!やれるもんならやってみろ」

半沢の辞表を破り捨てて立ち去っていく大和田。

その後ろ姿を睨みつけながら、バンカーとして戦い続けることを誓う半沢であった。

原作とドラマの相違点

『半沢直樹』は原作とドラマで違う点がたくさんあります。

というか、もう大筋以外はまったくの別物ですね。

しかし、それもおもしろい。

ここでは各話で原作と違うなぁと感じた点をピックアップします。

『半沢直樹』第1話での相違点

〇伊佐山が大和田を尊敬しているというエピソード

〇そもそも大和田は第2巻『オレたち花のバブル組』以外に登場しない。

〇登場人物が違う。浜村瞳(今田美桜)や女将・智美(井川遥)は存在しない。

〇半沢と妻・花がドラマでは仲良し。うらやましい。

〇森山が瀬名から万年筆をもらったというエピソードはドラマのみ。

〇久しぶりに会った森山を瀬名が追い返したが、原作では追い返すこともなくもっと親密。

〇瀬名を裏切った加納と清田は、原作時点ではまだ投資の失敗をしていない。

〇情報漏洩を行った人物を見つけるためにメールを調べるというわな。これもドラマのみのエピソード。原作では犯人がわかるのはもっと後で、三木も諸田も銀行に移動してからになる。

『半沢直樹』第2話での相違点

〇原作では、諸田は三木が銀行に戻ってからしばらくしてから異動となる。情報漏洩が諸田によるものなのも、この時点では判明していない。

〇瀬名が大洋証券に、半沢たちをセカンドオピニオンにすると話しているが、原作では黙ったまま半沢たちが水面下で動き、大洋証券の裏切りがわかった時点で表舞台に姿を現していた。

〇第1話で書いたとおり、原作では最初から瀬名は森山に好意的。スパイ疑惑もなかった。

〇大和田……。原作にはいないけれど、とてもいい味を出している。

〇証券営業部の情報統制が難攻不落という点。原作では、コピーをやらされていた三木が、証券営業部のコピーからこっそりと抜き出していた。

〇大洋証券との契約がここまでぎりぎりではない。ドラマならではの演出。もちろんどきどきしておもしろい。

〇中野渡頭取に半沢が啖呵を切るシーン。三笠と伊佐山に宣戦布告することはあっても、これは原作には一切ない。

『半沢直樹』第3話での相違点

だんだんと原作と同じところを探す方が難しくなってきますね。

〇相変わらずの剣道シーン、なぜこれを入れたがるのか謎

〇 スパイラルとFOXの決裂した会談は、もう少し郷田社長の人間味が原作にはある。ちょっと追い詰められてかりかりしてる感じで残念。

〇証券取引等監視委員会の登場は原作にはない

〇相変わらずの大和田さん。もうこのキャラなしにはドラマは見れない

〇3話の最後に平山夫妻が登場

『半沢直樹』第4話での相違点

〇電脳電設の特許のくだり。電脳雑技集団を悪党にするために入れたエピソード?

〇渡真利の政府が動くかも……という話。原作ではまだ帝国航空の話も上がっていなかったので、こういった話もまたなかった。

〇伊佐山にメモを渡そうとする場面。原作では役員会前日に直接伊佐山と会っている。

〇とにかく大和田さん!

〇役員会に半沢を招き入れるのは、大和田ではなく、かつての上司の内藤。

〇伊佐山の役員会での謝罪シーン

〇三笠の電脳雑技集団の不正は原作ではない。ただし、責任を取らされて電脳雑技集団には三笠と伊佐山が出向する。

5話以降(帝国航空編)の原作との相違点

5話以降は、原作『銀翼のイカロス』に入ります。

こちらは相違点が更に増えていて本当に別物となっています。

〇ここでも原作で大和田はいないが、ドラマではとても重要な役割

〇原作の白井議員はもっと夢見がちで頭が悪そう

〇原作は主に乃原議員が暗躍するが、ドラマではわき役程度

〇ドラマの半沢はまわりにけんかを売りすぎ

〇黒崎の役が最後ちょっと素敵な感じ

〇女将・智美は存在しない

〇箕部に半沢や大和田が呼び出されることはない

〇中野渡頭取あっさり政治家に負けるなんてことはない

〇白井が箕部に反旗を翻すなんてことは原作にない。ドラマの白井強い

おわりに

ドラマ『半沢直樹』season2。

ついに完結しました!!

期待以上のクオリティーでここ最近のドラマで断トツの面白さでした!

続編とかやってくれるのでしょうか。

半沢直樹の新作も販売されましたし、それにも期待です。

スピンオフで大和田中心のものとかやってくれるとそれはそれで見てみたい気も。

 

『半沢直樹』はseason1を見ていなくても十分楽しめます。

でも見ているともっともっと物語に深く入り込んでいけること間違いなしです。

特に半沢と大和田の関係は、season1を見ていないとちょっともったいない。

レンタルでも動画配信サイトでもぜひ一度みてみてください。

半沢直樹おもしろかった!ありがとうございました!!