子どもが産まれると、
「大きくなったら習い事何をさせようか」
って考える人が多いと思います。
我が家でも、
「ピアノはさせたいよね」
「スポーツなんでもいいからしてほしいな」
と夫婦で話すことがよくあります。
今回読んだのは、元テニスプレーヤーである松岡修造さんの
『修造本気塾 スポーツで子どもは変わる!』
子どもに何かスポーツをさせたいなと思っている親御さんにおすすめの本です。
私が将来子どもに何かさせるときの参考にもなりました。
でも、スポーツ論というより、子育て論みたいに読めました。
どちらにせよ、とても学ぶことの多い一冊です。
本書では、
・松岡修造さんがスポーツを勧める理由
・始めるなら早いほうがいいこと
・スポーツをする環境の重要性
・親のサポートの在り方
・こんな時はどうしたらいいかというQ&A
・松岡修造さんの親子関係について
などが記載されています。
その中で、私が学んだことや感銘を受けた点を紹介します。
Contents
何のスポーツがいいか
まず気になるのはここですよね。
「元テニスプレーヤーの松岡修造が勧めるのだからテニスか?」
と安易な答えはないですね。
松岡さんは、何のスポーツをしたらいいのかという点について、
「なんでもいい!」
と言っています。
どのスポーツであれ、子どもの成長にとっていい要素がたくさんあるそうです。
勝つことの喜び。負けることの悔しさ。
粘り強さ。諦めないこと。
大きな達成感。失敗を恐れない心。
スポーツをしているとケガをするかもしれない。
危険もあるかもしれない。
親だとつい、失敗したり、ケガをしたりすることがないようにと子どもを守ろうとする。
だが、子どものうちだからこそしておいたほうがいい失敗もある。
そう教えてくれています。
本書の中で、
そんなとき、僕たち親にできることは、この過酷さから必要以上に子どもを守らないこと。過酷さを回避するのではなく、乗り越えていくための適切なヒントを与えてあげることではないだろうか
とも考えを示しています。
また、プロのテニスプレーヤーまでなった人なので、
「小さい頃から何か一つのスポーツを一生懸命頑張ろう!」
という考えなのかと思っていたのですがぜんぜん違いました。
松岡さんは、小さいころにたくさんの種類のスポーツを経験させることを勧めています。
松岡さん自身、テニスだけでなく、水泳をしていたそうです。
本書の中では、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手が小さい頃サッカーをしていたこと。
サッカーの本田圭佑選手は、水泳も卓球もバスケットボールもしていたことを挙げています。
いろんなスポーツをすることで、そのスポーツで学べる体の動かし方や経験が、ほかのスポーツにも影響を与えるそうです。
私も、中学、高校とテニスをしていましたが、その影響なのか、バドミントンや卓球といったラケットを使う競技は比較的得意です。
戦術的な考え方でもそうですね。
一つのスポーツで学んだことがほかに生かされるのを実感します。
親と子どもの関係
松岡さんは、子どもにスポーツをさせる上で、親に気をつけてほしいことにも言及しています。
まず、子どもを親の「マシーン」にしないことです。
松岡さんが小さい頃に経験したテニスの試合のこと。
対戦した相手には、親が細かく指示を出す選手が多かったそうです。
親は親で、子どもに、
「なんとか勝たせてあげたい!」
という気持ちでいっぱいだったのでしょうが、対戦相手は自分の意志でテニスができていたのだろうかという疑問を持ったそうです。
これは、テニスなどのスポーツに限らずのことだなと読みながら感じました。
日々の生活で子どもに
「こうしなさい!」
と言うとき、子どものためを思っているつもりが、自分のさせたいように動かしているのではないか。
子どもに勉強をさせるときも、子どもの可能性を伸ばしたいからという気持ちよりも、親がこうであってほしいという気持ちが勝っているときはないか。
子どもの不幸をのぞむ親はいませんが、いつのまにか親ののぞむ子どもにしようとしてしまっていることはあると思います。
松岡さんは、スポーツをさせるときも、親のさせたいスポーツをさせるのではなく、子どもがやりたいという意思を持っているかどうかを重要視しています。
また親が子どもに言ってはいけないこととして、
「あなたは運動音痴」、これはもう禁句中の禁句。
親が絶対に口にしてはいけない言葉だ。言った時点でもう、その子は本当の運動音痴になってしまうと思ってほしい
と教えてくれています。
これは読みながら、
「私も言ってしまいそうだ」
と、今から気をつけなければいけないなと思いました。
親の言葉と言うのは、子どもにとっては親が思う以上に大きなものです。
スポーツでもそうですし、勉強でも、
「あんたは馬鹿なんだから」
なんて言われたらもう勉強しようとは思わないですよね。
自分の子どもと他人の子どもは違う
松岡さんは、本書の最後の章で、自身の家庭についての話もしています。
松岡さんは、いろんな子どもたちにテニスを教えるときに、どんなに失敗する子でも、
「なんでそんなこともできないんだよ!」
というような指導は絶対にしないように意識しているそうです。
ところが、つまらなそうな顔をしている娘に、
「そんなにやる気がないんなら、もう終わり!」
と言ってしまったことがあるそうです。
このときのことを振り返って、
これも、他の子どもたちに対して絶対に言わない言葉なのに……。
教える人が父親となると、子どももどうしても甘えてくる。だから、他の子どもたちに対するよりもきついことを言ってしまったのだろうか?
いや、そうではない。僕のほうが、身内であるのをいいことに、子どもに甘えていたのだ。
と述懐しています。
子どもが親に甘えるというのはイメージがつきやすいです。
でも親も子どもに甘えることがある。
言われてみればその通りです。
子どもに限らず、私も、他の人には言わないこと、しないこともつい妻に対して言ってしまうことがあります。
それは、近しい関係だから、距離が近いからというよりも、
「これくらい理解してくれているよね」
という甘えだったのかもしれません。
自然体でいられる関係というのは大切ですが、近しき中にも礼儀あり。
お互いの配慮は忘れずに生活をしていきたいなと改めて思いました。
終わりに
私は、本書のように、スポーツ選手の本というのがかなり好きです。
専門家が書いた本や、成功した起業家の本というのもとても勉強になります。
でも、スポーツ選手の本は、実体験から感じたものをそのまま読者にぶつけてくるものが多いように感じます。
その分、自分自身の生活に照らし合わせて、
「もっとこうしなくちゃ」
と思わせてもらえます。
また、編集をした人の腕によるところもありますが、比較的読みやすいのも魅力の一つですね。
スポーツ選手は、ストイックに人生を生き抜いた人ばかりなので、学ぶことが本当に多いです。
私自身ももっとその生き方から自分にあったものを学んでいきたいと思います。