先日、犬が含まれた小説を紹介しました。
犬と言えば次に来るのは当然、猫ですよね。
ということで本日は”猫”を描いたおすすめの小説でいきたいと思います。
猫って自由でいいですよね。
犬は割と人間に寄り添いながらの物語が多いですが、いや、猫でも小説だとそうなのかも。
でも、どこかふっといなくなったり、気ままに人間のところにきたりってところもまたかわいいです。
Contents
『吾輩は猫である』夏目漱石
我儘な人間のことが、時折気の毒になる――。
日本一有名なネコの可笑しな人間観察日記。
昭和36年刊行の新潮文庫版は123刷、228万部超え! 今なお色褪せぬ、漱石40歳の処女小説。
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
(Amazonホームページより)
最初に出すのはやはり、誰もが知っている夏目漱石の『吾輩は猫である』でしょう。
冒頭の文章は一度は耳にしたことがあるはず。
物語としては、猫の視点で人間の生活を描いたものになるのですが、けっこう長めです。
個人的には序盤とラストはおもしろかったですが、中盤あたりは間延びした感じがして読むのが大変でした。
でも、名作と言われる一冊なので一度は読んでおきたいですね。
『旅猫リポート』有川浩
内容紹介(「BOOK」データベースより)
野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。
有川浩さんは、<図書館戦争シリーズ>や『塩の街』などの自衛隊三部作、『植物図鑑』、『阪急電車』など有名な作品も、映像化された作品もたくさんある人気作家です。
有川浩さんの作品ってだけで優しそうなイメージが湧きますよね。
そこにくわえて猫、もう楽しみしかない。
『猫弁』大山淳子
内容紹介(「BOOK」データベースより)
婚活中の天才弁護士・百瀬太郎は、毎日持ち込まれるやっかいな依頼に悪戦苦闘。-とにかく引き受けて、共に考え、解決の道を探したい。黄色いドアの向こう側、猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考える日々に、新たな依頼が舞い込んだ。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい!」すべてのピースがつながった後には、誰にも予想できない結末が待っている。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー。
『猫弁』って意外と前の作品だったんですね。
ドラマ化もされた有名な作品ですが、シリーズものとして何気にかなりの冊数になっています。
弁護士などの専門職と動物って組み合わせもいいものがあります。
『猫を処方いたします。』石田祥
内容紹介(「BOOK」データベースより)
京都市中京区の薄暗い路地にある「中京こころの病院」。心の不調を抱えて病院を訪れた患者に、妙にノリの軽い医者が処方するのは、薬ではなく、本物の猫!?戸惑いながらも、猫を「服薬」する患者たち。気紛れで繊細、手がかかるけど愛くるしい猫と暮らすことで、彼らの心も変化していく。そして医者が猫を処方するのには、ある理由があってー。猫と人が紡ぐ、ハートフルストーリー!
かなり話題になった一冊でもあるので、知っている人も多いと思います。
薬の代わりに猫が処方される変わった病院。
なんで猫!?って感じですがこれがその人にとってはとても効果があるという。
猫と暮らしたら自分も癒されそうだな―。
『本を守ろうとする猫の話』夏川草介
内容紹介(「BOOK」データベースより)
夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、小学校に上がる頃からずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が、突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、店の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。林太郎は、書棚の奥から本をめぐる迷宮に入り込むー。アメリカ、イギリス、フランスをはじめ世界三十五カ国以上で翻訳出版された記録的ロングセラー、待ちに待たれた文庫化!
夏川草介さんといえば、『神様のカルテ』が一番に浮かんできます。
シリーズとしても人気ですが、全体的に優しいお話を書く印象ですね。
本作も期待を裏切らず、優しい気持ちになる作品です。
『世界から猫が消えたなら』川村元気
内容紹介(「BOOK」データベースより)
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。
映画化もされた人気作です。
これを初めて読んだのは10年も前になりますが、それでも内容を覚えているほど楽しめた一冊です。
自分にとって大切なものがこの世から存在しなくなったらどんな気持ちになるのか。
大切なものを改めて考えさせられます。
『八丈島と、猫と、大人のなつやすみ』五十嵐雄策
内容紹介(「BOOK」データベースより)
六年間勤めた会社を離れ、八丈島で1ヶ月を過ごすことになった川瀬星子。仕事も恋もうまくこなしていると思っていたが、いつも味方になってくれた祖母の死をきっかけに、気持ちの糸が切れてしまったのだったー。家賃はタダだけど年季の入った古民家の掃除に始まり、畑仕事と釣りで美味しい食材を手に入れ、スキューバや織物を楽しむ。温泉で疲れを癒やすと、いつも見かける猫は島の不思議を教えてくれる。星ふる島で過ごす、大人にもきっと必要なひと時の物語。
島ってすごく好きです。
島を描いた小説ってだけでも好きなのに猫も加わって、それはいい予感しかしません。
読んでいるとふらっと島に行きたくなります。
『今宵も猫は交信中』水庭れん
内容紹介(「BOOK」データベースより)
笑いあり、涙あり、そしていつでも猫あり。宵、きせき、シュトレン、めい子の四姉妹は、今日も元気にごろごろのどを鳴らし、テレパシーで会話中。しかし、いつも明るいめい子の様子がおかしいと思ったら、飼い主夫婦が離婚の危機に!?猫の自分には引き留めることができないと途方に暮れるめい子の前に駆けつけたのは、なんと宵ちゃん。妹のピンチは放っておけない。なぜならお姉ちゃんですから!猫がすべての絆をむすぶ、猫視点ハートフルドラマ!
水庭れんさんの二作目となる小説です。
デビュー作の『うるうの朝顔』も考えさせられる作品でしたが、こちらも独創的でいい作品です。
二作目がおもしろい作家さんって今後も期待しちゃいますね。
おわりに
猫が描かれたおすすめ小説8選でした。
犬もいいけど猫もたまらん。
動物ものってどこか人の心を柔らかくしてくれる気がします。
調べてみると意外と犬よりも猫を題材にした小説の方が多い気がするんですよね。
猫の方が気紛れな感じがして描きやすいのかなとはちょっと思います。
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